Fly Me To The Moon

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秋も深まる10月。

俺は親父と一緒に人を待ってた。

ちょっとソワソワと緊張なんかもして。

今日は義兄になるヒトと初めて会う日。

『親睦を兼ねたお食事会』ってーヤツ。

親父に再婚するって言われてから相手の「リツコさん」とは何度か会ったコトあったけど、俺はツレ子の「カズキ」のことは写真も見たことなかった。

でもハナシは聞ぃてたし、会うの楽しみにしてたんだ。

だけどホテルのロビーに「リツコさん」と連れ立ってやって来たアニキになるっつー「カズキ」を初めて見て...正直言ってちょっとがっかりした。

ソイツは...俺が想像してた『アニキ』とはかけ離れたタイプだったから。


――オチカヅキになりたくねぇタイプ〜。詐欺だぁ〜。


いかん。思わず心のナカでグチをたれてしまった。

第一印象は『根暗なガリ勉優等生』ってカンジ?

ハッキリ言っちゃえば超ニガテなタイプだった。

俺が聞いてた「カズキ」は「部活で剣道やってて、やさしくって、真面目で頭もいい」ってーの。

まあ、たしかにひとつは言われたとうり、つーか想像以上だ。

メチャクチャ真面目そーだよ。

んでも俺は最初の『部活で剣道』ってトコで、「おおっ!体育会系!お仲間じゃん〜♪」とか思って、ほかの『真面目で頭もいい』ってトコはあんま考えてなかったんだ。

「カズキ」のコト俺のまわりにいる体育会系にーちゃん達みたいなスポーツマンタイプなんだと勝手に思いこんじまってて、『真面目で頭もいい』優等生タイプなんて、俺のアタマんナカにゃあホンのちょっとも浮かばなかった。

『お調子者』の俺は年上のウケがよくって、ウチのバスケ部の先輩達や、通ってる空手道場のアンちゃん達とかには、それこそ『弟』のよーにいつもかわいがってもらってたからさ。

そのヒト達みたいな『頼りがいのあるアニキ』が俺にもいればいいなーって一人っ子の俺はいつも思ってたんだよ。

んで、4っつ年上のアニキができるって聞いてちょっと、いや、かなり期待してたんだけど...。

「カズキ」ってヤツは『頼りがいのあるアニキ』や『スポーツマン』ってのには、まったく見えない。

背は170の俺よかちょっと高いかな?ってくらいはあるけど...。


――ガタイは俺のが勝ってるよなぁ〜。なんてったって毎日鍛えてるし。コイツこれでホントに運動部なのかよ?カラダ細ぇーし。


でもさ。「人間ミタメで判断しちゃいけません!」ってモンだろ?

なんつっても初対面だし。

これから家族になって一緒に暮らすんだし、やっぱナカヨクなんなきゃダメじゃん?

だから親父に自己紹介しろって言われたのきっかけに、俺は気ぃ取りなおして、特上の『人懐っこい笑顔』なんてーのを浮かべてさ。

「アキヒロです!ヨロシク!」

なんつって自分から「カズキ」の手ぇ握ってギュっと握手した。

ナカヨクしたいんだっつーのわかってもらおーと思ってさ。

けど....。


――なんか固まってんですけど?コイツ。


「カズキ」は沈黙したまんま握手した手を見つめて固まっちまった。


――やばっ!俺ってば馴れ馴れしすぎた?


俺あわてて手ぇ離した。

潔癖症っつーのかな?カラダに触られたりするのがダメなヒトっているってゆーじゃん?

俺のまわりにゃそんなヤツいないから、なんてーのかよく知らないけど。

そーゆーのならイキナリ手なんか握られたりしたら退くよな?

「カズキ」なんて見るからに神経質そーなカンジだから、そーゆーヤツなのかもしんない。

手ぇ離してしばらく「カズキ」が自己紹介すんの待ってた。

んでも、「カズキ」はコーチョクしたまんま俺のコト凝視してて...。


――相当ヤだったんかな?気分悪くしたかも?


