Hologram 前





突如として工藤邸にやってきた、メイドホログラム『A.I』。通称アイ。
彼女がこの家に来てから、新一の生活は一変した。特にその食生活は大幅に改善され、1日3食、欠かすことなく食卓に出される事にもようやく慣れ始めた頃。

別に招いた覚えもない一人の訪問者が、工藤邸の呼び鈴を鳴らした。
本来、その人物が呼び鈴を鳴らすと言う行為は、とても珍しい事である。
……何故なら、彼は常に家主に断って家に上がり込むという、一般的な常識が欠如している人物だからである。

だから今回、わざわざ普通の訪問客と同様の手順で相手とコンタクトを取ろうとしたのは、本当に驚くべき事なのだ。
彼にしてみれば、気まぐれで鳴らしてみただけなのかも知れない。家主の性格を熟知している彼にしてみれば、どうせインターホンに出る訳ないと思っていたのかも知れない。何より、四六時中一緒にいた彼が、この家でまともにインターホンを使用して外部とのやりとりをしている家主の姿を見た事などなかった。
だから、彼は一度呼び鈴を鳴らした後、さも当然のように重厚な鉄の門扉に手を掛けたのだ。

しかし、彼の行為は途中で中断を余儀なくされる事となる。


『はい、どなた?』
回線が開かれた向こう側から、声が聞こえた。
──彼は驚いた。
驚いたのは、全く使われないそれに対して、常々「実は、このインターホンは壊れているのかも知れない」と思っていたからではない。
「はい、どなた?」と尋ねられたその声が、家主のものとはとても思えない、柔らかでいてあどけない少女のような声だったからだ。

──彼はショックを受けた。
そんなバカな。……自分は、一週間家を空けただけだ。なのに、たったそれだけの間に、家に招き入れるような女を作ってしまうなんて!
「新一、そんな酷すぎる!」
『……はい?』

彼は、インターホンに応える間もなく門扉を開き、一直線に屋敷の中へと飛び込んで行った。




「新一!」
エントランスで靴を脱ぎ散らかし、バタバタと廊下を激しく鳴らして飛び込む先は、工藤邸のリビング。
探し人は、居た。いつものように、革張りのソファに腰掛けて、その手には文庫本。読書の途中だったのか、それは開かれたままで、顔はこちらを向けている。
それは、普段の日常と全く変わりのない彼の姿だった。
しかし。
ソファに座る彼の足下で、ラグに座り彼の膝に手を置いて、少し吃驚した顔つきでこちらを見つめてくる少女の存在に、彼……黒羽快斗は、一瞬言葉を失った。

それは決して、新一が実はロリコンであった事に対して、衝撃を受けたのではない。いや、そうであった事に驚いたのも確かなのだが、それはこの際、大した問題ではなかった。
大事なのは、快斗が不在の間に女を作ったという事実である。

しかも、その女はゴシックロリータなメイド服なんぞを着込み、まるである種の『男の浪漫』をくすぐるような媚態で新一の足下に跪いているのだ。
これは、例えその姿が彼女にとてもよく似合っていたとしても、許せる問題ではなかった。

「新一!これは一体、どういう事だよっ!」
怒鳴る快斗に、新一はさして驚く風でもなく、彼を見た。
「どういう事って、何の事だ?」
「新一の傍にいるガキの事だよ!……オレが居ない間、そんな女引っ張り込みやがって!」
「引っ張り込む……って……」
「心外ですわ」
まるで状況を掴めないと言った風な新一の言葉を引き継いだのは、足下に座っていた少女だった。
すくっと立ち上がり、新一の前に立ちはだかる。

