籠の鳥
いつも通るあの人。
名前も知らない。
話しをしたこともない。
この部屋で見ているだけ。
私は鳥かごの中の鳥のようにここから抜け出すことはできなくて。
だからあなたを見つけたとき、とても自分がもどかしかった。
ここから動けたら今すぐにでも飛び立っていくのに。
あなたの髪。
青とも紫ともおぼつかない綺麗な色。
瞳も同じ。
人ごみの中にいたってすぐに目につくわ。
人には決して現れぬ色彩。
きっとあの人は天使なんだ。
自由にはばたく。
私とは違う。
でもだから弾かれたんだと思うのよ。
「気付いて・・・くれないかな・・・。」
その時、風がさっと吹いて髪をゆらした。
ふわり、風に舞って耳にある小さな赤い石が見えた。
真っ赤な小さな石。
「ピアス・・・してたんだぁ。」
今まで髪に隠れてて見えなかったからしらなかった。
また一つあの人に近づけた気がした。
赤がとってもよく似合うこともわかった。
話せたらきっと楽しいだろうな。
そしたら空まで飛べそうな気がするの。
はばたける。
製作者より
久々の更新。
まだまだ意味わかりませんね(^^;)