2015/09/27
帝皇(ていおう)
- この國の君主。
- 行政権はなく、國の祭祀、神事、儀式を司る。
- 政治には一切介入しないが、公的行事の日程などは卜占によって決定される。
- 帝皇の天啓により、凶事が予言されると国の行事が中止されたり延期されたりすることもある。
- 皇祖神・高皇産霊尊の末裔とされ、國で最も霊格が高く、人間よりも神に近い霊的な存在として臣民から敬愛されている。
- 帝皇は君主であり、大神官であり、神の末裔であり、神の憑代である。
- 帝皇は國の神事のトップであり、大祓の儀によって國に淀むケガレを幽世に押し流す役割を担っている。
- 大祓の儀は年末に行われ、その時に國に溜まったケガレはまとめて幽世に押し流されて人々は新年を迎えるが、一年の間に色々あちこち綻びが生じたりしてそこからケガレや妖怪などが漏れてくる。
- 病気などは、その人に妖怪や穢れが取り付いたからだと考えられている一方で、ウィルスによるもの、というような医学的な事も理解されており、科学と神霊が矛盾なく融合している感じ。
- 母系継承なので帝皇の子供には帝位継承権がない。が、歴代の帝皇の中には我が子可愛さに制度を曲げようとしてきた者もいた。なので、帝皇には子供ができないことが望ましいとされ、同性婚が歓迎される風潮がある。
- 当代の帝皇のことを「聖上帝」という。
- 聖上帝とは「在位中の帝」という意味。
- 現在の在位者は奨樹(まさき)。
奨樹(まさき)
- 当代の帝皇。(聖上帝)
- 第172代帝皇。
- 59才。
- 性格は穏やかで明朗。いつも笑顔を絶やさない。思いやりにあふれた発言で国民に人気がある。
- ▲▲帝、のような正式名は謚なので、死後につけられる。
- 父帝は「藍瓊帝(あいけいてい)」、祖父帝は「鶯玳帝(おうたいてい)」てきとーに今つけた。後で変更するかも。
- 后妃は桂子(故人)。
- 実子は深月。
- 実は最愛の后妃が死んだ際に、心がぶっ壊れちゃっている。
- 幼い頃から皇太子として育てられ、本人もわがまま一つ言わず責務を全うしてきた。
- そんな彼が、祭祀で見かけた天瀬鹽神殿の斎宮に一目惚れをする。
- だが斎宮は未婚と決められている。しかも皇太子の責務を全うする彼は、その恋心を秘め続ける。
- ところが、斎宮にある病が発覚する。
- 普通に過ごしていればまず大丈夫だが、斎宮は意外と激務。霊力の酷使も病気の悪化に繋がる、ということで、退下することに。
- 過去、退下した斎宮が后妃に推挙された例があり、それを知った皇太子、生まれて初めて「斎宮を自分の嫁に」とわがままを言う。
- 母系継承ゆえに帝皇の子供には帝位継承権はないが、無用のトラブルを防ぐために帝皇には子供がいないことが望ましいとされる。なので、通常、帝皇は男性の配偶者を選んだり、婚姻はせず寵姫を外に囲ったりするのだが、初恋の人を自分の手元に置きたい皇太子は、なんとしてでも斎宮を后妃にしたいと主張する。
- ちょっともめたりもしたが、結局、皇太子のその執着ぶりが逆に功を奏し、それほどに愛しているのならば、病弱な后妃を孕ませたりもしなかろうということで、斎宮の輿入れがきまる。
- 皇太子の一方的な求婚だったため、斎宮の意思はないも同然で、斎宮にとっては好きでもなんでもない相手との結婚だったが、皇太子の熱意にほだされてだんだんとらぶらぶに。
- 次第に、后妃は聖上帝の子を産みたいと渇望するようになってくる。
- だが聖上帝にも世間にも、后妃が子供を産むことは望まれていない。
- 后妃自身の体も出産には耐えられそうにない。
- 聖上帝も、愛しい后妃の命を脅かす子供などいらないと考えている。
- どうしてもどうしても子供が欲しい后妃と、后妃がいれば別に子供は要らない聖上帝との間で齟齬が生じているが、本人達はそれに気がついていない。
- やがて后妃は、聖上帝をだますようにして懐妊。
- 初めて愛した人に裏切られて聖上帝ショック。
