■二限目

大和「という訳でなんだか、始まっちゃいましたが
鉄は熱いうちに打て、と先人も言っておりますのでさっさと二限目に入りましょう。
皆様の日常の素朴な疑問にお答えする突発Q&Aコーナー、『教えて! 大和部長!!』です。
質問は現実・非現実・二次元・テニプリ関連・それ以外、何でもOKです。常時募集中です。

大和「……あれ? アシスタントの不二君は? あ、はあ、ストライキ中で出演拒否……
一限目で虐めすぎましたかねえ……」

大和「まー気を取り直して行きましょうか! 本日も皆様から寄せられた疑問に答えたいと思います。
では本日の第一問、フーガさんより頂きました! どうもありがとうございます!!」


Q.「猫背は治さないんですか?
年取った時のためにも、まだ若い(?)今の内に治した方がいいと思うんですが。
(こんなこと聞かれても困りますかね)」

大和「……正直、こんな辺境サイトの、しかも僕みたいな一発キャラのQ&Aコーナーで
質問してくれるよーな奇特……ごふごふ、もとい、素敵な方がいるとは……
しかも昨日の今日ですからねえ……どうもありがとうございます。
おかげでこのコーナー、なんとか生き延びる事が出来そうです」
(ハンカチで涙を拭いながら、ぺこりと頭を下げる)

大和「で、肝心の質問へのお答えですが。
うーん、僕の猫背はある意味ポリシーですからねえ……
スタイルなんです。男の美学と言いますか。
哀愁漂うハードボイルドな男の背中を表現したいんですよ……
(注・アシスタントがいませんので各自ご自由に突っ込んでください)

大和「ま、確かに、治しておかないと身体に悪いって手塚君にも散々言われてますけど……
あー、彼は凄く姿勢いいですよ……もう、背筋なんて見てて気持いいくらいですし……
さすがですよねえ……おうちで厳しくしつけられたんでしょうねえ……」
(惚気開始)

大和「しかし、せっかく心配してもらいましたのでここは一念発起して猫背矯正に取り組みましょう!!
やっぱり、スポーツ選手として心身の健康には人一倍気を使わなくてはなりませんし!!!
そのためにゲストをお呼びしています!!
青学の頭脳派! ザ・データマン!! レギュラーの健康管理も汁も逆光もお手の物!!
乾君です!!!」
(白衣着用の乾(三年時)、登場)

乾「どうも。乾です。ご無沙汰してます、大和元部長。」
(乾、大和に対してぺこりと頭を下げる)

大和「はー……乾君、大きくなりましたねえ……二年前は一年生の中で一番小さかったのに……」
(自分と同じ目線の乾に、しばし呆然とする大和)

乾「それは言わない約束ですよ、元部長」
(わずかに苦笑。照れ隠しらしい)

大和「えーと、で、今日は、僕のために猫背矯正講座を開いてくれるということですが……」

乾「はい。猫背は無意識のうちに体に負担をかける『恐怖の姿勢』とされています。
猫背だと背中の筋肉に常に余計な負担がかかり続けて疲労が取れず肩凝り、腰痛になりやすいんです
また、猫背の人は太りやすい体質であることも科学的に証明されています。」

乾「猫背の原因は大腰筋の衰えと言われています。大腰筋とは脊柱と大腿骨をつなぐ筋肉です。
外からは認識しにくい身体の奥にある骨格筋の一つですね。
背骨を支える腹筋と脊柱起立筋を骨盤の位置でサポートする筋肉です。
背筋を伸ばそうとすると、背骨の後ろにある脊柱起立筋に力を入れると同時に、
この大腰筋に力を入れてお腹の方に背骨を引く様になるんです。
猫背の人の大腰筋は太さが著しく細いんです」
(図を出して説明するドクター乾。読み飛ばし推奨)

大和「へえ……さすがですねえ、乾君。よく調べてますねえ……」
(説明に感動する大和。思わずメモを取っている)

乾「いえ、参考は『あるある大辞典』です」(リンク先参照のこと)

