緒方の車中チェック 7


(7)
「そんなに怖い顔をしなくていいよ」
なだめられるようにそう言われて赤くなり、アキラは顔を反らす。
するとようやく緒方の指に弄ばれていた部分の中心にその固く熱い先端があてがわれた。
「あ…」
緒方の首に回されていたアキラの腕に力が込められる。
「ん…ん…」
その部分を中心に鈍痛が広がる。アキラは固く目を閉じ、睫毛を震わせて緒方の
首にしがみつき、行為に毎回付きまとう最初の苦痛に耐える。
ゆっくりと自分の下肢と緒方の下肢の間が縮まっていくのを感じる。
それと同時に限界に誓い程の痛みも重なっていく。
だがアキラはその痛みの向こうにある感覚をもう幾度となく味わっている。
目の前のこの男に教えられた。
出血して緒方の服や車のシートを汚さないかという事がアキラには気掛かりだった。
「大丈夫…切れてはいないようだよ…」
ほぼ自分自身を収め切ったアキラの菊口周辺を指でなぞった緒方が
アキラの心配を見越したように言って来た。



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