Kids are all right. 9
(9)
母親の言うことを男の子は悪戯っぽくニヤニヤ笑いながら聞いています。
「うん、わかったよっ!!でもオレ、あぶなっかしーことなんかしないん
だけどなぁっ!」
母親は「ヒカルッ!!」ときつく言うと、緒方に向かってぺこりと頭を
下げました。
「無理言って申し訳ありません。お願いしますね」
そう言いながら、男の子の頭をぐっと押さえ、緒方に向かって頭を下げさせます。
「あっ、あとこのバッグ、この子の服とかタオルが入っているんで、
ここに置かせてくださいね」
母親は肩から下げていた大きなナイロンバッグをアキラと緒方の座る
ベンチの脇に置くと、中から財布の入った小さな袋を取り出して腕に下げ、
あたふたと公園を後にしました。
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