バレンタイン小ネタ1 7


(7)
「開けてみてもいい?」
緒方は 頷きながらタバコを取り出して火をつける。包みの中から
真珠のネックレスが現れる。チェーンは銀。真珠の周りにサファイヤと
ダイヤの石が散りばめている。少し歪んだ不完全の球体の真珠は光に
触れると虹色の品のある光沢を輝かす。
「・・・凄い。もしかしてコレ、天然の真珠なんじゃないの!?」
「キミに似合うと思って」
「もう・・・・・。だからアナタって心底嫌いになれないのよね」
女性は軽い溜息をつき、少し憎らしげに緒方を見るが、すぐ穏やかな
微笑みに変わる。
「そろそろ部屋に行こうか?」
女性は黙って頷く。緒方は女性の背に手をまわし、店内を出る。

「緒方さん、お疲れのようですが大丈夫ですか?」と、記者が声を掛ける。
「ええ、大丈夫です。お気兼ねなく。」
緒方は碁雑誌の取材を受けている最中に軽い睡魔に見舞われた。
「・・・・・ちょっと昨日、頑張りすぎたかな?」と、ボソっと呟く。
「何か昨日あったんですか?」
「あっ、いいえ 何でもないです」
少しズレた眼鏡を右手で戻しながら、内心慌てる。
また、背中の引っかき傷がズキっと痛み出し、顔をやや歪める。
・・・ヤレヤレ、女の機嫌を取るのも一苦労だな。
緒方は心の中で呟いた。
                     (終わる)



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