熱唱!さわやか15才!(AC通信) 1 - 2


(1)
おかっぱで知られる美少年棋士塔矢アキラ三段(15才)がこのたび、都内の診療所を慰問した。
塔矢三段が慰問したのは精神科の医療機関である「医療法人桑原診療所」と「おがたクリニック」
隣接する機関である両医院合同でのイベントとなった。

この日、塔矢三段は二度の衣装替えを行い、患者から最もリクエストの多かった浴衣姿と裸エプロン、半ズボン姿を披露した。
断トツでリクエストの多かった「制服姿」は「もう卒業してしまったので」という理由で却下された。

塔矢三段がステージに現れると、割れんばかりの拍手に絶叫、男女入り乱れての「アキラたん!」の掛け声の合間に
あちこちですすり泣きや嗚咽が聞こえ、会場は一種異様な熱気に包まれた。
塔矢三段は、デビューシングルで初登場オリコン1位にもなったヒット曲「綺羅」、第二段シングル「眼鏡のひと」を熱唱、
約200名の観客を沸かせた。
観客の何人かは両手両脚を拘束された形でのイベント参加となった。


(2)
何故このような処置が取られたのか?「おがたクリニック」院長緒方精次氏(35歳)に聞いた。
「ここにいる患者の多くは、塔矢アキラ三段にある種の妄想のようなものを抱いており、その妄想と現実の区別がつかなくなっています。
中にはそれが極限化し、強迫観念となっている患者もいて、危険な事態も考えられます。ですので今回はこのような処置を取らせていただく必要があったのです。」
強迫観念とは…?「つまり二人の永遠の愛の為には相手の毛髪などを食べて神にならねば…などの観念に絶えることなく付きまとわれるわけです。
あとは、幻覚や幻聴を訴える患者もいます」
以前にも塔矢アキラ三段に抱きついた中年男性が逮捕されるという事件があったが、この犯人は精神分裂病と
診断され、現在桑原診療所で治療を受けている。
この現状に対し塔矢アキラ三段は「みなさんの応援がボクの励みです。これからも囲碁推進のために精一杯頑張りたいと思います」と15才らしい爽やかな笑顔を見せた。
泣きながら手を伸ばしている患者達に、優しく応える塔矢三段、この感動的な光景に
記者も涙を禁じえなかった。
だが、患者達の心の闇はこれからもつづく。彼らがきちんと現実に向き合える日は来るのだろうか?
現代社会のあり方も含め、考えさせられるイベントであった。(AC通信)
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新緑の中に佇む塔矢三段   撮影 越智康介



※画像は見られません



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