約束 前編
どうやら、ミイラとりがミイラになっちゃったみたい・・・・・・・・・・・(汗)。
その日、いつものように怨霊退治に出かけたあたし達は
まだ早い時間に今日のノルマが終了したので、あかねと鷹通さんはラブラブ別行動〜。
んで、その間あたしと頼久さんは仕方ないから
おしゃべりでもして時間をつぶしていたわけなんですけど・・・・・・
慌てた足取りで鷹通さんが戻ってきて、開口一番、
『神子殿はお戻りになっていらっしゃいませんか!?』
はぁ?と驚くあたしと頼久さん。
聞けば、どうやら痴話喧嘩をやらかしてあかねがどっかへ走り去っちゃったらしい。
ふぅ・・・・・・・・・・まぁ、こういう時もあるわね。
で、仕方なく3人であかね大捜索(笑)。
頼久さんはあたしには動かないで待っていて欲しかったみたいなんだけど、
そうはいかないわよ。だって3人で探した方が早いじゃない?
あたしはどんどこと茂みをかき分けながら先を急いだ。
こういう時はなるべく第三者は介入しない方がいいんだけど・・・・・・ここは京。そうもいかないのが辛い。
だったらせめて、あたしが見つけてあげたいな。
女同士でぶっちゃけた話をしてあかねの心が落ち着いた頃に、
鷹通さんを呼んでもう一度二人を話し合わせてあげたい。
だってこのままうやむやのうちに連れ戻されたりしたら、あかねは消化不良になっちゃう。
なんでもない痴話喧嘩が、取り返しの無い亀裂に発展しちゃう事もあるしねぇ・・・・・・・・。
そう思ってどんどこ進む。どんどこ、どんどこ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
で、気がついた時は遅くって。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ココ、ドコ?(汗)
「頼久さーんっ!!あかねぇー?鷹通さぁぁぁーーーーんっ!!」
あーん、あーん、あーん、ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
う゛。なんか前にも似たような場面が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(滝汗)。
そうよ、初めてこの京に来た時。
あの時は誰も知り合いなんていなくって、『誰かいませんか?』って叫んだっけ・・・・・・・・。
って、そんなのんきに想い出メモリー探ってる場合じゃないのよっ。
嘘、声も届かないほど遠くに来ちゃったの?
あたしは焦って来た道を戻った。はず、だったのに。
あれぇぇぇえっ?さっきこんなとこ、通ったっけ・・・・・・・・・・・・?(汗)
おかしい。おかしいわっ。方向がまったくわかんない。どっちから来たのか、
はたまたどっちへ向かっていたのか。
さっきまでいた場所さえも、どこだかわからないなんてっ。
あたしはもう一度皆に呼びかけてみようと大口を開こうとした。ら。
す、と手前から一人の公達が現れて。
え゛っ。ちょっとあんた、どこから出てきたの?(汗)
「あ、あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あたしは開いた口からまぬけな声を出した。
すると目の前の男の人は、ふ、と微笑んだみたいだったの。
みたい、というのは彼が頭からすっぽりと薄い着物をかぶっていたから。
それで彼の目元とかは全然見えなくて、口元が少し緩んだのを笑った、と判断したわけなんだけど。
赤い・・・・・・・・・・・・血のように紅い色。
こんなに見事な緋色の装束、初めて見るかもしんない。それほどに鮮やかな出で立ち。
なんだろう・・・・・・・・目が奪われる。それは雰囲気からなのか、彼の顔が見えないからなのか。
あたしの問いかけに何も答えず、ただ優雅に微笑んでいるだけの人。
一体この人は・・・・・・・・・あたしは訝しく思ったけど、今度はちゃんと質問してみる事にした。
「あの、この辺で15,6歳くらいの女の子見ませんでした?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
「やっと会えたな・・・・・・・・・・・・・・・・封印の神子よ。」
「!?あたしの事知ってるの?貴方は、いったい・・・・・・・・・・・・・・」
驚くあたしの目の前で、彼は頭からかけている着物をさらりと取った。瞬間、あたしはあっと息をのんだ。
零れ落ちた豊かな長髪が、眩しいくらいに光り輝いていたから。金髪・・・・・・・・・!ううん、それよりも。
なんて青い・・・・・・・・・・・・蒼い、海の色よりも深い藍色の瞳。
