tournament 5


(5)
そして、オッチーはその騎士に勝負を挑んで、敗れた。
悔しかった。悔しさの余り、勝負の結果を確かめに訪れた姫を門前払いするほどであった。
勝って姫に自分の勝利を捧げようと思っていた。
あなたの執着する騎士など、ボクの力には及ばないのだと、勝った自分を見てくれと、姫に訴えようと
思っていた。けれどその夢は敢え無くついえ去った。
負けた自分の無残な姿を見せたくなかった。
そして、かの騎士の勝利に、内心の喜びを隠しきれぬであろう姫など、もっと見たくなかった。

その騎士、シンドーも、当たり前のように勝ちあがってきて、この場に彼の戦いを戦っている。
今でも、実力でシンドーに劣っているなどとは思っていない。
だが組み合わせによってシンドーとは当たらない事が分かって、オッチーは少しだけほっとした。
姫のパートナーの座をめぐるこの戦いで、シンドーと当たらなかったことは、しかし幸運なのか、不運
なのか。シンドーに勝って見せれば姫へのアピールはこの上ないものとなっただろうに。
だが今大事なのは、まずこの戦いに勝利して姫のパートナーとなる権利を得ること。
シンドーとの勝負はそれからだ。まあ、その前にシンドーが負けてくれればその方がボクとしては
随分ラクになるんだけどね。けれどまずはトーマスに勝つことだ。
勝って、今度こそボクは、あなたの隣に並んで見せますよ、姫。
オッチーが不屈の闘志を胸に秘めて、この戦いに挑んでいたのだという事を、知る者は少なかった。



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