あなたは、コンビニエンスストアーに入ることにした。
自動ドアが開くと、空調の効いたひんやりとした空気が、あなたの夏の空気で熱くなった肌を、心地よく冷やしてくれる。
「いらっしゃいませ!」
レジに立っていた女の子が、あなたに向かって言った。
店の中には、学習塾帰りらしい男の子が、コーラを手にしてレジに向かい、雑誌コーナーでは、サラリーマンや大学生らしい男性が立ち読みをしている。
あなたは、飲み物を並べている冷蔵庫に向かうと、ガラス扉を開けてドリンク剤を手にした。
明日も仕事・・・・・酔いはとらないと仕事に差し障る。
「200円です」
あなたは、お金を払うと店の外に出た。
キャップを外して、小さなボトルに入った甘味のある液体を飲み干した。
液体が喉から胃へ落ちていく感覚、それと同時に、酔いがたちまち醒めていく。
次の瞬間、
「アアッ・・・・・?!」
あなたの髪の毛が伸びてくる?
それだけではない、胸とお尻も形よく膨らんでくる。
着ていたワイシャツとスラックスが、あっという間にTシャツとデニムのミニスカートに変わり、新しく生まれた膨らみがTシャツを下から押し上げ、その豊かな膨らみを女性の下着がやさしく包んでいた。
視線を落とせば、スカートから伸びる無駄毛一本ない足が、夏の夜の空気にさらされている。
肩から提げたカバンを見ると、高校の教科書や参考書が入っているではないか・・・・・。
そう、あなたは予備校帰りの女子高校生になってしまったのだ。
あなたは、右手に持っていたドリンク剤のボトルを見た。
『TSの力』と書かれたラベルを見て、あなたは笑おうとした。
しかし、笑いは女の子らしい可愛らしい微笑みにしかならず、あなたは家に向かって元気に歩き始めた。
そう、受験勉強をするために・・・・・。
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