その瞳があたしをじっと見ている。優しいような、もの珍しいような眼差しをして。
この人、外人さん・・・・・・・・・・?嘘、平安京にも西洋の人がいたんだっ(←勉強不足)。
けど、なんであたしの事知ってるんだろう・・・・・・・・・・・・とはいえどこかれ構わず名乗ってるからなぁ。
ひょっとしてとんでもない噂とか広められてたりしてっ(青ざめ)。
うひょー!と頬を押さえたあたしに、目の前の彼は楽しげに言った。
「道に迷ったのか?神子よ・・・・・・・・・・」
「え?あの。そうです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(は、恥かしっ)。
すみません、よろしければ土御門邸の方角を教えて下さる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・私が誰だかわかっていて、その問いをしているのか?」
え?何それ・・・・・・・・・・・・・・・・・・知ってるわきゃないじゃんっ。
ひょっとしてこの人、すっごい身分の高い人なのかしら。
だってなんだか威風堂々とした雰囲気だし、言葉もとっても威圧的なんだけど、
厭味じゃないってのは言いなれてる証拠。
ハッ・・・・・・・・・・・ひょっとして、右大臣ゆかりの人とかっ。うわ、まっずーいっ!(滝汗)
「あ、あの、ひょっとして、右大臣様ゆかりの方ですか・・・・・・・・・・・・・・・・?」
「クっ・・・・・・・・・・・・クク・・・・・・・・・」
「?・・・・・・・・・・・・・・・・・・違う、の?(だといいなぁ・・・・)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・我が名は、アクラム・・・・・・・・・・・。」
「えっ・・・・・・・・・・・・・・・」
「お前達と対峙している、鬼の一族の首領だ。やっと会えたな、封印の神子よ。待ちかねたぞ・・・・・・・・・・」
この人が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鬼の首領!?
嘘・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか、緋色。
『鬼は、緋色を好んで身に付ける』『美しい姿形と邪悪な心を持つ』・・・・・・・・・・・・・・・・・。
前に聞いた言葉があたしの脳裏に浮かび上がる。
美しい姿形。そうか・・・・・・・・・・・・・・・だとしたら彼は、間違いなく鬼の一族の人。
アクラム・・・・・・・・・・・・それは確か以前、シリンの口から切なげに洩れた名前。
「この出会いは、偶然?それとも・・・・・・・・・・・・・・貴方が?」
「ほぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私の術に気づいたか。」
「いいえ。そうじゃないけど・・・・・・・・・・・・あたし、それほど方向感覚悪い方じゃないもの。
それに貴方、2度も言ったわ。『やっと会えたな』って・・・・・・・・・・・・・・・・・・だからよ。」
「では、私がお前に会いに来た理由もわかるか?」
「ううん・・・・・・・・・・・・そこまでは。けど、丁度良かったわ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どういう意味だ。」
「あたしも一度、貴方に会いたかったからよ。だから、会いに来てくれて良かった。そういう、意味。」
「私に会いたかった・・・・・・・・・・・・・お前が?異な事を。」
「そんな事無いわよ。あたし、貴方と一度話し合ってみたいと思ってたんだもの。」
あたしがあっさりと言い切ると、アクラムは理解できない、というように眉をひそめた。
そしてふと、不思議な眼差しでじっと・・・・・・・・・・・穴が開くほどに見つめてきたの。
「な、何よぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・異世界人がそんなに珍しいわけ?」
あたしは心の中で付け足した。
『あんたみたいに綺麗な人に、そんな風に見られると恥かしいんだけど(汗)。』
するとアクラムは少し微笑んで、嬉しそうな響きを含んだ声で静かに静かにつぶやくように言ったの。
「お前は、恐ろしくは無いのか。私は鬼だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・異端の妖かしなのだぞ。」
「えっ・・・・・・・・・・・・・・異端って言うなら、貴方よりむしろあたしの方じゃないかしら?
