怒りの少年王 8
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「そんなの、どうでもいい事じゃんか。気にすんなよ、」
「キミは、主役だからそんな事が言えるんだ!貴重な出番が、ボクにとってどんなに重要かなんてわかってないんだろ?それにキミはいっつもカジュアルだから、ボクみたいにヘンな格好させられる事もないもんね?」
「おまえ、そう言うけど、主役ってのも大変なんだぞ?休みはないし、毎週毎週台詞覚えんのだって大変だし…おまえが羨ましいくらいだよ。オレなんか」
「台詞を覚えるのが大変だって?贅沢な悩みだよ。今週のボクの台詞がどれだけあったかわかっててそんな事がいえるのか、キミは?」
そう言われても、アキラじゃあるまいし、人の台詞の数まで覚えちゃいない。
「キミに…、ボクの気持ちなんて、わかるもんか!」
アキラ王がレッドの手を振り払った。振り払って、レッドの顔を見つめた。見る見るうちに王の目に涙が浮かんで、こぼれそうになった。
「なんだよ、レッドなんて、レッドなんて…」
「あ、待て、アキラ…」
「うわああああん、レッドなんて、大っ嫌いだぁああ!!ぅわあああん、ああああん、…」
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