涼 子 【18】
無理矢理アルコール漬けにされた涼子の菊門を、澤田の硬く膨張した肉棒が狙う。
「ひいっ」
澤田が腰にじわりと体重をかけた瞬間、涼子は白い喉元をのけぞらせて、ひきつったよ
うな悲鳴をあげた。
ただでさえ直腸がその存在を主張するかのようにかっかと火照り、全身がひどく敏感に
なっている。
真っ赤に焼けた鉄の棒でも押し当てられたような感じがして、涼子は狂おしく顔を振り
たてた。
「痛いか?」
動きをとめて、澤田が尋ねる。
「……熱いぃ……」
澤田は、テーブルに片頬をつけた涼子の横顔を覗きこんでみる。
熱にうかされたように顔全体が紅潮し、切なげに眉を寄せた表情は、苦痛だけを感じて
いるそれではなかった。
「そうか、熱いか……ケツがうずいてたまらないんだろう」
にやりといやらしい笑みを浮べ、澤田は逃げようとする涼子の腰を、ぐっと抱えなおす。
「いやぁ、違いますっ」
涼子は、二,三度力なく腰を振りたてて見せた。だがそれは、いやがっているというよ
りは早く早くとせがんでいるように、澤田には見えた。
実際のところ涼子は、かすみがかかったような頭の中で、切実に何かを欲していた。
何を求めているのか、自分でもよく理解できないのだが、火に包まれたように熱い身体
の中をどうにかして欲しくてたまらないのだ。
もどかしいような切なさに、じっとしていられずに、勝手に腰がくねってしまっている。
澤田は、じっくりと腰に体重を乗せ、本格的に埋め込みにかかった。
「あ、あうっ」
浣腸とマッサージで十分にほぐされたそこは、びっくりしたようにきゅっと収縮しなが
らも、少しずつ確実に径を広げていく。
寄せ集まった皺がのびきったかというところで、ぬぷっと先端が内部に引きこまれた。
「はうううっ」
「おおおっ」
涼子の嬌声と澤田の雄叫びが同時に部屋に響き、二人の動きが止まった。
涼子は狭い入り口をギリギリまで押し広げられ、体温が一気に上がって、血が沸騰して
いるのではないかと思うほどの衝撃を受けていた。
一方澤田は、そのあまりに強い締めつけと熱い粘膜の感触の心地よさに思わず漏らして
しまいそうになり、歯を喰いしばって耐えていた。
なんとか呼吸を整えてから、澤田はじりじりと侵入を再開する。
「はううっ」
反射的に涼子の腰がひけ、括約筋にぎゅっと力がこもる。
「おら、力を抜けっ! 裂けてもしらんぞ」
痙攣する真っ白い尻肉をぴしゃりと叩き、全体重を乗せるようにして、無理矢理長大な
肉柱をねじこんでいく。
「あ、あぐ、ううっ」
あまりの苦しさに、涼子は唇をぶるぶると震わせて、酸素を求めるように荒く短い呼吸
を繰り返している。後ろ手にくくられた両手は、救いを求めるかのようにさかんに握った
り開いたりしている。
ついに根元まで打ち込まれたときには、涼子はもう息も絶え絶えになっていた。
「とうとう入っちまったぞ……ははは、奥さんの後ろの処女は、俺がもらった」
ぎらぎらと血走った目を輝かせて、澤田はゆっくりと腰を動かしはじめる。
「あぐっ、ひあ、ああっ」
言葉にならない生々しい叫び声を上げ、涼子はたらたらと脂汗を流してのたうつ。
爪が喰い込むほどに涼子の細腰を掴みしめ、澤田は容赦なくストロークを送り込む。
「どうだ、前の処女よりも先に後ろの処女を散らされた気分は。あん? どうなんだ?」
興奮のあまり、澤田の口端から涎が垂れ、涼子の背中の窪みに落ちて、たまっていた汗
と混じりあう。
一突きされるごとに身体がバラバラになりそうなほどの衝撃が、涼子の喉元まで駆け抜
ける。涼子はもう、自分が苦痛を感じているのかどうかもわからなくなっていた。
吐き気を催すようなどろどろとした真っ黒い快楽が、べったりと身体中にまとわりつい
てくるようだ。
びたっびたっという、汗でぬめった肉がぶつかりあう音の間隔が、徐々に狭まっていく。
「ちきしょう、だめだ、もういくぞ涼子っ」
ひときわ大きく腰を突き上げたかと思うと、組みしいた人妻の名を短く叫び、澤田はた
ぎる白濁を直腸の奥の奥へ浴びせかけていった。
体奥で熱い迸りを受け止めた瞬間、涼子の頭の中は真っ白になり、わずかに残っていた
意識までもが粉々に吹き飛んでいった。