怒りの少年王 7
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アキラ王はレッドを振り返って、涙ながらに訴えた。
「ひどい!ひどいと思わないか!?このボクが、こんな扱いをされるなんて…!!
やっと出番が来たと思ったら、これは何だ?たったの4コマ?それも4コマと言っても後姿だけのコマも含めてだぞ!こんな、こんなひどい事が許されるのか?
しかも、このオガタンの扱いは何だ。一人で見開き2頁も使って…、知ってたか、キミ?顔の映ってるコマだけでも10コマもあるんだ、ボクの倍以上だ…!」
原稿をぎゅっと握り締めた手が震えている。
「許せるもんか、家臣の分際でこのボクよりも目立とうなんて…!」
怒りに震えるアキラ王を、レッドは何とか宥めようとした。
「な、なあ、そんなに怒るなよ、アキラ。なんて言ったってオガタンさんは久しぶりの登場だしさ、ちょっとくらい頁つかったって…そんな、コマ数なんて律儀に数えて、つまんない事で怒るなよ。」
「キミはそれで平気なのか?このボクがこんなにないがしろにされて…、ひどいよ。
だいたい、オガタンはずるい。ボクは向こうの好みでいっつもヘンな衣装を着せられたりしてるのに、オガタンはいっつも自分の衣装持ち込みで、今回だって、ボクのこのネクタイ、ヘンだと思わないか?これじゃまるでボクがファッションセンスゼロみたいじゃないか…!」
アキラ王の言葉にレッドは思わず吹き出してしまった。実際、アキラ王のファッションは口の悪い連中にバカにされる事もあったし、レッド自身も首をかしげる事が多かったからだ。
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