なんてったって異世界人なんだもの!(←威張るな)
それに・・・・・確かに貴方は鬼だけど、その事に少しも恐怖を覚えない、なんて言うつもりもないけど。
でも貴方は今、あたしをどうにかしようとはしてない。違う・・・・・・・・・・・・・・・?」
「何故、そう思う。」
「・・・・・・・・・・・・わからない。けど、貴方の瞳が凪いでいるから。殺気を少しも感じないから。
それより前に、あたしを迷わせるほどの術を持っているのなら、わざわざ声をかけたりしないはずだわ。
そのまま攫う事も可能なのに。なのに貴方はそうしなかった。だから、よ。」
「なるほど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかし、今すぐにお前の喉を切り裂くかもしれぬぞ。
お前の懐に入って、気を根こそぎ奪うかもしれぬ。
はたして鬼はそれほどに、信頼に足りうるものなのか・・・・・・・・・
お前は知らぬからそのような事が言えるのだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・貴方はあたしに、『貴方』を怖がって欲しいの?」
「な、に?」
「だってそうじゃない。さっきから、貴方は自分を怖がれって言ってるようなことばかり・・・・・・・・・・。
そんな事を話しに来たの?違うでしょう。」
「フ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・確かに。」
アクラムは少しだけ笑ったような気がしたの。む・・・・・・・・・よくわからない男。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・封印の神子よ。お前は実に変わっている・・・・・・・・・。」
「(む!)あ、貴方だって、相当変わってるわよ(怒)。」
「それはそうだろう。この髪。この姿・・・・・・・・・・・・・・・・・私は鬼なのだからな。」
「そうじゃないわよ。そんなの、あたしの世界にはごろごろいるわ。
そうじゃなくって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・貴方の心が。何を考えてるのかちっともわかんないのよ。
あたしを怖がらせようとしたり。
かと言って、怖くないって言ったら嬉しそうに笑ったり・・・・・・・・・・・・わけわかんない。」
「フ・・・・・・・・・・・・・・・仕方あるまい。私にも想像のつかなかった事なのだ。」
へ?自分でもわかんない・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・神子よ。私はお前が気に入った・・・・・・・・我が元へ来い。」
「・・・・・・・・・それは、八葉の皆やあかねや藤姫と決裂しろってお誘い?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「せっかくだけど、それは出来ないわ。
あたしは彼らが大好きだし、彼らの京を守りたいっていう気持ちに協力するって心に決めてるから。」
「問うだけ無駄だったな。」
「けど、貴方とも話し合いたい。何故こんな事になったのか・・・・・・・・・・・・。
理由を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・教えて欲しいって言ったら、貴方、怒る?」
あたしはちょっと首をすぼめておずおず、と問いかけた。
だって前にこの事を口にして、シリンにひどい目にあわされたんだもん。そりゃ学習するってもんだわ。
けどアクラムは少しだけ。本当の本当に少しだけ・・・・・・・・純粋に、笑ったような気がしたの。
あれ?なぁんだ・・・・・・・・・・・・そんな顔も出来るんじゃない。出し惜しみしないでよ。
あたしはちょっとホッとして、少しだけアクラムに近づこうと・・・・・・・・・・・・・
スッテーンっ!!痛っ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・うー。いたたたた・・・・・・・。
あたしは落ちていた葉っぱを踏んでしまって、派手にすっころんじゃったのっ(みっともなー!)。
慌てて立ち上がろうしたら、更にすってんころりんっ。ぐ・・・・・・・・・・・・何やってんだかっ。
そうこうするうちにあたしは泥だらけにっ。ああ、なんでよりによって水溜りに・・・・・(自己嫌悪)。
と、目の前のアクラムは。
少しだけ目を見開いてズタボロなあたしを見つめると、
思わず、というように口元を手で隠しそっぽを向いたの。
「あの、ね・・・・・・・・・・・笑いたかったら、笑ってくれても結構なんだけど(汗)。」
アクラムはあたしのマヌケな言葉に、更に肩を小さく震わせて。
そりゃそうよねぇ。笑いたくもなるってもんだわ。
大人の女性が目の前で何度もすっころんでるんだもん。こみあげてきちゃうのも無理ないわっ(涙)。
あたしは今度は気合いをいれて、ちゃんと立ち上がろうとしたの。
すると体勢を整えたらしいアクラムが口元に微笑を浮かべつつ、ス、と手を差し出してくれて。
あら・・・・・・・・・・・・・親切。意外に紳士かもしれないわっ。
そう思って彼の手に手を重ねた瞬間。
「鬼!○○殿から離れろっ!!」
えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その声は、頼久さん!?
