赤いカーディガ―
赤い私のカーディガ―。
落ちていく。
ゆっくりと。
風はない。
だからそのまま。
落ちてゆく。
あなたのもとへ。
落ちてゆけ。
あなたのその腕の中へ。
分厚い窓越しにあなたを探す。
そよぐことを知らないカーテンの時間は止まったまま動かない。
どうしてそんなに静かでいられるの?
私は今にも倒れそうよ。
だって、今日こそは話して見せるわ。
あの人と。
そう思うと心臓の音はいっときたりともやまなかった。
窓に反射する光が邪魔で外がよく見えない。
がらりと思いきりあけはなった。
風が一気になだれこみ飾ってあった花の花弁が1枚・2枚ひらりと散った。
カーテンはばたばたとはためく。
雑音が響く。
車のクラクション・騒音・人の声・音楽。
そして下には人ごみが広がる。
黒・金・茶・赤色とりどりの髪が揺れる。
でもやっぱりあの色の髪の人は一人しかいなかった。
染めているわけではないのは一目瞭然。
だってあんな綺麗な透けた色人にはとてもだせない。
この窓の下を通るちょっと前に気付いてほしくて受けとめてほしくてわかってほしくて、
自分が今まで纏っていた赤いカーディガ―を外へと落とした。
風が止んで静かに落ちる。
そして掴んだその腕はあなたの腕だった。
心臓がバクつく。
なんて・・・言おう。
目があったらなんて言おうか。
綺麗な髪の青年はゆっくりカーディガーが落ちてきた方を見上げた。
目が合った。
本当に綺麗な色だった。
私はずっとこの瞳に見つめてもらいたかったの・・・。
製作者より
なんか詩調ですねι
彼女の望みが叶いそうな前兆です。
「あなた」とは一体誰なのか・・・。
あっお気づきですか(笑