『かさぶた。』
【7】
グランドラインを行く我らがゴーイングメリー号。
ぽかぽかと穏やかな陽気の中、甲板で、金髪のコックさんが緑髪の剣士を押し倒して、シャツを首までめくり上げて、嬉々としてかさぶたを剥がしていた。
とても楽しそうに。とても幸せそうに。
かさぶたを剥がされている剣士の方も、気色悪いほど幸せそうな顔で、されるがまま、うたた寝をしている。
実にむさくるしく微笑ましい、どこから見てもラブラブなホモバカップルを乗せて、船は一路、アラバスタを目指している。
END
初出/同人誌「Talk to Me」ゲスト原稿
発行/Mong-Hai様・2004/6/22