この小説は、DEAR JUNKさんで開催されていたIMAGE WORK Ver.'05に投稿したものです。

幕末ものですが、新撰組は一切出てきません。(それらしいのは出てこなくもないですが)
史実も一切ありません。安政の大獄と桜田門外の変と赤穂浪士の討ち入りを混ぜて都合よく捏造しています。

なので、熱心な幕末ファンの方はご覧にならない方がいいと思います。

また、ゼフに、ミホークと井伊直弼と吉良上野介が混ざっています。
しかもゼフがゾロに殺されています。

ゼフ死にのダメな方もご覧にならない方がいいと思います。

 

 

 

大丈夫な方のみ、下スクロール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────この頃、都には夜な夜な白き鬼が出て人を斬る…

 

 

 

 

 

■ 人斬り ■

 

 

 

【 壱 】

 

 

しんしんと降りしきる雪の上。

ぽつりぽつりと紅い花が咲いていく。

 

それは男の歩に合わせて、点々と、長く続いている。

男は夜の古都を、ただ澹然と歩いていく。

その手に小さな風呂敷包み。

目も眩むような紅は、その包みから零れていた。

一滴、また一滴、と、紅い紅い雫が、真っ白な雪の上に滴り落ちていく。

その緑の髪に蒼白の雪が降り積もるのを払おうともせず、男は(くるわ)の大門を通り抜ける。

二振りもの太刀を帯刀した男の姿に、さては今をときめく勤皇の志士かと色めく(あで)やかな遊女達が、すぐに、男が手にした包みとそこから滴り落ちるものの正体に気づき、小さな悲鳴を上げて物陰に隠れる。

