座敷牢中夢地獄 44
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「ここは我が家の座敷牢だ」
あっさりと先生は明かした。
「キミのような人が現れた時は、ここに入ってもらうことにしている。さっきの酒は
ほんの少しの間、意識と体の筋肉を眠らせる薬だ。今のキミは差し詰め、意識だけ先に
目が覚めて体のほうは寝ぼけている状態か」
「何故・・・そんな酒を俺に」
「アキラのためだ」
「?」
「アキラの相手をさせるために、キミをここに入れた」
「アキラくんの・・・?」
「うむ」
相手とは、まさか単なる話し相手ではないだろう。
「ですが、何故・・・わざわざこんな所で」
「仮にキミが一夜だけでなく、しばらく我が家に滞在してくれたとしても、いつかは
出て行ってしまうだろう?それに外の人間と接触を持たれても何かと面倒だ。・・・ここに
いてもらうのが一番いい」
淡々と語られる言葉の中に潜む不穏な意味に、俺は今朝風呂場でアキラの話を聞いた時と
同じ本能的な寒気が全身を走るのを感じた。
アキラが酒を飲むなと俺に戒めたのはこのことだったのだ。
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