あなたは走った。 
生垣の切れ目から芝生の広場に入ると、辺りには遊具が置かれている。
あなたは滑り台に向かった。
それはタコの形で、『タコの足』にあたる部分が滑り台になっていた。
あなたはその陰に身を隠した。 辺りの様子を窺う。
ポニーテールの女性は、あなたを見失い辺りを見回している。
あなたの顔に、微笑みが浮かぶ。
「よし・・・」
これで大丈夫・・・・そう思ったのだが?

「?!」
人の気配を感じて、思わず立ち上がる・・・しかし、遅かった。
別の“鬼”・・・ボブカットの美女が艶やかな髪を揺らして、すぐそばに迫っていたのだ。
「やめろ!!」
思わず叫んだが、それで彼女が止めるわけがない。
彼女の手にしたカードが、あなたのシャツに貼り付けられる。

『ボン!』

赤い閃光があなたの体を包み、辺りに白煙が沸いた。
あなたの髪が肩まで伸び、それが三つ編みにまとまっていく。
シャツは厚みのある白い服に変わり、襟と袖の部分には紺色のストライプが入っている。
その服の胸の部分を、あなたの生まれたてのバストが押し上げて行く。
ズボンはどんどん短くなり、紺色のブルマに変わり、あなたの大きく膨らんだ形の良いヒップを包んでいた。





『ポン!』
ボールが弾む音が聞こえて、あなたはハッとして我に戻った。

『ピッ!』
笛の音が体育館に響く。
「翔子・・・しっかり!」
あなたの周りに女の子が集まってくる。
そう、今は体育の授業・・・・バレーボールの試合中だ。
「ごめんなさい」
あなたの言葉に、
「ドンマイ!」
「頑張ろう!」
みんながあなたの肩をポンと叩いて戻っていく。

相手のサーブが飛んでくる。
チームメイトがレシーブをして、トスが上がる。
あなたは三つ編みを揺らしながらジャンプをすると、柔らかい体を弓のようにしならせてスパイクを打った。
ボールが相手のコートで弾むと歓声が上がった。
「すごいよ、翔子!!」
チームメイトとハイタッチを交わすあなたに、微笑みが浮かぶ。



あなたは体操服とブルマに身を包んだ女子学生になってしまった。





GAME OVER




                                 <エピローグ>

















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