男は、それを視界の端に入れつつも、まるで意に介する様子もなく通り過ぎると、一軒の揚屋の暖簾をくぐった。

応対に出てきた番頭が、男が手にしたものを見て、ぎゃっと叫んで腰を抜かす。

男がたたきに足をかけると、我に返ったように番頭は、「いけません、お侍様。」と、男をとどめようとする。

それを鬱陶しげに片手でいなして、男は廊下に足を踏み入れた。

案内など請わずとも、目指す部屋はすぐにわかる。

ひときわ賑やかで、騒々しい部屋。

男は迷わずその襖を開けた。

突然の闖入者に、饗宴は一瞬静まり返る。

遊女達が小さく悲鳴を上げ、室内にいた男達は一斉に気色ばむ。

それを制したのは、その剣呑とした空気にそぐわないほどの、のんびりとした声だった。

「無粋だねェ、三刀流。酒の席に帯刀で来るなんざ。」

上座であぐらをかいた赤い髪をした隻腕の男が、酒を呷りながらにやにやとこちらを見ている。

三刀流、と呼ばれた男の腰には、けれど今、二振りしか帯びていない。

「お前さん、もう一刀はどうした?」

揶揄うような、そのくせ真摯なような、底の知れない目で問いかけられても、男は表情ひとつ変えない。

そして黙ったまま、無造作に、手に持った風呂敷包みを座の中央に放り投げた。

どさ、と湿った音を立てて風呂敷包みの中から転げ出たのは、────人間の生首。

男達は皆一様に息を呑み、遊女達は今度こそ全員が金切り声で悲鳴を上げた。

その中で、平然と酒を呷る、赤い髪の男。

視線だけは検分するように生首を眺めて、それから赤髪はいきなり笑い出した。

しぃんと静まり返る中、赤髪だけがおかしくて仕方がないかのように笑い転げる。

さすがに傍に控えていた束ね髪の男が、たしなめたものか、何言か赤髪に耳打ちする。

「あァ…いや、すまねェ。」

まだ、くっくっと笑いの余韻を残しながら、赤髪が言う。

「俺の兵隊が束になって一年かかっても討てなかった男を、こいつ一人が三日で首を落としてきたかと思ったらおかしくてたまらなくなった。」

そしてその目が、三刀流の男を見る。

「さすが…、“人斬りゾロ”の名は伊達じゃあねェな。」

赤髪の口からその名が紡がれたとたん、遊女達の間に、静かな動揺が走った。

狼藉に怯えていた瞳が、瞬く間に熱を含み、うっとりと、人斬りと呼ばれた男に見惚れる。

遊女達の変化を見て、赤髪がまた小さく笑う。

「おーおー。モテモテだねェ。(ここ)でもロロノア・ゾロの名ひとつで抱かれたがる遊女(おんな)はごまんといると見える。」

「戯言はいい。────報酬を。」

ゾロは一顧だにもせずに吐き捨てる。

赤髪が傍らの束ね髪の男に目で指図した。

束ね髪の男は懐から布に包まれたものを取り出すと、それをゾロに渡す。

ゾロはそれを確かめもせずに懐に入れる。

(あらた)めなくていいのかい?」

「…“赤髪”が約束を(たが)えたなど聞いたことがないからな。」

「そいつァ、俺も高く買われたもんだ。」

そう言って赤髪はまた楽しそうに笑った。

「一杯やっていくかい?三刀流。」

気まぐれにかけられた言葉に、

「いや。」

と、ゾロが短く答える。

そのまま踵を返そうとするゾロに、赤髪が声をかけた。

「宿を取るなら郭から出ねェ方がいい。近頃この都は、夜になると鬼が出るからな。」

その奇異な言葉に、ゾロがふと足を止める。

「…鬼?」

振り返らず聞き返す。

「美しく白き鬼だ。その姿を見た者は一人残らず斬り殺されている。」

「一人残らず斬られてるのに何故“美しく白い”とわかる?」

「女は斬られない。夜鷹達が見ている。」

「ならば捕まえられもしよう?」

「…あいにくと、夜鷹の証言はふわふわと皆浮ついていて要領を得ん。わかっているのは、姿が美しく雪の化身と見紛うほどに白い事。出会った者は全て斬り殺され、太刀を奪われている事。太刀筋が鋭く鮮やかで、殺られた奴ァ恐らく一瞬で絶命している事。…そうまるで…、お前さんの太刀筋のようにな。」

気がつけば赤髪の目は、まっすぐにゾロを見据えていた。

そこに先刻まで笑いの陰など露ほども見えない。

ぴり、と肌に刺さるほど鋭い眼光に、ゾロは赤髪を振り返った。

「何が言いたい。」

その瞳を正面から受け止める。

束の間、視線がぶつかり合い、不意に赤髪が柔らかく破顔してそれを霧散させた。

「何も言ってやせんよ。」

なんでもないことのように言う。

「お前さんなら姿を見られてるのに女を生かしておくなんて真似はしないだろうし、お前さんがこの都に来たのは今日だ。ついでに言えば、お前さんを見て“鬼”と思う者はあっても“美しく白き”と思う者はいねぇだろうしな。」

最後の方はほとんど独り言のように呟いた赤髪に、ゾロは今度こそ背を向けて部屋から出ていった。

 

廊下を戻るゾロの背に、すぐにまた、先刻と変わらぬ饗宴の声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

□ □ □

 

揚屋を出たゾロは、雪の中を当てもなく歩き始めた。

都に着いたばかりのゾロには、もとより馴染みの店も馴染みの女もいようはずはない。

なるべく安く酒が呑めそうなところを探して適当に歩く。

そうこうしているうちに、ゾロは何の弾みか、(くるわ)の外に出てしまっていた。

暫くゾロはその事に気づかなかった。

辺りに見世の一つもなくなり、静寂が満ちて、ゾロはようやく自分が(くるわ)の外にいる事を悟ったのだ。

鬼とやらが怖いのか、都はひっそりと静まり返っていて、郭に入る前には見かけていた夜鷹達の姿も、今時分にはもう疾うになくなっている。

しんしんと、ただ雪だけが降りしきる。

どうしたものかと思案しているゾロの耳に、不意に、かた、と太刀の鍔鳴りの音が微かに聞こえた。聞こえたような気がした。

瞬時に振り向くと、一人の女が立っている。

「もし、お侍様…。」

か細い声。

目深に被った手ぬぐいの端を咥えて、薄汚い筵を片手にしなを作って佇む風情は、どう見ても客引きの夜鷹だ。

鍔鳴りは気のせいか?

