<この話のTOPへ>
「引きます!!」
言うと同時に、あなたは鎖を引いた。
金属的な音がして鎖が地面に落ちると同時に、
『プシュ〜〜〜〜〜ッ・・・』
トラックのエアブレーキのような音が辺りに響く。
銀色のボックスの下から白い煙が出ると同時に、透明なカバーが開いた。
あなたも、そして離れた場所で様子を見ていた荒川や伊藤たちも一斉に走り出した。
ボックスの中で、まるで眠るように瞳を閉じていた4人の美女たちは、目を開けると同時に一斉に走り出した。
猛スピードで走ってくる・・・目指すのは・・・そう、一番近くにいるあなただ!
「クソッ?!」
あなたは走る。
しかし、4人の“鬼”は、確実にその差を詰めてくる。
あなたは後ろを振り返った。
艶やかな黒髪をボブカットにまとめた美女がポケットからカードを取り出した。
『あれを貼られたら…?』
あなたの背中に冷たいものが流れる。
あなたは必死に走るが、足音は確実に近づいてくる。
美女が右手を伸ばす。
「やめろ〜〜〜?!」
あなたの叫びが響くが・・・。
あなたの体を赤い閃光が包んだ。
「尚美・・・」
「・・・」
あなたの体を、誰かが肘で突いている。
「?!」
「尚美・・・しっかりしてよ!」
あなたの目の前では、高校生の男の子がニコニコしながら立っていた。
「あ・・・いらっしゃいませ!」
「スペシャルバーガーと、ポテトとコーラ・・・」
「はい! スペシャルバーガーと、ポテトとコーラですね・・・ありがとうございます!」
あなたも、可愛らしい微笑みを振りまきながら、応対する・・・。
あなたは、可愛らしいバーガーショップの女性店員になってしまった・・・。
GAME OVER