第3章:私がずっと思っていたこと(第1節)

初版2007年4月16日 著者:草加床ノ間


「食いタンあり・なし」って断幺に失礼じゃない?

 元来,麻雀の役には面前清(メンゼン)のときのみ有効若しくは食い下がりという概念は無かった。面前清自摸和は例外かな。

 平和だってメンゼンでなくても当然のように成立した。副露した平和のみの点数は散家で160点だった(※1)。

 そういう過程を知ってしまっている私は,麻雀ができたときから「断幺は面前清(メンゼン)のときのみが基本で,副露した断幺を認めるのは特例だよ」というような言い方や書き方がされていると,分かっていないなあと思ってしまう。

 その最たるものが「食いタンあり」である。断幺九という役に対して失礼だと思う。「食いタンあり」のほうが元来である。とりあえずビールと言われるビールのようなものだ。

 でも,どうして副露した断幺が認められなくなったのかを考えてみた。

 最も考えられるのが,副露した断幺で大きい役を蹴られたか,トップを取られて面白くなかった人がいたのだろう。

 副露した断幺はできやすいという迷信がある。調子のいい人がやるから,できやすく見えるだけの話である。

 試しにコンピュータ麻雀で,全局副露した断幺ばっかり狙ってみればできやすさが分かるはずだ。しかも,副露が多くなり手牌は中張牌だらけで,ガードが薄くなることも忘れてはいけない。


ルールはシンプルなほうがいいが,もちろんシンプルすぎても・・・

 第1章・第2章にて,要らぬ悶着を起こさないためにはルールをシンプルにせよと述べてきた。

 シンプルというのはあくまで特例を作らないということである。つまり,特例をたくさん作らなければ持たないようなルールは採用すべきではない。

 だが,それを全部否定するつもりは毛頭ない。

 話は変な方向へ行くが,私はイチゴを食べるときは,酸っぱくてもそのまま食べる。一番シンプルだ。

 これが,練乳や砂糖が必要になると,それらが無いときにトラブルになるし,さらにお気に入りの製品でなければならないとなればなおのことだ。

 また,へた(蔕)の部分をナイフで切られていなければならないなんて人がいれば,ナイフがあるかとか誰がその作業をするのかとか,問題がはらむ。

 もちろん練乳で食べるイチゴは,それはそれでおいしい。私が言いたいのは,練乳で食べたければ食べたい人が練乳をきちんと必要な量用意することである。

 つまり,例えば八連荘を採用したいとすれば,八連荘にまつわる悶着が無いように必要なルール定義を用意する必要がある。

 それを具体的に言えば,八連荘のときでもしばりにかなう必要がある,九連荘目も役満とする,散家のチョンボはノーカウントとする,連続和了が確認できない場合は認めない・・・である。

 ただ「八連荘を入れたい」だけを言うならば,練乳を用意せずに練乳でイチゴを食べたいのと同じである。


ぶっ飛びに関する考察

 私は野球が好きで昔はプロ野球や高校野球をよく観ていた。

 野球には先攻と後攻がある。私は昔から後攻のチームが有利ではないかと思っていた。

 その有利不利さは,相撲の三つ巴戦みたく数学的に示す(※2)ことはできないが,後攻のチームはいつも攻撃の前にはっきりと目標ができるのである。

 1回の表で1点取られれば,その1回の裏で1点取れば五分,また逆に1点も取られていなければ,その時点で五分以上確定。

 顕著なのが9回や延長の場合。後攻のチームは五分を越えた時点でゲームセットになる。いわゆるサヨナラ勝ちだ。

 先攻は先取点を奪取できる確率が高いが,逆に後攻に目標にされてしまう。

 これと同じように最終局の荘家,つまりラス親は有利でないかと思う。

 起家は突っ走るしかないが,最終局(オーラス)は沈んでいる競技者が順位を上げるために軽い手は和了しない場合が多い。しかも,あと何点でトップになるかという目標がはっきりしているのである。

 もちろん,それは将棋の先手後手の先手ように「ほのかな有利さ」である。

 囲碁では「互い先」というものがあり,先手である黒は後手である白に7目以上の差をつけなければ勝ちにならない。先手にハンディをつけて,お互い先手というような感じかな(※3)。

 かなり前置きが長くなったが,ラス親は有利さを軽減するのに「ぶっ飛び」が使えるのではと考えたことがある。

 「ぶっ飛び」があると,はっきりとした目標はなくなる。ただ副作用があって,箱点に近い競技者が2人できたときの状況は如何ともしがたい。

 また,同点トップの場合は起家に近いほうからトップの権利がつくというルールもある。


(※1)20(和底)×4(散家の倍数)×2(平和の1飜)=160である。当時は二ゾロ(バンバン)というものなどない。また,ピンヅモ複合がないなら(当時は当然ない)ツモった場合は?というのは愚問で当時は1飜しばりもない。つまり22×4=88点となる(切り上げて90点だったか)。この場合は,ツモのほうが安い。

(※2)相撲の三つ巴戦は最初に控えに回った力士が若干分が悪い。それぞれの力士の勝率は五分として,1戦目からの勝つ確率の総和を求めれば分かる。

(※3)将棋も後手には打ち歩詰めを認めるなどという検討がなされた・・・らしい。

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