Kids are all right. 5 - 6


(5)
 茶色い帽子を被り、同色の革靴を履いたアキラは、緒方としっかり
手を繋いで元気よくてくてくと歩き出しました。
緒方が持つ紺色の帆布のトートバッグには、保冷剤を入れてしっかり
タオルで包んだプリンが二つと、冷たい麦茶を入れた魔法瓶、そして
バナナも入っています。
 アキラの歩くペースは、足の長い緒方がわざわざ気を遣う必要もないほど
速く、力強いもので、アキラの喜びようが緒方にもひしひしと伝わってきました。
「さて、どこの公園に行こうか、アキラ君?」
 緒方は繋いだアキラの手を軽く振りながら尋ねました。
「ボク、いっぱいあるけるよ!ちょっととおいところまでいってみようよっ!!」
 勇ましく答えるアキラを楽しそうに見つめながら、緒方は言いました。
「そうだな……、確か少し先に大きな噴水のある公園があったな。
アキラ君、行ったことはあるかい?」
 アキラはびっくりしたように目をまん丸くさせて、緒方の顔を凝視しました。
「……おおきなふんすい?すごぉいっ!!いったことないや。ボク、
そこいきたいっ、そこいきたいっ!!」
 アキラは大はしゃぎで、ぴょんぴょん飛び跳ねながら緒方と繋いだ手を
ぶんぶんと勢いよく振りました。


(6)
「少し先といっても、アキラ君には結構な距離だぞ。途中でもう歩けない
なんて言わないかな?」
 アキラがぶんぶんと勢いよく振る手に、更に勢いを加えてやりながら、
緒方は確認するように尋ねました。
「だいじょうぶだよ、ボク!だって、つかれちゃったらプリンをたべれば、
またげんきになるんだもんっ!!」
 緒方は「ハハハ!」と笑うと、アキラに見えるよう、わざとトートバッグを
大きく揺らして言いました。
「そうだな。アキラ君はプリンを食べると元気百倍になるんだったな」
 それを聞くと、アキラは得意満面で大きく「うんっ!!」と頷き、
繋いでいる緒方の手を引っ張りました。
「はやくぅ、ねぇはやくぅっ!おがたくん、ゆっくりあるいてちゃだめだよぉ!!」



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