「冷やし中華で・・・・・」
あなたが注文すると、カウンターの中では店主が調理を始めた。
手早く冷やし中華を仕上げると、
「はい、おまちどうさま・・・・・冷やし中華ね」
あなたの前に、美しく盛り付けられた冷やし中華を置いた。
「いただきます」
あなたは割り箸を割り、冷やし中華を一口食べた。
あれだけ飲んだり食べたりした後なのに、美味い・・・・・いくらでも食べられそうだ。
あなたは夢中で食べていた・・・・・周りのことも、自分の身体のことも気にならない。
冷やし中華を食べ終わったその時、あなたの意識は遠のいていった・・・・・。
波の音が聞こえてくる。
あなたはが目を開けると、夏の太陽の陽射しが降り注いでいる。
子供たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
あなたは、体を起こした。
海?・・・・・ラーメン屋にいたはずなのに?
あなたは、自分の身体に違和感を感じた、胸の重み、そして、股間に感じる『喪失感』・・・・・これは?
あなたは立ち上がり、自分の身体を見下ろして、声にならない声で叫んだ。
あなたの胸には形の良い二つの膨らみができていた。
その豊かな膨らみを、黄色のビキニが包みこんでいる。
ビキニに包まれた胸の膨らみから、キュッと絞りこまれたウエストへのライン、そして黄色の水着に包まれたボリュームのあるヒップ。
そして股間には、朝まであった『男の象徴』は、痕跡も無かった。
そう、あなたはビキニ姿の女の子になってしまったのだ。
女の子になってしまった・・・・・自分で認識した途端、あなたの中に、痺れるような甘い感覚が流れこんできた。
例えていうならば、『美味しいお酒を飲んで、酔ったような感覚』がちかいかもしれない。
その感覚に酔っているうちに、あなたの『男性の心』が流されていく。
あなたは自分のバランスのとれた美しいプロポーションの身体を見て、満足そうに微笑んだ・・・・・。
<感想やカキコはこちらへ>
<作者【管理人】へメール>
<短編小説のページへ>
<Books Nigeuma TOPページへ>