「やはりミシュラは負けましたか・・・。そうなることはわかっていましたよ。あいつはミストブレイカーズの力を甘く見て、何も知ろうとしなかった。それがこの敗因でしょう・・・。」
今は五人になってしまった六花公と、ウルザの集う席で、テフェリーはそう語った。
ミシュラ戦死の報を受け、臨時の会議が招集されたのである。
「だが、いくら伝説のミストブレイカーズとはいえ、所詮強力な武器を持った“人間”であることに変わりはありません。そこを突けば、勝利は我々の者でしょう。」
「ほぅ、では何か策があるのか?」
「私に『精神爆弾』の使用をお許し下さい。」
ウルザとテフェリーの会話を聞いて、ハールーンが思い切り机を叩く。びくっとするアレンスン。
「ふざけるなっ!あれを使ってどうするつもりだ!?ミシュラもまた『ネビニラルの円盤』を使ったらしいが、エル・ロークには我々の同志がいるのだぞ。殲滅など非道のすることだろ!」
「違うな。エル・ロークは既に反乱軍の拠点となっている。彼らが防備を厚くする前に叩くのはセオリーでしょう。」
「・・・勝てるのだな・・・?」
「は、必ず・・・。」
「・・・よし、許可しよう・・・。」
「ウルザさまっ!」
ハールーンの抗議も聞かず、ウルザは席を立つ。
「ファントムを呼べ。」
テフェリーの声に、会議室の扉がギィっと開き、一人の少年が入ってくる。
「この少年はファントム・ウインド。反乱軍のリーダー的存在である、ブロウィンの弟です。彼に『マインド・ボム』を着装してもらいます。」
ファントムは皆に向かって敬礼をする。
「オール・オブ・ローク!天帝の名に誓って、必ず姉さんを説得してみせます。」
解放されたエル・ロークでは、朝から慌ただしい空気に満ちていた。フューム島の方から、巨大な物体がゆっくりと近づいて来ているからである。
どこからか、テフェリーの声が聞こえてくる。
−君達にもあのミストが見えるであろう。あのミストは「精神爆弾」。爆発すれば半径十キロを焦土に変える程の爆弾を内蔵している。破壊しても構いませんが、中には本人のたっての希望でファントム・ウインド君が乗っている・・・。−
「ファントムが!?」
ブロウは悲痛の声を上げる。
「くっ、何て卑怯な・・・。」
それでもグレイ達ミスト部隊は、精神爆弾へと向かっていく。
「やめてっ!ファントムを殺さないで・・・。」「しかし、だからといってエル・ロークで爆発させるわけには・・・。」
「ううっ・・・。」
「くそっ!俺たちには何も出来ないのかよっ!」
ミストブレイカーズのひとりが、そう言って剣を叩きつけた。
「海上では、飛行出来ない君達の力は抑えられる。奴らも考えてるってことだ・・・。」
ミストの中で、グレイはぐっと歯噛みした。
マインド・ボムの中では、ファントムが興奮した面持ちでじっと視線をエル・ロークに向けている。
「姉さん、僕が必ず姉さんを救ってあげるからね。姉さんを惑わす反乱軍の奴らから。さぁ、一緒にヒューム山へ行こう。そして一緒に暮らそう。だって姉さんは僕のものだから・・・。ああ、僕の・・・美しい姉さん・・・。」
「精神爆弾」それは爆発するためだけに存在する特攻型ミスト・・・。
くっ、テフェリーめ!何て卑怯な真似を!
ブロウの泣き声がこだます中で、精神爆弾をめぐる大攻防戦が始まろうとしていた。
タイムリミットは3時間!
どうする、ブロウ?どうする、みんな?
