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あなたはタイマーに視線を落とした。


『31:01』


あなたは唇をかんだ。

「誰か・・・早く行ってくれ!!」



坂本修一は、木に身を隠しながらあたりを見回している。
“鬼”はいない。
「クソッ?!」
毒づきながら展望台へ急ぐ。


小川の操るブルーメタリックのインプレッサが、陽光を反射させながら前を走る2台の大型トレーラーを追っていた。
トレーラーの前に運河にかかる大きな橋が見えてきた。 その向こうには、大きな観覧車やジェットコースターも見える。
あの橋を越えれば、その先は“ドコカノランド”だ・・・。

『だめなのか・・・』

ハンドルを握る小川が唇をかむ。
トレーラーは、猛スピードで橋を越えていく。



「連絡は?!」
「ありません!!」

イージス護衛艦『まや』のCICに重苦しい空気が漂う。
小沢はじっと押し黙ったままだ。
『だめなのか・・・』
小沢は奥歯を噛みしめた。



坂本が走る。
彼の前には展望台が見える。
タイマーに視線を落とす。


『30:03』


『30:02』


『30:01』



「だめだ!!」
悔しそうに展望台の入り口に置かれた銀色に輝くボックスを睨む坂本。


『30:00』


遊園地の駐車場にトレーラーが滑り込んできた。
止まると同時に、コンテナの扉が開き、中から黒いスカートスーツに身を包んだ美女たちが次々と降りると、遊園地の入り口に向かって走って行った。






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