「この家に許可無く勝手に入ってきた不法侵入者如きに、そのような事を言われるなんて、屈辱です。……マスター、この男を排除しても構いませんか?」
ミルクティ色をした髪を揺らして凛と言い放つ彼女に、新一は首を竦めつつも、思いとどまるように言った。
「一応、知ってる奴だから」
「新一!」
「只のお知り合いであったとしても、相手はもっと選ぶべきです」
「何だって!?」
「このような不作法な方と交流を持つべきではないと申し上げたまでです」
彼女はキッパリと言い放つものの、取り敢えずは新一の言葉通り、それ以上行動に出る事はなかった。

「新一、一体この女は何なんだよっ!」
「オレ専属のメイド」
新一はあっさりと言い放った。
「メイドぉ!?一体、何でこんな女雇ったんだよ」
いや、雇う雇わない、などという問題ではない。そもそもこの時代、一般家庭において「メイド」なんて言葉が出てくるのがおかしい。
普通ならば、「お手伝いさん」あるいは「家政婦」ではないだろうか。……「メイド派遣センター」なんて、どう考えても胡散臭い。あっち系の匂いがする。

そこまで思考が及んだ所で、はたと思いとどまった。怒りの論点がズレている。
快斗が怒っているのは、「女」の存在であり、メイドの有無云々ではない。

「そっ、そもそもメイドなんて必要ないじゃないか」
快斗の言葉に首を傾げる新一。……彼は意識していなかったかも知れないが、快斗の言葉は一応正しい。
たまたま仕事の都合で一週間家を空けたとはいえ、快斗はそれまでこの家で新一の為におさんどんを完璧にこなしていたのである。それを……何処の馬の骨ともしれないガキに取って代わられるなんて許せない事だ。

快斗の思いも寄らない突っかかった物言いに、新一は吃驚しつつも口を開いた。
「オレも、メイドなんて必要ないと思った」
「ま、マスター!」
慌てて声を上げる少女を制止して、新一は更に言葉を続ける。
「最初は押し切られた形で連れてきたけど。でも、思いの外良くやってくれるし、こいつが居るからといって別に煩わしい事もしないし、ご飯作ってくれるし、布団も干してくれるし……」
「そんな事、今までオレがやってたじゃないか」
食事の世話も家の掃除も、快斗は率先してやっていた。……新一が喜ぶようにと。
「でも、それは本来快斗がやるべき事じゃないだろ?」
「そんなの関係ねーよ。オレはやりたくてやってんだろから」
「けど、たかが友達に、そこまでさせるのはどうなものかと思う。……思ってた」
たかが友達。新一の言葉に、快斗は言葉もなく項垂れた。
そう。新一との関係は、彼の言う所の「たかが友達」なのだ。

もちろん、快斗は新一の事を只の友達なんて思ってはいない。いや、友達だし親友である関係は嬉しい事なのだが……本当の快斗の心はそんな友情で結ばれた関係を望んでいた訳ではなく、つまり。
「……友達だけじゃ、嫌だ」
赤い糸で結ばれた関係になりたかったのだ。

「何?何か言ったか?」
「……何でもない」
「それに、お前も好きでやっているとはいえ、大変だろ?わざわざうちに通ってまでオレの面倒見るの」
そう。快斗はいわば「通い夫(?)」だった。
そもそもの切欠は、数ヶ月前の事。ひょんな事から知り合った2人は何とか一般的な友人関係を築いた。快斗にしてみれば、新一と仲良くなるには、確たる下心があったのだが、新一の方は知らない。
普通の友人と接するが如く快斗と街に繰り出したある日。彼は街中で突然倒れてしまったのだ。

……栄養失調で。

快斗が「通い夫(あるいは妻)」になったのは、その頃からである。
この飽食の現代。しかも、生活には決して困る事のない家庭環境にいる新一が、別にダイエットしている訳でもないのに栄養失調に陥るとは、快斗にしてみれば衝撃の事実だった。
しかし、この事件は快斗にとって、新一との絆を更に深める良い機会にもなった。
彼の食事を作ってあげるという口実を引っ提げて、工藤邸に毎日通った。ついでに掃除や洗濯と言った家事もこなした。
時間のある時は常に新一と共に過ごし、新一の方も好きでやっているという快斗の好意に甘えまくっていた。

