涼 子  【10】
「……もう、遅えんだよ……」
 澤田の声のトーンが、一段さがる。
「……え? ……さ、澤田さん?」
 女の本能が、危険信号を出している。
 涼子は無意識のうちに、毛足の長い絨毯の上をズリズリと後ずさりする。
「ガキじゃねえんだからさ……この状態になった男が、はい、そうですか、って納得して
帰るとでも本気で思ってるのか?」
 ガチガチに硬化した肉棒をゆっくりとさすり上げながら、逃げ腰になっている涼子の目
の前に突きつける。
「きゃっ! や、やめて……」
 固くまぶたを閉じ、顔をそむける涼子の頬に先端を擦りつけ、先走りの汁をなすりつけ
てやる。
「あっ、いやあ……」
 生ぬるい粘液の感触に小さな悲鳴をあげる涼子。
「処女だかなんだか知らないが、女はなあ、自分が勃たせたチンポの責任とってなんぼな
んだよ」
 めちゃくちゃなことを言いながら、亀頭で涼子の顔中を撫でまわす。
「やっ、やめっ……そんな、わたしのせいじゃ……きゃあっ!」
 パシーンと乾いた音が部屋に響き、涼子の頬が見る見るうちに赤く染まる。
 大きく目を見開き、震える手を頬にあてる涼子。
 音のわりには痛くないはずなのだが、親にすら殴られたことのない涼子を黙らせるには、
このくらいで十分だった。
 澤田は残忍な笑みを浮かべ、わざとらしい猫なで声を出す。
「奥さん……いつまでも聞き分けのないことをおっしゃってると、わたしも何をしでかす
かわかりませんよ」
「た……たすけ……」
 恐怖で身体がすくんでしまい、手足がまるで自分ものではないように、自由に動かせな
い。
 心では助けてと叫んでいるのに、乾ききった喉がはりつき、声もうまく出ない。
「大声で叫んでも、かまいませんよ。誰も来やしませんがね。なにせここは、それなりに
高級なマンションだ。心おきなくピアノが弾けるくらいの防音性が売りのひとつのね」
 クックッと笑いながら、澤田は居間の隅にあるピアノに目を移す。
 そうだった。短大でピアノを専攻していた涼子のために、藤崎はこのマンションを選ん
だのだ。
「ぐっ……えぐっ……お願い、許して、それだけは……」
 嗚咽を漏らし、ボロボロ涙をこぼしながら、涼子は自分で自分を守るように抱きしめる。
 実のところ澤田には、藤崎のように処女だからどうこうという趣味はない。ただ、それ
を盾にとって楽しむことはできそうだと判断した。
「膜の一枚や二枚あろうがなかろうが俺にはどうでもいいが、そんなに大事ならそのまま
にしておいてやらないでもないぞ」
「……え? ほんとに?」
 涙に濡れた目に、一筋の希望の光が差し込む。
「ただし、俺の言う通りにできたら、だ」
 ここで処女を散らされてしまっては、自分を大事にしてくれている夫にあわせる顔がな
い。
 涼子は一縷の望みにすがりつき、何度も大きく肯く。
「ほ、ほかのことでしたら、なんでも……なんでもしますから……」

「では……」
 澤田の言葉は鋭い刃となって、涼子の心に突き刺さる。
「俺の前で大股開いてマンズリしてみな。旦那の前でしたようにな」


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