大和「…………あ、そうですか………………(呆)……えと、じゃあ、解消方法は……」

乾「そうですね……日常生活の中で気をつけることですね。
両肩を開き、背筋を伸ばし、腰を前に出す。これを意識してください。
生活用品の使い方を工夫すればだいぶ緩和できます。
テーブルや椅子の高さ、ベッド、テレビの目線などに気をつけてください」

大和「……なるほど……」

乾「詳しくは先ほどの『あるある大辞典』へのリンク先で確認してください
特にダイエット中のお嬢さんがたは必見です。
管理人も、さっきからずっと背筋を伸ばしてこれを書いているみたいです……」

乾「あと、通販で猫背矯正グッズなんかもよくありますね。
では、実際にここでいくつか試してみましょうか。おーい!」
(と、乾、舞台裏に声をかける)

不二「はーい」
(大量の何やら怪しいグッズを持って、ナース姿の不二(三年)登場)

大和「(絶句中)……えーと、不二君、出演拒否中じゃ……」
乾「俺のアシスタントをしてもらってたんですよ」
不二「そういうことなんです」
(にっこり微笑む不二。なんとなく疎外感を感じて黙り込む大和)

不二「じゃ、まずはこちらの猫背矯正ベルトを試してみましょうか。
はい、元部長、上半身の服を脱いでください」
(ナース不二、大和の服に手をかける)

大和「あ、はい、解りました……
(おおお、ナースと患者でお医者さんごっこですね!! さすがですねマニアックですね不二君!!)」
(脳内妄想を顔に出さないように努める大和)

不二「……元部長、余計な事考えてませんかー?」
(不二、笑顔で大和を牽制する)
大和「いえ、全然そんなことありませんよー?」
(笑顔の恐い二人)

乾「こちらが猫背矯正ベルトです。
特殊ゴムでできた帯が肩と背中を後ろに引っ張ることで、胸を張った正しい姿勢をキープします。
外出時はもちろん、背中が丸まりやすいデスクワークやパソコン作業の際にもオススメです。
着脱にはマジックテープを使用していますから、とても簡単です……」
(乾、そんな二人に構わず、カメラに向かって猫背矯正ベルト説明を続ける)

不二「じゃあこれを、実験台……もとい、患者さんに身につけてもらいましょう!」
(と、大和に猫背矯正ベルトを纏わせる)

大和「あ、なんかちょっといい感じです……背筋が伸びたっていうか……」

不二「あれー? ちょっと緩いようですね……もう少しきつくしましょうかー!」
(と、満面の笑みを浮かべてベルトのゴム部分を思いっきり引っ張り上げる)

大和「……〜〜〜!!!!」
(反り返る背中に思わず絶叫しかける)

不二「どうですかー? これぐらいきつい方が良く効きますよー?」
大和「……ふ、不二君……昨日の事(「教えて! 大和部長!! 一限目」参照)怒ってます…?」
不二「何言ってるんですかー? 貴方の素顔なんて興味ありませんよー?」
(さらにベルトに力をこめる)
大和「……!!!!!!」

乾「では次は、こちらの猫背矯正椅子です」
(背後の惨状は無視して、次の商品の説明に移る乾)

乾「アメリカ製の特殊品です。常に背骨と腰を正しい位置にキープするための椅子です。
個人個人にあった無理の無い角度でリラックスすることを可能とし、、
肩や背中、腰のストレスを軽減する効果があります。腰痛予防・便秘解消にも有効です」
不二「じゃあ患者さんには、この椅子に座ってもらいましょうか」
(何の変哲もない、少し背もたれが垂直なマッサージ椅子の左右に立つ乾と不二)

大和「……あの、また、罠の匂いがプンプンするんですが……」
(さすがに警戒を始めた大和)

乾「元部長、俺たちは、貴方の身体の事を心配してやっているんです……
ただでさえ老けてるだの何歳か解らないだの絶対腰痛持ちだとか言われてるのに、
これ以上猫背で、老人度UPさせたくないでしょう?」
不二「それに背筋のしゃきっとした元部長を見たらきっと、
九州の手塚だって喜んでくれますよ……!!」
(うさんくさい笑顔の二人。バックには謎のキラキラトーン)

大和「不二君、乾君……二人とも、そんなに僕のことを思っていてくれたなんて……
そうですね……手塚君に背筋もすっきりNEW☆大和を見てもらうためにも、がんばらないといけませんよね……!!」
(あっさりほだされて椅子に座る大和)

乾「えー、この椅子は俺が改良した特別製で、マッサージ機能もついてます。試してみましょうか」

大和「あ、お願いしますね」

乾「では……遠慮なく……」
(乾、ふところからコントローラーを取り出す。そしてそのボタンを一つ押す)

大和「……!?」
(突然腕かけと足の部分にベルトが伸びてきて、大和の身体を固定する)

大和「こ、これは……」
(大和、二人の方を伺う。やはり爽やかな笑みのままの二人)

(乾、コントローラーを不二に手渡す)
不二「少しばかり痛くなりますから、動かれると困るんですよ」
乾「低圧電流を流すことで、背骨を矯正し疲労も解消しようという寸法です。さあ、是非お試しください!!」

大和「そ、それって……恐怖の拷問器具電気椅子って言うんじゃ……」
乾「いいえ猫背矯正椅子です!!」
不二「とにかくスイッチオン……」
(と、コントローラー真中の赤いボタンを押す)

(声にならない悲鳴が響く……)

(注:実際に低圧電流で猫背矯正できるのかどうかは不明です。)

:*:・。,☆゚'・:*:・。,★,。・:*:・゚'☆,。・:*: しばらくお待ち下さい .:*:・。,☆゚'・:*:・。,★,。・:*:・゚'☆,。・:*:

(………………番組再開)

大和「……あのー……本当に僕の猫背治すつもりなんですか……?」
(頭のてっぺんから糸のような煙を上らせながら問う大和)

不二「当然ですよ、ねえ乾」
(影で「ちっ意外としぶといなこの野郎」と舌打ちをする)
乾「そうです。決して俺の発明品の実験台を探していた訳じゃありません。
不二に逆らうと後でどうなるか怖いから、と言うわけでもありません」

大和「……乾君の正直なところは変わってませんねえ……
とにかく、そろそろ、質問に答えなくてはならないんですが……」

乾「では最後に……この『青酢』なんていかがでしょうか。
猫背矯正用の改良バージョンです」
(黒縁四角眼鏡がどこからともない逆光で白く光る。手には青い色の例の液体が)

大和「……あー……その……お気持ちは嬉しいんですが……」
(迫る乾から逃げるように目を背ける)

乾「好き嫌いはいけませんよ元部長。お酢は健康にもいいんです。さあ、一度、是非おためしを……」

大和「ちょ、ちょっとそれ、何か目に染みるんですが……
乾君ま、待ってください本能的にそれかなりヤバイ気が……」
(後ずさって逃げようとするが、後ろから不二に羽交い絞めにされる)

大和「ふ……不二君!? 何の真似ですかー!?」
不二「なかなかのお味ですよ……だってこの僕すら一口で倒されましたからね……」
乾「……さあ……元部長も是非……!!!」

大和「!!!!」

(悲鳴が辺りに木霊する……)

A.「猫背はきちんと治します(乾と不二が責任もって)」


不二「と、いう訳でドクター乾とナース不二子の快感クリニックでした。
貴方の身体のお悩み、お待ちしてます〜
では次回は、九州在住のTさんと左肩のリハビリについてお勉強しましょう!それでは〜!」
(笑顔で手を振るナース不二子)

乾「……コーナー名が変わっているぞ不二。
ところでその様子だと、次回俺はいないほうが良さそうだな。
ここの管理人、俺に関しては乾海推奨らしいから……」

不二「さすが乾、よく解ってるねえ……」
(顔を見合わせて微笑む二人。流れるエンディングテーマ……)

乾「しかし、(乾+不二)×大和部長なんてこのネットの海の何処にもないようなカップリング、
読んでて楽しい人が果たしているのだろうか……そこが今後の課題だな……」


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