表情のねぇつくりモンみてーなカオからは怒ってんのかどーかわかんねぇけど一応あやまっといたほーがいいよな?

「いきなり握手なんてして気にさわったらすいませんでした!俺カズキさんに会うの楽しみにしてたもんですから。馴れ馴れしかったっスよね。」
 
って、ちゃんとアタマさげてあやまってみた。

みたけど...なんも言わねぇ。

「和樹?どうしたの?」

さすがに「リツコさん」が心配して声かけたら、やっと我にかえったみてーに

「立花和樹です。こちらこそよろしく。」

って、硬い表情のまんまだったけど、言ってくれたから、ちょっとほっとした。

それから俺達はホテルの最上階にあるレストラン(俺はこーゆー堅苦しいトコ苦手;)に移動した。

俺は気ぃつかって場の盛り上げ役に徹することにした。

やっぱ自分の失態を挽回したいしな。

なんせ『親睦を兼ねたお食事会』なんだ、ココで『親睦』を深めとかねーとな!なんつっても『お調子者』の俺だからオモシレ〜こと言ってヒトを笑わすのは得意だ。

「リツコさん」は運ばれてきた料理をおいしそーに食べながら(う〜ん俺ウマソーにメシ食うヒトって好きだな)俺が話すたんびに楽しそーに笑ってくれる。

んでも.....「カズキ」のほーはぜんぜん笑わねーの。

なんか暗いカオして料理にもあんま手ぇつけねぇ。


――似てねぇ親子だよなぁ〜。


目の前に座ってる二人見比べて思った。

ホント「カズキ」と「リツコさん」て、ぜんぜん似てねえ。

いや、顔とかじゃなくて、性格つーかフインキつーか、なんか違いすぎなんだ。

「リツコさん」は華々しい美人で、すっごく若々しいし魅力的なヒトだ。

実際まだ35だってゆーから親父より7つも若いんだけど、20代って言っても通用しそうなくらい若くみえる。

とても17の子持ちには見えないし「カズキ」のほーがわりと落ち着いてて大人っぽく見えるから、親子っつーより年の離れた姉弟ってカンジだ。

明るくて社交的で、ちょっと気の強そうなトコもあるけど『気の弱いメソメソした女』ってーのが俺は大キライだから、言いたいことハッキリゆー「リツコさん」みたいな人は好きだ。

明るくてきさくな「リツコさん」に何度か会ううち「こーゆーヒトなら一緒に暮らすの案外ラクかもなぁ〜。」なんて思ってたんだよ。

だからその息子の「カズキ」も「リツコさん」みたく明るくて親しみやすいタイプかと思ってた。

けど違ってた。「カズキ」はなんつーか根暗っぽくってとっつきにくいカンジ。

さすがに美人の「リツコさん」の息子だけあって端正なカオしてるし、顔のパーツだけ見るとソックリって言ってもイイくらい似てもいるんだけど、受けるイメージがずいぶん違う。

たとえるなら、「リツコさん」は春のあったか〜いお日様みてーなヒト。「カズキ」は凍えるくれぇ寒い冬の月みてー。

すげぇ冷たいカンジするのは銀縁のメガネのせいだろーか?

能面みてーなツラしてて、無表情で、なに考えてんだかぜんぜんわかんねぇ。

緊張してんのかもって思って、コッチからハナシ振っても、俯いてチラっと俺のコト見るだけで、「うん」とか「ああ」とかしか言わねぇし、ニコリともしねぇ.....。

正面から俺のほー見たのは最初の握手したときだけで、それからいっぺんもちゃんとコッチ向かねー。


――もしかして、ホントはこの再婚話に反対なのかな?


ふと、そんなふうに思った。

親父のハナシじゃあ「カズキくん」も祝福してくれて、「よろしくお願いします。」なんて笑顔で言ってくれた。

ってー聞いてたのに.....

やっぱ、母ちゃん取られるみてーでヤなのかな?

