無題 第3部 6
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「あ、ああ…っ!」
熱い飛沫を手の中に吐き出して、突然アキラは我に返った。
今、ボクは何を考えていた?何をしていた?
呆然として、手の中を、そして自分が撒き散らした白濁液を、見た。
あんな風に緒方さんを責めておいて、今ボクのしていた事は何だ?
ハハッ、同じじゃないか、ボクも。
最低だ。人の事なんか、言えやしない。
―いやだ、塔矢、やめてよぉ…っ!
ボクの想像の中で進藤はそう言って、泣いて、助けを求めていたのに。
それは益々ボクを高まらせ、もっと泣き叫ぶ顔が見たいと思った。
どんなに泣いて許しを請うても、聞き入れたりなんかせずに、彼を責め続けた。
ほら、キミの泣き顔を思い浮かべただけで、ボクはまた熱くなる。
アキラの中心がまた、ドクンと熱く脈打った。
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