快斗にしてみれば、この状況から一気に同居へと目論んでいたのである。
そうすれば、正に朝から晩まで新一の世話が出来るというものである。
一緒に住めば、関係ももっと深まるに違いない。そしていずれは、友人でなく恋人として彼と共に人生を歩きたいと、そう心に決めていたのに。

しかし。独りよがりとはいえ、快斗にとって壮大で重大な計画を、この目の前のたかが一人の幼いメイドによって突き崩されようとしている。
そう簡単に引き下がれる問題ではなかった。

「新一は……オレの何処が不満だったんだよ……」
「不満も何も。お前は良くやってくれた。とても感謝している。ありがとう」
じゃ、さようなら。と続きそうな口調で淡々と告げる新一に、快斗は泣きそうになった。
「新一にとって、オレってその程度のものなの……かよ」
「何だよ『その程度』って。オレとしては、今まで迷惑掛けていて、とても申し訳ないと……」
「そう言う他人行儀な態度、やめてくれる?……もっと甘えてくれたって良いんだよ」
と言うか、その方が嬉しいと、快斗は真剣に思っているのだが、当の本人には理解しがたいようで、曖昧な顔で快斗を見つめていた。

「……と、兎に角、もう快斗の手を煩わせるような事はないから」
「はい、私が付いておりますから、マスターの事は全て私にお任せ下さい。ね?マスター」
それまで2人のやりとりをじっと黙って居たアイが、にっこり微笑んで見せた。新一はその微笑みに機嫌良さそうに笑って頷くが、快斗にしてみれば、神経を逆撫でされているような気分でしかない。不機嫌そうに押し黙り、じとっと少女を睨みつけた。

そんな快斗の態度に新一は内心戸惑いつつも、声を上げる。
「そんな事よりさ。この子の紹介まだだよな。紹介するよ。この子はオレ専属のメイドで『A.I』って言うんだ。先週からうちで働いている」
「マスターが何時もお世話になっております、黒羽さま」
アイがぺこりと頭を下げた。肩の上で切り揃えられた柔らかそうな髪がふわりと揺れる。
そんな風に、至って真っ当な挨拶をしたアイではあったが、新一は少し驚いた顔をした。
「アイ……オレ、こいつの名字なんて言ったっけ?」
新一は出逢った頃から彼の事は名前で呼んでいた。それは相手からそう言われたからだったが、別段差し支えがなかったので、彼の望むままに互いを名前で呼び合っていた。
だから、アイに彼の名字を教えた事もなければ、何処かで聞きかじった事もないだろうに。
しかし、新一の疑問に対して、アイは大した事ではないと言うように、さらりと答えた。

「マスターに関する情報は、全て初期設定にて入力済みです。生年月日から家族構成、学歴、職歴、そして交友関係に至るまで、お二人が入手していた情報は全て、私の記憶回路に蓄積されています」
お二人とは、阿笠博士と宮野志保の事だ。
ちなみに、人物に関しては、それぞれに対しての応対の仕方も事細かに設定されていた。例えば、警察関係者に対しては、あくまで事務的なやりとりのみ徹するように。とか、新一の幼なじみの場合は、なるべく心を砕いた対応を心がけるとか。……それはもっと細部まで設定されているのだが、もちろん、新一に「こういう風に応対しろ」と言われれば、そのように対応する。新一の命令は絶対的に優先されるのだから。