まぁ母ヒトリ子ヒトリでこんなキレーなカァちゃんじゃマザコンになってもオカシクないけど、ちっこいガキじゃあるまいし、そんな態度は良くねーと思うんだけどなぁ。

だいたい一度は賛成したクセに、こんな大事な顔合わせの日になってさー、ドタンバでそんな態度とるなんてズルくないか?

さっきの握手のときの態度といい、端から俺達のコト拒絶してるみてぇ。

なんかホント根暗なヤツがやりそーなコトだよなぁ。ジンカク疑っちゃうよ。

そりゃあさ「カズキ」の気持ちだってわからないでもない。親のケッコンで、 いきなり見ず知らずのニンゲンが家族になるんだから....。



俺だって最初この話聞いたときにゃー結構フクザツな気持ちした。

祝福してやろーなんて思わなかった。

だって母さんが死んでまだ二年もたってないってのに再婚なんて!ってキモチ大きかったよ。

夫婦仲も悪かったし。

「もしかして母さんが生きてる時から浮気してたのか?」

とか(それは誤解だ!って親父にコンコンと説明されて今は納得してるけど)

『家庭をカエリみない仕事人間』の親父が再婚なんかしてもウマくいきっこねーんじゃねぇ?とか色々考えた。

さらに再婚相手の「リツコさん」の職業が『クラブのママ』なんて聞いたときには「ぜってぇー親父ダマされてる!」って思ったし。

親父はマジメで堅物で面白みのないオトコで、とてもじゃないけどオンナに『気の利いたこと』なんて言ったり、やったりできると思えねぇし。

なんてーか『自分の会社にイノチかけてます』みたいな人間で。

仕事ばっかして、母さんにイヤミ言われてさ。

ナジられてもバカにされても悲しそうに「ゴメン」って言って怒りもしなけりゃ言いワケもできねぇナサケネーオトコだって思ってたし。

そんな親父に『クラブのママ』なんてヒトが惚れると思えなかったから。

一応シャチョーだしカネあるし、財産目当てかサイアク結婚詐欺かも?なんてチョー失礼なこと「リツコさん」に対して思ってたんだよ。


だけど、そのあとすぐに「リツコさん」に会ってそんな考えはふっ飛んだけどなー。


親父に紹介されて初めて会って、第一印象は「すっげー美人!」と「親父にはもったいねー」だった。

「あんたみてぇにキレーで色っぽいヒトなら、こんなコブつきのヤモメなんかじゃなくて、もっと若くてカッコイイヤツといくらでも結婚できんだろー?」

って思わずクチから出ちゃったくらい。

したら「リツコさん」は笑って

「ありがと。でもあなたのお父さんは素敵よ?とても一生懸命で、真面目で責任感が強くてとっても優しい人。とても尊敬してるの。」

って言ってくれた。

んでも俺は納得できなくて「やっぱ、カネ目当てか?」なんて思ってたんだけど。

「リツコさん」の親父に対する態度見て俺は考えを改めさせられたよ。

ガクゼンとしたね。親父のこと見る目が『スキスキーv大スキv』ってラブラブ光線発してたんだよ。

もうモロ『恋するオトメv』ってカンジでさ...。

あーこのヒトはすっげえ純粋に親父のこと好きなんだーって思って。

「俺が間違ってましたゴメンナサイ」って、心んナカで手を合わせてあやまった。

親父のほーも「リツコさん」のこと見て『トロけそー』な目ぇしてさ。

照れくさそーに微笑んだりなんかしてて、そんな親父の姿はじめてなんじゃねー?ってビックリした。

ホント見てるこっちがハズカシーくらいだった。


でも結婚となると話は別だ。

親父なんてホント仕事ばっかしてて家には寝に帰ってくるよーなモンだ。

『恋人』から『妻』になって「リツコさん」が母さんみたくならないって保障なんかどこにもない。

帰ってきても疲れたカオしかしないダンナのこと恨んで、愛されてんのかって疑心暗鬼になって...。

クソ真面目でつまんねー親父のコトなんてすぐにアイソ尽かすんじゃねーのか?なんて思いもあった。

んでも俺がそー言ったら「リツコさん」は

「お父さんがとても忙しいのはわかってるわ。私何度もデートすっぽかされたのよ?でもその度すごくすまなそうにゴメンって謝ってくれて。仕事を適当にして二つの事を器用にこなすなんて出来ないのね。そんな不器用な所も凄く好きなの。疲れて帰ってきた隆弘さんを愛してあげたい。」

って言ったんだ。

トドメに俺にむかって

「私達の気持ちだけで決めて結婚しても本当の意味で幸せにはなれないわ。晃弘くんに理解してもらって、祝福してもらいたい。そう思ってる。そうでなければ結婚できない。隆弘さんと私だけじゃなくて、みんなで家族になりたいの。」
 
なんて言われて、なんつーか俺ってばガラにもなくちょっとカンドーしちまった。

あーもー『イイオンナ』なんだよ「リツコさん」ってば!もう色々話しててさ。

親父を本当に愛してるってのがヒシヒシと伝わってきた。

俺なんかよりずっと親父のことわかってて。俺が見よーともしなかった親父のすっげえ深いトコまで「リツコさん」にはわかってくれてんのがさ、伝わってきたんだよ。

なのにさ、俺の理解と祝福がほしいって、そーでなければっケッコンできないって言ってくれたんだ。

なんだかんだ言っても大人同士なんだし親同士でケッコンするって決めちゃえば子供は従うしかないワケじゃん?養われてる身なんだし。

なのにそんなこと言ってくれて...。


――嬉しかった。


親父の再婚相手のこと『父親の奥さん』になるだけで俺とはカンケーねえって思ってた。

母さんが生きてた頃からウチは『崩壊した家庭』ってやつだったし、いまさら『新しい母親』と『家族ゴッコ』なんてする気ぃこれっぽちもなかった。

んでもそれは間違いなんだって「リツコさん」の言葉聞ぃてわかった。

これで反対すんのはホントの大バカヤローのワカラズヤだ。

こんなふーに愛してくれるヒトと出会える確立なんて、きっと『奇跡』みてーなもんだってガキの俺にもわかったから。

親父とも何年かぶりで真剣に話し合って、その日はなんかすげぇ素直に親父の言葉が理解できてさ。ああ、俺達ゴカイし合ってたんだなって。

長年のワダカマリってやつがキレーに溶けてった。

二人の幸せじゃなくって俺も含めて全部でシアワセになりたいんだって伝わったから。

心の底から祝福しようって思えたんだ。




なのにさ。

なのになのにだよ!?

この「カズキ」の態度ってばなんなワケさ!?

初の家族そろってゴタイメ〜ン♪って時にだよ?

暗っれぇーカオして俯いちゃってさ!

いまさら「ママァ〜」って甘えるトシでもないだろーに。

再婚に反対なら反対って言やぁーいいんだよ!!

そしたらちゃんと話し合ってさ。

したら絶対ぇわかるから。

この二人は一緒になるのが一番のシアワセなんだ!って。

おまえホントに俺より4つも年上か?母親のシアワセってヤツ考えてないのか?って問い詰めてやりてー!

俺はフインキ悪くすんのはすげぇヤだったからカオを必死に笑顔に保ってたけど、内心「カズキ」に対してすっげえムカついてた。

おしゃべりな俺がいつのまにか自然とムクチになっちまうくれー。

「おまえいったい何様だよ?お子様か?」「なに考えてんだ能面ヤロー」とか「カズキ」に対して言いたいコトはいっぱいあったけど心のナカでだけ罵声をあびせた。

もう俺のナカでの「カズキ」はネクラなマザコンのワカラズヤに決定!

