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あなたは右へ曲った。
伊藤は左へ曲った。
『どちらを追うんだ?』
あなたは痺れた頭で考えながら、後ろを振り返った。
思わず舌打ちをした。
“鬼”は微笑みを浮かべながら、あなたを追っていた。
「なぜ、そんなに速く走れるんだよ!!」
あなたは思わず叫んだが“鬼”はそんなことにはお構いなしに走る、あなたとの差を見る見るうちに縮まってくる。
「うわ〜〜〜〜?!」
あなたの叫びが辺りに響く。
カードを握った“鬼”の右手があなたの背中に触れた。
次の瞬間、あなたの体を赤い閃光が包んでいた。
「ワン・ツー・ワン・ツー・・・!」
リズミカルな音楽とともに、インストラクターの掛け声が響く。
あなたは健康的なプロポーションの体を鮮やかな色のレオタードで包み、リズムに合わせてダンスをする。
そのたびに、ポニーテールに纏めた黒髪が揺れ、白い肌から汗が流れる。
あなたはレオタード姿の若い女性になってしまった。
GAME OVER