涼 子  【6】
 柔らかそうな繊毛に包まれた慎ましやかな膨らみが、澤田の脳天を直撃する。
 ――まだ? まだなの?
 涼子にとって永遠とも思える時間が流れていく。
 一方澤田は、涼子を焦らそうと思っているわけでもなく、ただただ目の前の光景に見と
れていた。
 恥ずかしげに閉じ合わさった淫裂から、わずかに花びらがはみ出している様がなんとも
可愛らしく、まるで澤田がそこを開くのを待っているかのように思える。
 吸い寄せられたように、柔肉に手を伸ばす。
「きゃああっ! だ、だめぇ、見るだけだとおっしゃったじゃないですかっ」
 ひやっとした手の感触。
 涼子は反射的に脚を閉じようとするが、澤田の顔を秘部に押しつける格好になってしま
うと気がつき、慌てて後ろに逃れようとする。
「えぇえぇ、見るだけですとも……ただ、これじゃあ中身が見えないものですから、ちょ
っとビラビラをよけさせてもらいますよ」
 そう言うなり、澤田は涼子の太腿を抱えて花弁をつまみ、グイッと横に引っ張ってしま
った。
「あっ、ああっ」
 鮮やかなピンク色の粘膜が、澤田の目前に現われた。
 内臓の中までさらけだしてしまった気がして、涼子はショックのあまり逃げ出すことも
できず、身体の動きが固まってしまっていた。
 見られている。夫ですら薄暗いところでしか見たことのないところを、窓から入る煌々
と明るい太陽光のもとで、見られている。
 目を閉じていても、男の視線がただ一ヶ所に突き刺さっているのが、痛いほど伝わって
くる。
 身体の芯が震え、すべての神経が下半身に集中していく。
「……キレイなオマンコですねえ。まるで、少女のようだ……」
 思わず正直な感想を述べる澤田の荒い息が、敏感な粘膜をくすぐる。
 涼子は嗚咽を噴きこぼし、子供のようにいやいやと首を振ることしかできずにいた。
「……おや?」
 突然、澤田の指が花弁に守られていた入り口の粘膜をスルリとなでた。
「ひああっ!」
 短い悲鳴をあげ、涼子の身体が感電でもしたかのようにビクンと跳ね、細い首が後ろに
のけぞる。
「奥さん……これはいったいなんですか」

 涼子の鼻先に突きつけられた節くれだった澤田の指には、べったりと分泌されたばかり
の淫液が絡みついていた。


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