頭脳は普通。外見は中肉中背、顔も良いほうじゃない。
女子から騒がれるなんて事は皆無だ。
まぁ、騒がれる事はあるけどそれはカメラを向けている時に浴びせられる
罵声くらいのもんだな・・・。
考えてみれば、俺っていっつも人をうらやんでばかりだよなぁ・・・。
シンジにしたってエヴァのパイロットだし、あんなに美人の同居人がいる。
惣流だってエヴァのパイロットだし、周りからは美人だなんだって騒がれて。
それにあのみょーな転校生、渚カヲル。
アイツも女からキャーキャー言われてるし。ま、アイツのもっかの関心は
なぜかシンジみたいだけどな。
それにトウジ、奴も最近委員長と怪しいしなぁ・・・。
あぁ~神様、俺にも人に羨ましがられるような出来事をください~!
「まったく、何にも良いことなんてないな・・・」
学校の帰り道、俺は一人でブツブツとつぶやきながら歩いた。
シンジや惣流はネルフだろ、そこに渚までついて行くってどう言うことだ?
トウジは委員長に夕飯を作ってもらうとかで買い物だって言うし。
結局帰りは俺一人だよ。
「はぁ~あぁ」
俺はためいきをついた。
「あ、あの…すみません」
うしろから女の声がした。俺は振り返る。
「なにか用・・・?」
そこにいたのは、かわいい…かなり可愛い子だ。
第壱中の制服がよく似合うさらっとした髪の小柄な娘だ。
―こんな可愛い子が同じ学校にいて俺が気がつかないなんて・・・―
絶好の被写体の存在を今まで知らなかったことを俺は悔やんだ。
「あ、あの…その…」
その子はうつむいたまま顔を赤く染めている。
俺はすぐにピンと来た。
―どうせまたシンジか渚にラブレターでも渡してくれと頼まれるんだろうな・・・―
こんなことはもう慣れっこだった。
シンジや渚のそばにいるのは俺かトウジだ。その中でも
トウジに頼むのはやはり怖いという思いがあるのだろう。
まぁ、たまにトウジに渡してくれなんて言う子もいるけどな・・・(くそっ)
そこでとっつきやすい俺に橋渡しを頼むわけだ。一体これで何人目だ・・・。
それにしても渚はともかくシンジのどこがいいんだ?
惣流の尻にしかれてるし、優柔不断だし。
まぁ、成績はそこそこだけどな。運動は何でもそこそこに出来るか・・・。
そう! 顔だよ! あんな、女みたいな・・・
女みたいな綺麗な顔で、髪は俺と違ってさらさらで…。
ええい! トウジだトウジ! トウジこそどこがいいんだ?
乱暴だし、頭も悪いし。そりゃ運動はばっちりだし
顔だって結構男らしくて良い顔だよな…。
って、俺はなに人を褒めてるんだちくしょ~!!
「あ…あの?」
「あ、あぁ、ごめんごめん」
「なに? シンジ? それとも渚? いいよ、渡しておくよ。手紙? クッキー?」
いつものように俺は手を差し出した。
「あ、いえ…あの、違うんです!」
その子は更に真っ赤になった顔を上げ、俺を見た。
「え…?」
なんだ…? 意外な言葉に俺は少々うろたえた。
が、俺の頭の中では彼女にピントを合わせたカメラがものすごい勢いで
シャッターを切っていた。
「あの、その…あ、相田さんにお願いがあるんです!」
今にも消え入りそうな声を振り絞って彼女は訴えた。
「お願い・・・?」
お願い? なんだ? シンジや渚の橋渡しをしてくれというお願い以外に何があるんだ?
「突然でご迷惑かとは思うんですが・・・あの…」
うつむいて両手を胸元で握り締める姿が猛烈に可愛い。こんな可愛い子が
俺になんのお願いがあるというんだ。
「!?」
俺はあたりを見まわした。どこかにビデオカメラがあるんじゃないかと思ってだ。
俺がその気になったら「どっきりでした~!」とか言いながら誰かが出てくるんじゃないのか?
「えっと…その…私の、私の写真を撮って欲しいんです!」
―な、なんだって!? 写真を!? こんな可愛い子が自分からそんなことを言うなんて! ―
俺は神様に猛烈に感謝した。願いが通じたのだと…。
テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円~!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル