沙月TOP】 【生徒会書架
そして、朝が来る

その1】 【その2】 【その3】 【その4】 【その5


『第37期生徒会』この代の生徒会役員・執行部各位は、学園史上一 美形揃いと言われている。
総代を筆頭に生徒会役員・各寮長・各部部長(一部)と並べると壮観な眺めだそうだ。
『ってことは俺も割と見目がいい方って訳だ?』とは白取由也の科白である。
弓道部と茶道部(何で?)に所属する白取由也は、気は短いが気の良い性格。
少し天パ気味の髪をした明るい奴である。

彼が麗しの(笑)総代様と既知となるのは、7月。
弓道部の大会を見にいらした当時副会長の方の前で、1年の癖に堂々3位になった彼は、 当時白虎寮長でもあった先輩に紹介していただいたのである。
綺麗な先輩とお知り合いになれた白取由也は、うっかりと嬉しさの境地にいた。
後悔してしまうのは、もう少し先である。



「凄いバンソーコだな」
昼休み恒例。生徒会室でのミーティングだ。
「大丈夫か?由也、智隼?」
泪先輩が心配そうに聞いてくれる。
「平気です」
「僕も・・」
逆上して、新聞部に駆け込んだ俺と、責任を取って止めにきた西藤は、 新聞部の部室で大騒ぎした・・怪我である。

「新聞部には、注意をしておいたけど。由也のしたことは感心しないよ」
「・・すみません」
その通りです、泪先輩。でも、その後が良くなかったっりして
「そんなことになってるとは、知らなかったな」
にっこりと笑って泪先輩が言う。
う・・嬉しそうにしないでくれよ。困ってんだから(^^;)
他の人達が呆れてみてますってば、先輩・・

「感情は自由だがな、泪。生徒総代の立場も忘れるなよ?」
副会長の緑川先輩は『シンパ』じゃなく、しっかり総代に物が言える数少ない人だ。
「そうだな」
泪先輩も緑川先輩には、本当に素直だ。
「由也のことは公的なことに持ち込む気はないよ。勿体無いじゃないか。他人にわざわざ 見せるなんて」
「・・・泪―――(^^;)」
緑川先輩も困ってるじゃないかーっ(^^;)
「そうですね♪白鳳との交流会に出しませんでしたね!」
追い討ちをかけるなよっ西藤!
「そう、勿体無いからね。白鳳は美人が多いから(^^)」
に・・・にこにこ笑って会話するな―――っ! 第一、自分のこと分かってないじゃないですか!泪先輩!!

「泪先輩、ここ以外ではなるべくその類の言動は避けて下さい」
「安東?どうしてだい?」
うわっ、泪先輩に意見・・やっぱ怖いもの知らずだ、安東。
浅野先輩睨んでるぜ!?
「白取の方が危ないですから」
「え?」
つい聞き返す。何で、俺?
「そっか、親衛隊!」
「親衛隊?何だい?それは。智隼?」
「え?泪先輩、知らないんですか?」
「さ、西藤っ(^^;)」
あ、浅野先輩が焦ってる。
「俗に言えば、F.Cですね」
と浅野先輩には目もくれず、安東。
「泪先輩は人気がありますからね。1つや2つじゃないと思います。中には過激な人も いるかなぁ・・?」
西藤がちらっと俺を見る。何?なんだって?
「由也に危害を与えるかも知れないと?」
はっ?何?泪先輩。危害?
「有り得なくないですね」
うっ、何だよ皆でこっち見て。
「気をつけよう。ありがとう安東」
にっこりと泪先輩が安東に笑いかける。
「白取は友人ですから」
安東の方は相変わらずのクールぶり。
何て素っ気無い奴!浅野先輩あたりなら涙流して喜んでるぜ、その科白。



「さすが安東、全然動じてないよなぁ (=^^=)」
い・・・一原?お前そんなポーっとした顔して・・・
「うーん、やっぱり頼れるよなあ(^^)」
竜崎・・・お前もすっかり出来上がったよーな視線で・・・・(^^;)
「あ、緑川先輩が耳打ちしてる(−−#)」
「笑ったぞ、安東」
お前等、ホント危ない・・・・(溜め息)
「何言ってるの。緑川先輩は白鳳に彼女、いるだろ?」
「西藤・・(^^;)」
「それは分かってるよ、智隼」
「でも、安東の方が美人だと思うぞ」
「・・・ま、いいけどさあ。何言っても決めんのは安東だし(^^;)」
西藤が呆れてるなあ。ま、仕方ない・・かな?
「いつも、あんななのか?」
こそっと西藤に聞く。
「一原と竜崎でしょ?中等部の時から変わらないね」
「安東は?」
「・・って?安東が、なに?」
「いや・・・・」
どう言えって?・・・うーん、どっちが好きなのかな――とか・・・?(^^;)
「安東の方は至ってクールだけどね?どうなんだろう。僕はあんまり興味ないし」
よ、良かった。お前は普通で。
「智隼」
安東が智隼を呼んで、手招きしてる。
「何?安東」
「総代が呼んでる」
「なんだろ?」

西藤と入れ替わりで安東が隣に座る。
「親衛隊の方は、大人しくしてるだろうから安心しろよ」
「え?」
何で知ってたんだ?お前。
確かに足引っかけられたり、うどん頭からかけられたりしたけど・・・。
「安東、何で・・・?」
知ってるのか、って言外に聞いたら、事も無げに。
「判るだろう?それくらい」
平然と言うけど、俺誰にも言ってないし、お前等の誰もいないところでばっか やられてることだよ?何で?判るもんかな・・?
「予鈴、鳴ったな。戻るか」
「・・・・」
不思議そうに見る俺のことはおかまいなし。 お前ってほんと、不思議な奴―――



取りあえず、その日を境に本当にぴったりと嫌がらせは止まった。
つくづく、安東の影響力って・・・凄いと思う。
あいつ、実は影の支配者・・・・?


BACK <そして、朝が来る> NEXT
沙月TOP】 【生徒会書架

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル