GRAYxCLAUDIA IV


「んっ… く…っ… ふ… 」

甘い、悩ましい声が、噛み締めた唇の間から、吐息と共に漏れる。

声を出すまい、と必死に堪えているようではあったが、ぐいっと腰を進めてやると、その声は一段と甘くなる。

「あう… ん…っ…」

そのいじらしい様子がたまらなくグレイの情欲をそそる。

ろくに愛撫もしないで挿入する、一方的な行為なのに、クローディアの体は、少しずつではあったが、確実にグレイに慣らされつつあった。

挿れようと性急に秘裂を探ると、その体は、侵入を拒むかのようにぴたりと閉じているのに、硬く大きくなったモノで、2度3度と秘裂を撫でていると、先端からぬるぬるとしてくるのが分かる。

相手の愛液なのか、自分の先走りなのかはわからなかったが、ぬめりに任せて挿入すると、中はしっとりと潤っている。

それから、奥の深いところを、えぐるように突き上げると、クローディアはかすかに悲鳴をあげてのけぞる。

しかしそれとは裏腹に、奥からは蜜があふれ出してくるのだ。

「ん… あ… いやあ…… 」

クローディアが、弱々しく顔を振る。

体は明らかに喜んでいるのに、クローディアはうわごとのように「いや」を繰り返す。

「何が、いや、だ。お前のココは嫌がってなんかいねぇよ。」

思い切り、根元まで突き立てる。

「ひあっ…!」

クローディアの体が再び反り返る。

「嫌いな男に犯されてるのに感じてるのか? はっ! 淫乱が!」

その瞬間、クローディアの体が強張った。

目を見開き、グレイを凝視する。

一瞬の、沈黙。

「嫌いな男……じゃない………」

小さな声で、クローディアがつぶやいた。

目に、いっぱいの涙をためて。

「嫌いな男じゃ…ない・よ…」

もういちど、今度ははっきりとした声で繰り返す。

「ずっと…………好きだったもの……………」

瞳から、真珠のような涙が零れ落ちた。

「ク…ローディア…?」

思いもかけない告白に、グレイはうろたえていた。

クローディアにねじ込んだ剛直が、急速に萎えていく。

クローディアは、グレイの体の下で、滂沱の涙を拭おうともせずにしゃくりあげている。

グレイは、ただ呆然と、クローディアを見つめるばかりだった。

 

* * *

 

幼い頃から、友達といえば、熊のブラウと狼のシルベン、そして迷いの森の動物達ばかりだったクローディアに、オウルは、教育として、本を与えていた。

森の神シリルを崇拝する教団の大司教であるオウルの小屋には、本だけはあふれんばかりにあった。

子供が読むようなおとぎ話に始まって、マルディアスの神々の伝承、シリルの教義、およそ子供が読むには難しい本の類まで、あらゆる本が、クローディアの子守唄だった。

その中でも特にクローディアのお気に入りは、やはり、“銀のミルザ”の英雄譚だった。

 

まだ人間が、この世に生まれて間もないころ

悪しき三柱の兄弟神がおりました

長兄のデス

弟のサルーイン

末妹のシェラハ

彼らは、恐ろしいモンスター達を率いて

神々の王エロールと人間達に戦いを挑みました

激しい戦いでした

デスとシェラハはエロールと神々の力に屈し最後には降参しました

しかし、サルーインだけは戦いをやめませんでした

エロールは、サルーインを封じ込めるため10種の力の宝石を作り

人間達の選んだ一人の英雄に与えました

その戦士ミルザは見事に役目を果たし、サルーインを封じました

彼も命を失いましたがその名前と宝石の物語は

伝説として世に残りました

 

他のマルディアスの子供たちとなんら変わりなく、クローディアもまた、ミルザの英雄譚に心躍らせ、思いをはせて育った。

成長と共に、それは淡い初恋のようにもなっていった。

銀色の光り輝く鎧を身にまとった、銀の戦士ミルザ。

それは、普通なら、少女らしい淡い恋心で終わるはずのものだった。

あの日、グレイに出会うまでは。

メルビルのパブに入ってきたその人を見た時、クローディアは、瞬く間に目を奪われ、声も出せなかった。

いかにも冒険者といった風情のその男は、風を纏いながら現れた。

優しげな顔立ちなのに、どこか鋭利な刃物のような印象があった。

灰色の髪の毛が、日の光に透けて、きらきらと銀色に輝いていた。

銀…色…。

そこに、クローディアは、まさに初恋の姿を見たのだ。

────ミルザ……!

