Kids are all right. 5
(5)
茶色い帽子を被り、同色の革靴を履いたアキラは、緒方としっかり
手を繋いで元気よくてくてくと歩き出しました。
緒方が持つ紺色の帆布のトートバッグには、保冷剤を入れてしっかり
タオルで包んだプリンが二つと、冷たい麦茶を入れた魔法瓶、そして
バナナも入っています。
アキラの歩くペースは、足の長い緒方がわざわざ気を遣う必要もないほど
速く、力強いもので、アキラの喜びようが緒方にもひしひしと伝わってきました。
「さて、どこの公園に行こうか、アキラ君?」
緒方は繋いだアキラの手を軽く振りながら尋ねました。
「ボク、いっぱいあるけるよ!ちょっととおいところまでいってみようよっ!!」
勇ましく答えるアキラを楽しそうに見つめながら、緒方は言いました。
「そうだな……、確か少し先に大きな噴水のある公園があったな。
アキラ君、行ったことはあるかい?」
アキラはびっくりしたように目をまん丸くさせて、緒方の顔を凝視しました。
「……おおきなふんすい?すごぉいっ!!いったことないや。ボク、
そこいきたいっ、そこいきたいっ!!」
アキラは大はしゃぎで、ぴょんぴょん飛び跳ねながら緒方と繋いだ手を
ぶんぶんと勢いよく振りました。
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