緒方の車中チェック 6 - 9
(6)
そのままアキラは緒方の首に腕をまわして抱き着き、緒方の唇を強く吸った。
アキラが尻を乗せた場所より少し下方に緒方の持つ熱い楔がそそり立っていた。
緒方はアキラの腰を持って位置を調整し、左右に大きく割り開いた臀部の谷間に
軽く自分のモノが接するようにした。
「あ…」
緒方が更に双丘を両手で掴んで開いたため、もしも車の全面に人が居たら
どれほど恥ずかしい格好を見られるはめになるかと思うとアキラは
目眩がする程恥ずかしかった。
そしてその押し開かれた蕾に、緒方の固く熱いモノの側面が触れている。
その熱がじわりと伝わって来た。
だがその格好のまま、緒方はなかなか次の行動に移ってくれなかった。
「緒方…さ…ん」
アキラはもう一度ねだるように緒方の唇を念入りに吸った。
するとようやく緒方の指が動いた。だがそれは両脇からアキラの菊口を開いたり
閉じたりし、左右の人さし指を挿入し弄りまわすというものだった。
「ヤ…だ…!緒方さ…」
すぐ傍に目的のモノを添えられながら別の感触を与えられる事に
アキラは抗議の視線を緒方に向けた。
(7)
「そんなに怖い顔をしなくていいよ」
なだめられるようにそう言われて赤くなり、アキラは顔を反らす。
するとようやく緒方の指に弄ばれていた部分の中心にその固く熱い先端があてがわれた。
「あ…」
緒方の首に回されていたアキラの腕に力が込められる。
「ん…ん…」
その部分を中心に鈍痛が広がる。アキラは固く目を閉じ、睫毛を震わせて緒方の
首にしがみつき、行為に毎回付きまとう最初の苦痛に耐える。
ゆっくりと自分の下肢と緒方の下肢の間が縮まっていくのを感じる。
それと同時に限界に誓い程の痛みも重なっていく。
だがアキラはその痛みの向こうにある感覚をもう幾度となく味わっている。
目の前のこの男に教えられた。
出血して緒方の服や車のシートを汚さないかという事がアキラには気掛かりだった。
「大丈夫…切れてはいないようだよ…」
ほぼ自分自身を収め切ったアキラの菊口周辺を指でなぞった緒方が
アキラの心配を見越したように言って来た。
(8)
それでもまだアキラには心配な事があった。
それは目前に迫っていた。
熱く太く固い異物に体内を占められているだけで、甘く内部を溶かされそうに
感じていた。それに追い討ちをかけるように緒方の両手が再度アキラの胸を
まさぐり、敏感なまま尖っている両の突起を摘み、弾く。
「ああ…っ」
まだ殆ど動いていないうちから二人の下肢の間でアキラのペニスが今にも
破裂しそうに跳ね上がった。
「このままじゃ…ダメ…っ」
吐息だけのアキラの言葉に、緒方はシート下からある物を取り出した。
片手と口でその袋を破ると中からそれを取り出した。
「あ…」
アキラがそれを見つめる。緒方が以前自分との行為でそれを付けるのを
一度だけ見た事がある。
「君は初めてだったね。つけてあげるよ。」
触れる事に寄ってアキラが到達してしまわないように緒方はアキラのペニスの
根元を強く握ると、ゴムで出来たそれを先端にあてて、かぶせた。そして
「ほう、」と小さく感心したような声を出した。
(9)
「たいしたもんだ…」
そう言って緒方がククッと笑う理由がアキラには判らなかった。
少なくともこれで大きな汚れを気にしないですむとアキラが安心しかけた
瞬間から緒方が腰を動かし始めた。
「はあっ…!」
最初はゆっくりと、こねまわすように、そしてやがて上下に突き入れるように。
「ああ、あ、あ、あ、あ、あ…」
身体が上下する度にアキラの黒髪も揺れた。
車も揺れた。
暗闇の公園の片隅で、フロントガラスの中で白い双丘が揺れた。
切れ切れの悲鳴が数度繰り返され、やがて静かになった。
狭い車内の中に煙草の残り香以外の獣の匂いが広がる中でアキラは
身体を繋げたまま緒方の胸に抱き着き体重を預けていた。
「…続きは…オレのマンションに来るか?」
アキラは緒方の胸で頷いた。
アキラは思った。
…緒方さん、車のあんなとこにコンドーム隠しているんだ…。
(終わり)
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