なんで「リツコさん」みてーなアッカるくてステキなヒトから、こんなヤローが生まれたのかフシギでしょーがねー。

しばらくそんなコト考えながら「カズキ」のコト見てた。

俺がムクチになっちまったんで場はなんとなく静かになっちまってたけど、そんでもそんなにフインキ悪くはなってなかった。

そいで気づいたんだ。

いつのまにか「カズキ」が親父達とはフツーに会話してるコト。

最初、俺がウルセーくらい話しかけてた時にゃあ俯いてばっかだったけど、ちゃんと俯かずに相手のカオ見て、相づち打ったり自分からハナシ振ったりしてんだよ。

愛想イイとはいえない能面ヅラはあいかわらずだけど、親父に対する『敵愾心』みたいなモンはちょっともカンジられねぇ。


――なんだ?やっぱ緊張してただけで、再婚反対ってワケじゃねーのか?


「カズキさん」

ふたたび俺は『人懐っこい笑顔』で「カズキ」に話しかけた。

ヤなヤツって思ったのは早合点で、コイツってばただ人見知りなだけなのかもしんねぇって思ったから。

...でも。「カズキ」は俺が声かけた途端、ビクッっとカラダ強張らせて俯いちまって...。


――なんで?


それから俺はなんとかコミュニケーションとろーと、会話の続きそーなハナシ選んで「カズキ」に話しかけたり、笑いかけたりしてみたんだけど...。

やっぱ「カズキ」は俺が声かけるたんび硬直したみたいになって俯いてしまって、俺のコトは見てもくんねーし、ろくな答えも返ってこなかった。

俺は「カズキ」がヘンな態度とるのは親父に母ちゃんのコト取られんのがイヤで拗ねてんだと思ってた。

けど違うんだ。

「カズキ」がヘンな態度とるのは俺にだけなんだ。




『親睦を兼ねたお食事会』ってヤツが終わって。

「今日はご馳走様でした。ありがとうございました。」

なんて「カズキ」が親父に言ってるのを聞きながら俺は「カズキ」を凝視してた。

もう掛ける言葉もみつかんなくって俺はまたムクチになってた。

そんな俺の耳元で「リツコさん」が

「晃弘くんごめんなさいね。うちの和樹人見知りなのよ。晃弘くんとは初対面で緊張してたんだと思うの。だからあまり気にしないでね。ね?」
 
なんて言ってくれた言葉も、俺にはあまり信じられなかった。

「じゃあ」って別れの挨拶をして「リツコさん」と「カズキ」が連れ立って帰って行く。

俺は「カズキ」の後姿をずっと見つめてた。


――なんだよ。俺のコト見ないまんま帰っちゃうのかよ?
  なんだよオマエ...。なんだよ!なんなんだよ!?



――カズキ カズキ カズキ カズキ カズキ!!!!



「カズキ」が...まるで俺の心んナカの声が聞こえたかのように、ゆっくりとふり返って...まっすぐに俺を見た。

ものすごく強い視線。

すんげぇ強いモンが込められたよーな目が俺をみつめてる。

そんな目で見られたコトなんか初めてだった。

金縛りにあったみてーに動けなくなって、ヤケドしたみたいに熱かった。

「カズキ」の瞳に込められた感情。

なに?

怒り?憎しみ?

いやそんなモンより、もっとずっと強えーってぇ気ぃする。

だって、いままでそんなふーに俺を見たヤツはいなかった。

一度も体験したことない『ソレ』は俺にハンパじゃない『衝撃』をあたえてるのに、その正体がわからない。

フイっと「カズキ」は視線をそらし、そして何事もなかったよーに帰っていった。
すごく長い時間だったように思えたけど、実際はホンの一瞬だったのかもしんない。

大きく息を吐いて俺は全身の緊張を解いた。

なんだか呼吸も血の流れも心臓の動きさえ止まってた気がする。

吸い込んだ酸素と一緒に血液が体中を駆け巡ってる。

アタマんナカが沸騰したみてーになっててガンガンするし、全力疾走したあとみたいに心臓がすげー速さでドクドクいってる。


――ぶっ倒れそうだ。


なあ「カズキ」


おまえのあの目は一体なんなんだよ?













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