その一瞬で、クローディアは恋に落ちていた。

それはクローディアにとって本当の意味での初恋だった。

恋焦がれても、クローディアは、自分の心を相手に伝える術を知らない。

生まれてから、極端に世間から隔絶されて育てられてきたクローディアは、22歳にもなろうというのに、自分の感情を稚拙な表現でしか自覚できなかった。

動物たちであれば、その目を見ただけで何を考えているのかすぐに分かるのに、人間相手では、何もわからない。

何も分からない事にクローディアは恐怖し、萎縮していた。

更にクローディアを怯えさせたのは、誰でもない、己自身の感情だった。

グレイへの想い。

グレイがガイドをやめると言って去ってしまったらどうしよう。

意識するあまり、幾度となくバトルで助けてもらっても、クローディアは満足に礼も言えない。

クローディアは、モンスターよりも、サルーインよりも、自分自身の感情の方が怖かった。

けれど時が経つにつれ、振り向けば必ずグレイが居る、という日々に、クローディアは少しずつグレイに打ち解けるようになっていた。

何を言っても、何をしても、グレイは必ず受け止めてくれる。

そんな安心感から、クローディアは、ゆっくりとではあったが、自分の気持ちを受け止められるようになっていた。

更に、常に一緒に居る毎日には、グレイの心の中を垣間見る瞬間もあった。

グレイが何を思っているのか、どう考えているのか、少しずつ少しずつ、クローディアは察する事ができるようになっていた。

それはクローディアに喜びをもたらしていた。

もっとグレイを知りたい。もっとグレイを分かりたい…。

日々の戦いの中で、クローディアは、グレイと心が通じ合ってる、と、思った瞬間さえあったのだ。

しかし……………

グレイに陵辱されたあの日。

あの瞬間に、全ては壊れた。

犯し、貫かれた瞬間、クローディアには、グレイの心が全く見えなかった。

必死で目を凝らし、グレイの瞳の中に、その心を見つけようとした。

けれど、何一つ見つけることは出来なかった。

覆い被さってくる男は、クローディアの知ってるグレイではなかった。

クローディアの心が、恐怖で塗りつぶされた。

しかしそれでも、クローディアは、以前と少しも変わらずにグレイを愛していた。

絶望的なほど一途に愛していた。

形はどうであれ、愛しい人の腕の中にいる喜びが、苦痛に勝っていた。

だから、クローディアは、グレイから受ける全てを享受していた。

涙を流し、唇をかみ締め、苦痛に耐え、屈辱に震えながら、それでもクローディアは、グレイと居ることを望んでいたのだった。

 

* * *

 

まるで幼子のようにしゃくりあげるクローディアを、グレイは呆然と見つめていた。

好き………

赤い唇からこぼれ落ちたその言葉が、グレイの心の中に甘い痺れとなってじんわりと満ちていく。

「バ…カ、か、お前…」

しゃがれた、うわずった声しか出なかった。

「こんな…事した…俺を… 好きだって言うのか…?」

信じられなかった。

もう一度だ、もう一度言え。その唇で、俺を好きだと言え………!

クローディアが顔をあげた。

濡れた瞳が、グレイをじっと見つめる。

人の心の奥まで見通すような、透き通ったヘイゼルの瞳。

きらきらと、零れ落ちる涙。

その唇が、ゆっくりと開く。

「好き………………」

潤んだ声が、想いを告げる。

次の瞬間、グレイはクローディアの体を力いっぱい抱きしめていた。

そうして、こんな風に抱き合う事が初めてだったことに気づく。

「お前は、バカだ…」

バカなのは俺だ………

くだらない感情に左右されて、かけがえのないものを傷つけて…………

ただ、こうやって、抱きしめればいいだけだったのに……。

「……グレイ………大好き……………」

グレイの背に、クローディアの手が回される。

「クローディア………………………!」

熱いものがグレイの心に満ちる。

クローディアの瞳が、グレイの瞳を覗き込む。

そのままゆっくりと、グレイの唇に、自分の唇を重ねる。

強く吸い返したい衝動を抑え、グレイは、優しく、慈しむように、クローディアにくちづけた。

「んん………っ…」

体の芯まで溶けてしまいそうな、濃厚な、キス。

めまいがしそうだった。

自制心など、とてももたない。

クローディアの首筋に、舌を這わす。

「あ…んっ…」

苦痛の声ではない、甘い、声。

その声だけで、グレイの心に電流が走った。

その声がもっと聞きたい…………

グレイの手が、クローディアの豊かな乳房に触れる。

クローディアの体がびくっと震えた。

グレイは、クローディアを怯えさせないように、優しく、柔らかな乳房を揉む。

「んっ……」

クローディアの息が弾む。

グレイの両手が、クローディアの両の乳房をすくい上げ、優しく、けれど執拗に揉み続ける。

クローディアは、指を噛んで、声を殺している。

グレイの両手が、クローディアの乳房を駆け上がり、両の乳首をつまみ上げる。

「はぅん…っ…」

たまらずにクローディアが声をあげた。

くりくりと、グレイの指が、クローディアの乳首をつまみ、しごき上げる。

「あっ・・あ… や…ああんっ…」

薄桃色の小さな乳首が、グレイの指に弄ばれ、たちまち、硬く、しこってくる。

乳房を真ん中に寄せ、乳首を左右いっぺんに口に含む。

「ひあああああんっ」

クローディアの体が反り返る。

乳首を吸い、転がし、甘噛みして、存分に味わう。

「ああっ…あっ…はぅ…ふぁ…んんん…」

クローディアの喘ぎは、もはや間断なく続いていた。

ぞくぞくするような、甘い淫靡な声。

クローディアの腰がくねる。

すぐにでも己の硬く反り返ったモノをクローディアの中に沈めたい衝動を、グレイはかろうじて抑えていた。

一方、クローディアは、襲いくる快感と必死で戦っていた。

こんな風に乳首をなぶられるのは、初めてだった。

乳首を包む、ねっとりとしたグレイの舌の感触が、クローディアをそれまで知らなかった快感へと導く。

たまらない快感が、クローディアの背筋を、ぞくぞくと駆け抜けた。

自分がはしたない嬌声を上げているのはわかっていたが、とめられなかった。

頭がどうにかなってしまいそうだった。

なに…? なにか… くる… ?

体の奥底で、何かが生まれるような、感覚。

何かが目覚めるような。

それが絶頂だと、クローディアが知るはずもない。

けれど、本能的な恐怖が、クローディアの心に湧いた。

だめぇ…このままされてたら… あたし… 壊れちゃう…

もうだめ、と思った瞬間、グレイが、乳首から口を離した。

はあっ…と、息をつく。

安堵と、何か物足りない、掻痒感…。

これはいったい、なに…?

戸惑う間もなく、グレイの舌が、わき腹をなぞった。

「ひぁんっ」

そのくすぐったさに、クローディアの体がはねる。

だけど、くすぐったいだけじゃないのはどうしてなんだろう…

触れられた部分が、熱い…

その熱が、クローディアを更に高みへと追い上げる。

グレイが、クローディアの足を広げた。

挿入されるのか、と一瞬、身を強張らせたが、そうではなかった。

クローディアの股間に、グレイが顔をうずめていた。

「あっ…!? や…やだ、やめて、グレイっ…!」

その恥ずかしさといったら、初めて秘裂を見られた時の比ではなかった。

グレイが…グレイが…あたしの…あたしの…

「やめて、やめてっ… いやぁ…だめ、だめ…」

グレイが、秘裂をぞろり、と舐め上げる。

「はぁぁぁぁんッ」

クローディアの体から、力が抜けた。

ぴちゃ…くちゅ…ぬちゅっ……

わざと淫猥な音を立てて、グレイが秘裂を舐める。

「あ… あふ… やっ… いや… やぁ…んっ… だめ…ぇ…」

クローディアが羞恥に身をよじる様は、グレイの情欲を限界ぎりぎりまでそそった。

クローディアの秘裂は、蜜があふれだし、とろとろにとろけていた。

こんなにも、感じやすい体だったのか…

グレイの舌が、秘裂の上の、ぷっくりと顔を覗かせた真珠にたどりつく。

「あ あ…あっ」

クローディアが身をよじる。

そこはもう、切ないほど硬くなり、濡れて、つやつやに光っていた。

舌を硬く尖らせて、ぴちぴちと真珠をなぶる。

「あぅん… あっ… ああっ… やぁんっ…」

くねくねと、クローディアの腰が淫靡な舞を見せる。

クローディアの体の奥底で、また、何かが目覚めるような感じがあった。

乳首を舐られていたときよりもずっと強い。

なにかくる…なにかくる なにかくる なにかくる…くるくるくる……

「いやあっだめぇっ」

不意にクローディアが激しく抗い、グレイは驚いて顔を上げた。

「クローディア?」

「だめだめ…やめて…」

泣きそうな声を上げている。

「どうした?」

グレイの優しい問いにも、クローディアは頭を振ってイヤイヤをしている。

「なにかくる…こわれちゃう……」

どうにかなってしまいそうな自分が怖かった。

しかしグレイは、クローディアの答えに、顔がほころぶのを禁じえなかった。

“なにかくる”って?

グレイの指が、クローディアの内腿にするりと入る。

「あっ…!」

グレイの指が、再びクローディアの肉芽を探り当てる。

「そこ…いやあぁ…… 」

「嫌じゃないだろう…? いいんだろう…?」

クローディアの耳に唇をつけ、低く、優しく、ささやく。

それだけでクローディアの体は、ぴくっと震えた。

「だめ、なの…こわれちゃう……」

かすかにろれつが回らなくなっている。

「壊れないよ…」

グレイの指が、秘裂をなぞり、蜜をすくい上げて、肉芽をぬるぬると擦り上げる。

クローディアの息が、荒くなりだす。

「あ、あっ…はん……あふっ… こわれちゃうよぉ……」

喘ぎながら、泣きそうな声を上げるクローディア。

「壊れちゃってもいいよ…。」

その囁きが、クローディアには極上の甘美な誘いに聞こえた。

「んっ…… こ、こわれちゃっても、い…いの……?」

「いいよ。壊れたところ、見せて。お前の壊れたところが見たい……」

言いながら、グレイは、クローディアの乳首に舌を這わせた。

「はうっ…!」

乳首と肉芽を同時に責められ、思わずクローディアの腰が浮く。

誘うように、淫らに腰がくねる。

肉芽を弄るグレイの指の動きが、早くなる。

包皮を剥き、敏感な突起を摘んでは捏ねる。

指の腹で強く揉み潰す。

爪で軽く弾く。

同時に、乳房をこねくりながら、乳首を乳輪ごと咥え、赤ん坊がやるように強く吸いたてる。

咥えたまま引っ張り上げ、ぷるんっと離す。

乳首を歯で優しく引っかく。

歯を立てて強く吸いたてる。

舌で乳首を舐め回す…。

そのたびに、クローディアの肢体は快感に震え、のけぞり、うねった。

「あ、いや、いや…いや…だめ……はうぅ…なにか…くる、よ……、きちゃう…… こわれちゃう……」

体の奥で生まれた甘い痺れが、腰のあたりを抜け、背筋をぞくぞくと撫ぜながら、どんどん上に這い上がってくる。

も…う…もう…だめ………!