01 エル・ローク側ミストブレイカーズとして行動する。
02 教団側ミストブレイカーズとして行動する。
03 中立的ミストブレイカーズとして行動する。
04 エル・ローク側ミストランナーとして行動する。
05 教団側ミストランナーとして行動する。
06 中立的ミストランナーとして行動する。
07 普通の冒険者として行動する。
08 その他
次回から、一部の方にはお待たせいたしました。必殺技の登録を開始いたします。御自分のミストブレイカー、またはミストを使ってどんな名前の、どんな威力の必殺技が使えるのかをアクションの隅にでも書いて送ってください。ただし、必殺技は一人につき一つと限定させていただきます。
こんにちは、お久しぶりです。このフロス島エリアを担当する、川本です。今回、数多くの参加者さんに恵まれ、とても楽しい思いをしました。やっぱりこの前のCMが効いたのでしょうか?でも、あまり皆さんのPCを十分に表現しきれなかったのが心残りですね。
さて、このリア「逆襲」−霧幻遊戯−はローク教団側のPCさんを中心に書かれています。アル・ロークの情報を知りたい方は、「逆襲」−霧幻回廊−のリアを参照して下さい。
・・・にしても意外だったのは、女性PC&PLさんの参加者が多かったこと。結構男ばっかの硬派で熱いエリアだと思ったのにな。
でもそれ以上に意外だったのは、悪役(というか教団側PC)が多かったということ。なぜ!?ストーリーを見れば負けることはわかっているのに・・・。六花公がこれほど人気あったとは知りませんでした。
逆に、解放軍の方にはミストブレイカーズが多く、教団側のほとんどがミストランナーなので、ミストブレイカーズ(正義)VSミスト(悪)という構図ができたことがよかったといえばよかったかな。最初のコンセプトだったし。
ただし、もうストーリーを発表しているのでわかると思いますが、教団側PCは、余程のことをしないかぎり負けます。下手をすれば、エル・ローク側PC達の引き立て役になってしまうかもしれません。教団側につく人は、それを覚悟してアクションを書いてください。
この前提は覆りません(戦力的には教団側PCの方が強力なのですが・・)。なぜって・・・リアルロボットものの定義は、「戦局は主人公メカだけでは動かない。」(RPGマガジン)ってところですから(笑)。・・・ってこれってリアルロボットモノだったのか?
ではここからはシステム、世界観に関する補足です。
まずお買い物ですが、商品の値段の設定がちょっと高かったように思えるので、次回から商品を全て半額にします。もう買ってしまった方には、その半額をお返ししたいと思います。でも既にキャラシートには出力されてしまっているので、気をつけて下さい。
また、なぜほとんどの人が、ミストブレイカーを持っているのに、商品リストに武器の項目があるのか?なのですが(これは前回書いておけば良かったのですが)、実はミストブレイカーはミストだけを破壊する武器であり、「人を斬ることはできない。」からです。つまりミストを一刀両断にしても、ミストだけが真っ二つになりますが、中のミストランナーの体には、剣はすり抜け、傷一つつかない、ということです(爆発には巻き込まれますが)。ぶっちゃけた話、某うしおととらの妖怪だけを倒す槍、「獣の槍」を思い出していただければ・・・と思います。だからこそ、ミストブレイカーズ同士の戦いは不毛なのです。
それから設定について。最初から設定および、ストーリー展開を公開してあるのは、このリアが設定優先の話だからです。何の予備知識も無しに「ミスト」だの「六花公」などといった固有名詞を出されても、理解できないのでは?という判断です。本当はそんな文章は悪い文章なのですが、ま、自分が未熟な奴なのでどうか勘弁してください。
例えるなら(例えるのもおこがましいのですが)「ファイブスター・ストーリーズ」(F・S・S)の年表と同じものと考えて下さって結構です。 ただ、あの設定はほぼ半年以上前の設定なので、大幅に変わっているところがあります。特に「罪人リンネ」と「月の災厄」の解釈。これらは他マスターとの関連で、ウチの方では扱いません。(つまり、あの設定資料の解釈は無効となります。)これらの真実を知りたい方は、他のマスターのリアを探して見て下さい。
では、このつまらない文章につきあっていただいてありがとうございました。
遅筆で乱文な文章でありますが、これからもよろしくお願いします。
では、皆さんの参加をお待ちして・・・。
1998.08.22 川本 直紀