しかし、事情の知らない快斗にとっては、何の事だかサッパリで。
「……何?その初期設定とか入力って……」
一体、何時からコンピュータの話になってしまったのかと首をひねる快斗に、新一は目を瞬かせると、思い出したように「あぁ」と言った。
「あれ、もしかして、まだ言ってなかったかな。この子はメイドだけど、人間じゃないんだ」
「……え?」
「博士と宮野が作った、メイドホログラムなんだよ」
何でもないと言う風にさらりと言ってのける新一に、快斗の反応は鈍かった。
「……え?」
もう一度、真抜けた声を上げ、それからまじまじと少女を見つめた。
アイは、特に愛想笑いを浮かべる訳でもなく、ただ迷惑そうに顔をしかめている。

「ホロ……グラム?……って、立体映像の?」
じゃあ、実在していないのか!?
「只の映像ならメイドは務まらないだろう?こいつには、ちゃんと質量があって、触るとまるで本当に生きているみたいに暖かくてしっとりしていて……スゴイ優れモノなんだぜ?」
そう言われて、アイが嬉しそうに新一にしがみついた。細い腕を新一の腰に絡め、ぴったりとくっつき、視線は何故か快斗の方へと向けられる。そしてその愛らしい口元には、まるで勝ち誇ったかのような微笑を湛えていた。

快斗の不快指数が、更に急上昇した。

だが、そんな快斗の心の内など全く理解していない新一は、しがみつくアイに対して特に鬱陶しがる事もなく、させたいようにさせていた。
そんな新一の態度に、益々不機嫌になる快斗。
「何だよ、その得体の知れないホログラムなんかに、おさんどんなんかさせて。……そもそも、一体どうしてそんなモノを阿笠博士や宮野女史が作ったりするんだよっ!!」
どう見ても八つ当たりとしか言えないような態度でかみついてくる快斗に、新一は困惑した風に眉を寄せ、アイは迷惑気に顔をしかめた。

「マスター、やはりこの男はマスターにとって益なる人間ではありません。五月蠅いだけです」
「何だとっ!」
「いや、何時もはこんなんじゃないんだ。今日の快斗は、ちょっとおかしい」
その原因が目の前にいるホログラムである事など全く気付かない新一は、ともすれば、快斗を追い出しにかかろうとするアイをやんわりと宥めた。

「快斗も、そうピリピリすんなよ。何でそんなに怒っているのか分からないんだけどさ。それに、アイも最初からこんな形でうちに来る事にはなっていなかったんだ」
「……どういう事だよ」
むっつりと訊いてくる快斗に、新一は溜息をもらす。

「だからさ。……ま、そもそもの発端は、オレが博士に言った他愛のない言葉だったんだけど……」
新一はそう言って、ことのあらましを話し始めたのだった。











「……へぇ。新一の身代わりに……ねぇ」
お互い落ち着いてソファに座り、アイがいれてくれたコーヒーを飲みつつ話を聞いていた快斗は、新一の話が一通り終わると、何とも言えない脱力感と共に、そう言った。
何ともはや、快斗にとっては迷惑な話である。

「……確かに、新一の生活態度は極悪だったけど、オレが面倒見始めてからは、すこぶる規則正しい生活を送っていたのになー」
溜息と共に吐き出す快斗に対して、新一は少し煩わしそうな表情を見せた。
「ま、確かに息苦しくはあったけど、健康的ではあったな」
主人の命のないアイは、そんな2人とは離れた所で佇んでいる。何時でも新一の命令で動けるようにと。
「そういう言い方は酷いんじゃない?オレはオレなりに一生懸命、新一の事を思って……」
「うん、それは分かってる。ありがとな」
少し冷めたコーヒーを飲みながら、新一は微笑んだ。快斗の心臓が、きゅーっとなる瞬間である。

新一は滅多には、こんな風に微笑んではくれない。箸が転がっても可笑しいというような年頃でもないし、女でもない。
別に新一が快斗を邪険にしていて、笑顔を見せてくれるのが少ないという訳ではない。
ごく普通の友人同士なら、こんなものだろう……と言った程度の割合だ。しかし、それが快斗には不満でならなかった。
それに加え、あのメイドホログラムの所為で、この家に来る口実がぐっと減ってしまう現実に、心が沈む。