「だめぇぇ……っ…!」

クローディアの脳天で、超新星が爆発した。

ぱぁんっ、とクローディアの意識がはじけ、飛散する。

ばらばらになった意識が、白い白い光の中をふわふわと漂う。

体か浮いているような、墜落しているような、変な感じ…。

「……ィア、クローディア…」

優しく呼びかける声。

クローディアの好きな、低く、甘い、ハスキーな…。

「グ…レイ…」

「クローディア…」

愛しい人の顔が、すぐ目の前にある。

ばらばらになった意識が、少しずつ、戻ってくる。

「おっぱいとココだけでイッちゃうなんて、いやらしいね、クローディアは。」

グレイが囁いた。

いつもクローディアを「淫乱」となじる時の、あの、軽蔑のこもった声音ではなく、心底いとおしいというような、優しい、甘い囁き。

かぁっとクローディアの顔が朱に染まる。

自分の痴態を思い出して、顔から火が出そうだった。

「やだ… 見ないで…」

恥ずかしさのあまり、ベッドに突っ伏して顔を隠すクローディア。

そんなクローディアの様子を存分に堪能したグレイだったが、しかし、彼ももう限界だった。

グレイの自身は、痛いほどに反り返り、先走りの液が、てらてらと光っている。

待たされた分、いつもより硬く大きくなっていた。

顔を隠したクローディアの手を優しく解き、こちらを向かせる。

甘い、キス。

クローディアを怯えさせないように、細心の注意を払いながら、そうっとクローディアの足を開き、自分の体を割り入れる。

その途端、今まで快感に喘いでいた事が全て嘘だったかのように、クローディアが、びくっと体を強張らせた。

グレイが刻んだ、クローディアの心の傷。

何度も体を重ねてきたせいで、もうだいぶ、クローディアは挿入時の苦痛を感じなくなっているはずだったが、いつも必ず、グレイが挿入しようとすると、その体は怯え、硬直した。

それほど、破瓜の時の激痛の記憶は、クローディアの体に刻み込まれていた。

初めて、グレイは自分のした事を後悔した。

今まで一度も感じなかった慚愧の念が、グレイを激しく責めたてた。

硬く握り締めたクローディアの拳を、手のひらで優しく包む。

かみ締めた唇に、優しく口付ける。

「クローディア…力を抜いて…」

耳にキスしながら囁く。

「俺を見て…」

その静かな声に、クローディアがぎゅっと閉じていた目を、おそるおそる、といった風に開ける。

「痛くしないから…クローディア…」

子供をあやすようにグレイが言う。

クローディアが、大きく息をつき、体の強張りを解いた。

「……きて……グレイ……」

クローディアの声に促され、グレイが、ゆっくりとクローディアの中に入ってきた。

「ああああっぁぁあぁあぁっ……!!」

蜜をあふれさせていた秘裂が、ぬるりと、グレイのモノを迎え入れた。

いつもの苦痛なほど狭すぎる秘裂は、その濡れ滴る熱い蜜のせいで、グレイをたちまち快感の極みへと押し上げた。

「…ク…ローディア…っ…、そんなに締めるな…!」

締めるな、と言われても、クローディアは何をどうしていいかわからない。

ただ夢中でグレイにしがみついている。

グレイが入ってきただけで、クローディアは軽い絶頂に達していた。

びくびくとクローディアの中が震え、グレイを締め付ける。

「く…ぅ…っ…」

グレイは、危うく達してしまいそうになる自分と必死で戦いながら、腰を動かしはじめた。

ゆっくりと引き抜くと、クローディアの中は、名残惜しそうに絡み付いてくる。

先端近くまで引き抜き、今度はずぶずぶと中へ押し込む。

「あっ… ああぁあ… くふぅん…」

クローディアの中は嬉しそうにきゅうきゅうと締め付けてくる。

グレイの背筋に、ぞくぞくと喜悦が走る。

奥の奥まで探り、小刻みに突いてやると、クローディアが喘ぎ、腰を浮かせる。

無意識のうちにグレイの腰に足を絡めてくる。

もはやグレイは限界だった。

そうでなくとも、必死に我慢していたのだ。

クローディアの奥を突いていた、小刻みなストロークがだんだんと大きくなる。

「ひあっ… ああんっ… はう…っ あっ あっ ああっ!」

一突きごとに、クローディアが嬌声を上げて身悶える。

白いシーツの上を、クローディアの柔らかにウェーブのかかった茶の髪が、生き物のようにうねる。

「クロー…ディア…っ…」

腰の動きが速くなる。

「ああっ あぁッ んぁッ ぁあッ はあッ」

クローディアの顔に、苦痛の色はない。

せつなげに眉を寄せてはいるが、その目は焦点が合わず、恍惚としている。

上気する頬、半開きの唇、薄く染まる白い肌…

「グレイ… あぁぁぁああああっ…!!」

クローディアの喘ぎがひときわ高くなった瞬間、

「クローディアぁッ…!」

グレイはクローディアの中に、熱い己の思いのたけを一気に放出していた。


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