Kids are all right. 6
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「少し先といっても、アキラ君には結構な距離だぞ。途中でもう歩けない
なんて言わないかな?」
アキラがぶんぶんと勢いよく振る手に、更に勢いを加えてやりながら、
緒方は確認するように尋ねました。
「だいじょうぶだよ、ボク!だって、つかれちゃったらプリンをたべれば、
またげんきになるんだもんっ!!」
緒方は「ハハハ!」と笑うと、アキラに見えるよう、わざとトートバッグを
大きく揺らして言いました。
「そうだな。アキラ君はプリンを食べると元気百倍になるんだったな」
それを聞くと、アキラは得意満面で大きく「うんっ!!」と頷き、
繋いでいる緒方の手を引っ張りました。
「はやくぅ、ねぇはやくぅっ!おがたくん、ゆっくりあるいてちゃだめだよぉ!!」
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