……嗚呼、毎日毎日新一と共に居たいと言うのに、どうして彼はこんなにも頑ななのであろうか。

告白の「こ」の字すら口にした事がない快斗だというのに、何故かそのことは棚上げして、新一の不実を責める。……新一にとっては、良い迷惑であるが、彼の心の内などまるで気付かないので、チンプンカンプンでしかない。

「ま、これからは、快斗もオレの事は気にせず自由に過ごしてくれ。もう、オレの事は心配ないからさ」
「……そんなの、全然楽しくない」
「何だ?」
「オレは、新一と一緒に居たいだけなのに……新一が居てくれるだけで……」
「別に、オレは友達やめようとか言ってんじゃねーぞ。……何か勘違いしてねーか?」
どうも、相手はまるで別れ話でもしているようで、新一が少し呆れて言うと、快斗は吃驚するくらい憔悴した顔で新一を見た。

「……快斗?」
「オレはさ……新一と一緒に居られるだけで嬉しいのに。そりゃ、それ以上の事だって、望んでないと言えば嘘になるけどさ。……だけど、いきなりじゃマズイから、ゆっくりでも良いから、着実に一歩ずつ近付いて行きたいのに」
新一には聞き取れない程の小さな声で、何やらぶつぶつ呟いている。
「新一と一緒に居たい、居たい、居たい……」


本能的に『ヤバイ』と感じた新一が、どうしようかと対処法を考えあぐねていると、ふいに快斗が新一を呼んだ。
「新一。そういや、このホログラムは、元々は新一仕様だったはずだよな」
「あ、ああ。博士はそう言ってた。最初はオレの身代わりの為に考案されて、かなりの所まで開発が進んでいたらしい」
その後、新一が元に戻った事により、その必要性はなくなり、現在は新たな役目を担って『A.I』が……アイが生まれたのだ。

「……て、事はだよ。もしかして、もしかすると。……いや、もしかしなくても……だよな」
「快斗?」
今度は別の次元のあらぬ方向に思考を飛ばしまくっている快斗に、新一は不審に声を掛けた。
しかし、何かに夢中な快斗は呼ばれている事にも気付かず、己の思考に没頭する。

「うん、そうだ。間違いない。絶対にそうに違いない!」
「何なんだよ!」
新一が声を上げるのと、快斗が立ち上がるのは同時だった。

「ごめん!オレ、ちょっと用を思い出したから帰るね。また来るから!」
先程までとは打って変わってご機嫌な声で快活にそう告げると、快斗は身を翻した。
そのまま小走りでリビングを出ていく快斗を、新一は呆然と見送った。

「……一体……何なんだ、アイツ」
一体、彼の思考はどうなっているのか。新一はしきりに首をひねりつつ考えるが、考えた所で彼の心が覗ける訳でもない。
暫く考え込んだ後、新一は小さく首を竦めて、テーブルの上に放り出したままになっていた文庫本を、再び手に取った。
パラパラと目的の頁を探す新一に、いつの間にかすぐ傍まで来ていたアイが、複雑そうな顔つきで主人を見つめていた。

「……どうかしたのか、アイ?」
いつもはとても幸せそうな笑顔をみせてくれるメイドホログラムなのに、今の彼女は普通ではない。

アイは、躊躇いがちに口を開いた。
「マスター、嫌な予感がします」
「嫌な予感、って。……何か、オレに悪い事でも起きる、とか?」
眉間に皺を作る新一に、アイはゆっくりと首を振った。
「いえ……マスター自身には……。でも、間接的にはそうかも知れません」
「……?」
首を傾げる新一に、ホログラムでありながらも、胸騒ぎを覚えるアイ。


彼女のその予感は、おもいっきり近い将来に現実になって現れる事を、その時は2人はまだ知る由もなかった。






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2003.09.24
Open secret/written by emi

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