焦ってあたしが振り向くと、すぐそこで頼久さんがしっかりと太刀を構えていた。
彼は怖いほどに真剣で、周りからゆらりと炎が立ち昇りそうなほどだった。
緊迫した空気が流れる。本気、だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頼久さんの瞳。
彼の握る刀身に太陽の光が反射して、ギラギラと光輝き。
頼久さんと刀は一体となって、触れたら切れてしまいそうなほど・・・・・・・・・・鋭い眼差し。
戦闘態勢な頼久さんを、こんなに間近で真正面から見たのは初めてだった。
これが頼久さんの戦う瞳なの?隙が、一筋も見つからない。
彼に出会った敵はきっとこの瞳を見ただけで、怯え、足がすくんでしまうだろう。
そうして一瞬のうちに。何が起こったか理解する前に倒れるだろう。そう確信するほどの威力を持った瞳。
あたしの背後で、アクラムが小さく吐息をもらしたような気がした。
それが合図となり、頼久さんが弾かれたように前へ飛び出した。
瞬間あたしは彼の背にかばわれ、キィン、とぶつかりあった金属の音が耳に響いた。
え、と振り向くと、頼久さんが横真一文字に刀を薙ぎ払い、それをアクラムがとっさに小太刀で防いだところだった。
わっ!ら、乱闘してるっ(汗)。
あたしはどうすればいいのかわかんなくなって、
連続して切り結ぶ二人の男をおろおろと見守る事しか出来なかったの。
だって今までの敵ったら、怨霊っていうもやもやとした目標ばかりだったのよ。
現代人のあたしは、生身の人間が切りあうシーンは見慣れてないわっ。
こ、怖いっ!!きゃ、切れちゃうよぅっ!!(恐怖)どうしようっ。どどど、どうしたらいいのっ!?
確かにあたし達は敵同士。けど、さっきまでは和やか(?)に話してたのに、いきなりこんなっ(滝汗)。
刀が長い分、そして服装が動き易い分、状況は頼久さんに優勢で、
アクラムがだんだんと追い詰められていく。
けれどもその隙間をかいくぐり、小回りのきく小太刀でわずかな隙を突く。
それをいとも簡単に避ける頼久さん。そして薙ぎ払う・・・・・・・・・・・・・・アクラムが避ける。その繰り返し。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何故、アクラムは術を使わないんだろう?
ハッ・・・・・・・・・使われたらやっかいだわっ。だってあたしはあかねじゃない・・・・・・・・・・・・戦闘には参加できない!
あたしが焦ったその瞬間、とうとう頼久さんがアクラムを大木の前まで追い詰めた。そして。
「鬼よ・・・・・・・・・・・・・・・・覚悟は出来ているか。」
その瞬間。アクラムがあたしを見たの。ふ、と悲しげに。諦めに似たような表情で。
あたしはそれを見た瞬間、足が勝手に走り出していた。
待って。頼久さん、待って欲しいの。
彼にも話をするチャンスをあげて欲しいの。
あたし、何にもされてないよ?あたしは無事だから。だから、誤解なのよっ。お願い待ってっ!!
一瞬の間にいろいろ考えて、けれども既に振り下ろされた刃を止めるにはっ。
「やめてーーーーっ!!!」
瞬間、ビクリ、と頼久さんの身体が震えた気がした。
けれども振り下ろされた太刀は止まらない。止められない!
ああ、もうだめーっ!!!
その瞬間、アクラムの体が掻き消えて、瞬時に頼久さんの後ろに現れたの。えっ!?
とん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
軽く、本当に軽く一撃。
そんな頭を小突くような弱い打撃に、頼久さんが参るわけないのに。
あたしの目の前で頼久さんのしなやかな身体が崩れ落ちる。
全ては一瞬の出来事。
あたしは何かの術のような眩暈を感じて、けれども必死に口を開いた。
「アクラムっ!今の、何?頼久さんに、何をしたのっ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・必死だな、神子よ。」
「当たり前でしょうっ?何っ!!何をしたのか言ってよーっ!!」
「ただ、ひと時・・・・・・・・・・・・・眠ってもらっただけだ。」
「眠って・・・・・・・・・・・・・?気を失わせたってこと!?」
「まぁ、そういう事になるな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だが、目覚めるかどうかはお前次第だ。」
「あ、たし?」
「フ・・・・・・・・・・・・愚かな八葉。
一瞬でも躊躇しなければ、倒れていたのは私の方だったかもしれぬのに。
お前の言葉に、さぞや驚いたのだろうよ。」
「あたしの・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「また会おう・・・・・・・・・・・封印の神子。次は、お前を手に入れる・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それだけの言葉を残して。
現れた時と同じく、いつの間にかアクラムの姿は消えていた。
モドル 後編