- だが、不義をしたわけではなく夫を愛するが故の所業ということで、そのショックにムリヤリ蓋をして后妃に寄り添う聖上帝。
- しかし、その宿った命が后妃の命を奪いかねないとなれば話は別。
- 帝皇は断固として后妃に中絶を迫るが、后妃は頑として拒む。子を殺せという夫に后妃は傷つき、夫婦の仲も怪しくなる。
- そして后妃は自らの命と引き換えに、深月を産み落とす。
- その瞬間、聖上帝壊れる。
- 子供なんか要らなかったのに、后妃を失いたくなかったのに、后妃は自分を裏切って子を産んで死んだ。
- 后妃だけは自分を判ってくれると思っていたのに、よりによってその后妃自身が、自分から永遠に后妃を奪い去った。
- その現実が受け入れられなくなり、聖上帝の精神は崩壊する。
- 以後、何があっても穏やかなにこにことした穏やかな笑顔を絶やさないようになる。
- 母である皇太后が死んでもにこにこ。
- 国民が鬼に襲われて命を落としてもにこにこ。
- このときはさすがに人前に出せないから、側近たちが演出したりしてフォロー。
- もう宮中では聖上帝がぶっ壊れたのは周知の事実だが、国民は知らないので、おつらいことがあってもみんなには笑顔を絶やさないお優しい帝さま。という認識で人気があったりする。
- 后妃が命を懸けて生んだ深月も乳母任せでまるで省みようとしない。
- 穏やかな笑顔の下で、壊れた聖上帝の心はどんどん暗黒化していく。亡くなった妻を愛するのと同じくらいの強さで亡くなった妻を呪い、妻を殺すことになった深月を呪い、帝皇という自分自身を呪い、國を呪い、神を呪う。
- 死んだ妻に会いたいと強く渇望しており、同じく死んだ妻に会いに行ったイサナキに強く呼応している。
- その一方で、たかが妻が腐っていたくらいで逃げ帰ったイサナキを忌んでもいる。
- 本来、神の血筋で霊格が高い帝皇の呪いなので、その力は強く、呪いの儀式もしていないしその感情を一切表に出していないにもかかわらず、幽世に強く干渉してしまっていて、幽世の悪鬼たちに力を与えている。
- 聖上帝自身は、心を閉ざしてしまっているので、自分が深月に呪いを与えていることに気がついていない。それを言上する臣下もいない。
- 聖上帝の無意識の呪いに、まだ乳児だった深月がもろに感応してしまい、命も危うくなったので、祖父でもある神祇伯の尽力により、深月は那岐として王蔵山中の王蔵山神殿の奥の殿に身柄を移されることになる。
- その報告を受けたときも、帝皇は「そう。よきように。」と言って微笑んでいた。無関心。
- 実は陵墓から后妃の遺骨を持ち出して手元に置いている。
- 奥の殿にやった嫡子のことなどすっかり忘れ去っていたが、深月が神機搭乗者と判明した際、深月と初めて顔を合わせ、深月が后妃に生き写しであることに驚愕する。
- その後は深月を手元に置くよう奔走するが、深月を那岐の位からも神機搭乗者からも降ろすことができず、事ここに至ってやっと、后妃が命と引き換えにこの世に送り出した大切な命を、他でもない自分が殺そうとしているのだということに気づき、更に壊れていく。
后妃桂子(こうひかつらこ)
- 故人。
- 聖上帝の后妃。
- 神祇伯を世襲する姫川伯家の出身。→神祇伯
- 元・天瀬鹽神殿の斎宮。
- 深月の母親。
- 優れた霊力の持ち主で、体があまり強くなく、深月を産むと同時に死去。
- その霊能力で、生まれた我が子が贄に選ばれることも、自分の死がきっかけで百鬼夜行が起きるだろう事も予知してはいたが、愛する人の子が生みたいという欲求を抑えられず、深月を出産した。
- 本名及び旧名、姫川桂(ひめかわかつら)。
- 追号は未設定
- 有明
- 朏
- 朧月
- 弓
- 弦
- カグヤ
- 嫦娥
- 月宮黄華素曜元精聖後太陰元君
- テイア
- セレネ
- 変若水
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