…いや、この夜鷹には妙な違和感がある。

そもそも、寸前まで気配一つ感じられなかったのだ。

さてはこれが(くだん)の“鬼”とやらか、とゾロが腰の刀に手を添える。

「この先は鬼の出る橋。斬り殺されたくなければ行ってはなりません…。」

それよりもどうぞこちらへ…、と、しなやかに招くその手は、驚くほど白い。

「それで俺がのうのうとついていったら、俺を斬るつもりか?」

言うなり、ゾロが滑るように踏み込んだ。

闇に銀の光が閃き、ゾロの体が、あっという間に夜鷹との間合いを詰め、その首に太刀の刃を押し付ける。

はらり、と、夜鷹の頭から被った手ぬぐいが落ちた。

 

瞬間、ゾロが目を見張る。

 

まるで月の光のような輝く金色の髪。

舞い落ちる雪を欺くほど白い、透き通るような肌。

けれどその顔立ちは、ゾロがよく見る異人のように掘りが深くはなく、小作りで美しい。

 

「美しく白き鬼…か。なるほど。」

 

鬼と言うよりは男を誑かす妖かしではないのか、と思いながらそう呟くと、目の前の白い貌に怯えが走った。

「お侍様…私はただの夜の者でございます…。どうかご無体は…。」

 

「作り声はやめろ。─────てめぇ、男だろうが。」

 

ゾロがそう言った途端、夜鷹はビクッと体を震わせ、…それから、ふっとその体から力を抜いた。

「…………何だ、気がついてたのかよ。」

がらりと変わった口調と声音。

そして見上げてくるその瞳は、先ほどまでの楚々とした風情など微塵もなく、ふてぶてしいまでの不遜な光を湛えている。

身じろぐ体を、ゾロは、刃を押し当てたまま許さない。

「男が夜鷹してて悪かったな。暗がりで咥え込んじまえば意外と気づかれないもんでよ。」

ぼそりと言う声は、紛れもなく男の声だ。

といってもまだ少年と言っていいくらいの歳のようにも見える。

だからこそ女の着物を着ても違和感がないのだろう。

「暗がりに引き込んだついでに客を斬り殺すのか?」

「あァ? そりゃあんたの方じゃねェの?」

ちんぴらもかくや、というようないっぱしの目で睨みつけてくる。

可憐な外見に似合わず、存外に場慣れしていると見えた。

「俺を買わねぇんならこの物騒なもん引っ込めてくれねェかね。」

首筋に刃をあてられながら、“鬼”はゾロを見てにやりと笑って見せた。

その豪胆な事に、ゾロは思わず毒気を抜かれた。

「鬼じゃないと言うならば何故、こんな時間に女のなりをしてうろついている。」

「…女の格好なら鬼に斬られねェからだよ。こんな時間って、夜鷹の稼ぎ時だぜ?」

「てめェが鬼じゃねェのか?」

「だからよ。今、刃物なんざちらつかせてんのはあんたの方だろがっての。」

呆れたような目で、“鬼”がゾロを見た。

目つきは悪いが、確かに“鬼”から殺気は感じられない。

夜鷹を生業にしているのもおそらく嘘ではあるまい。

一張羅だろう、女物の衣は、夜目ならばまだしも、よくよく見れば着古してあちこち擦り切れて汚れているし、被っていた手ぬぐいも年季が入っている。

小脇に抱えた商売道具の筵も湿っていて汚らしい。

それらは、この“鬼”の稀有な容姿に、悉く不釣合いに見えた。

掃き溜めに鶴にも程がある。

「てめェほどの容色ならば、女のふりをして夜鷹なぞせんでも陰間茶屋で勤め上げられようが。」

思わずゾロがそう言うと、

「あァ?」

途端に、“鬼”は憤然と気色ばんだ。

「てめェ、どこの田舎侍だよ。俺をよっく見ろ!」

ゾロの刀はまだ頚動脈ぎりぎりに触れていると言うのに、“鬼”はいきなりゾロの胸倉を掴みあげた。

刃が“鬼”の肌を傷つけそうになって、慌ててゾロが刀を引く。

“鬼”がゾロの鼻先まで顔を近づけた。

一瞬ゾロはぎょっとしたが、すぐに気がついた。

瞳の色が常人のそれよりもずっと薄い。

夜更けの雪明りの下ではその色味まではわからなかったが、まるで飴玉かビードロのように透き通って見える。

色は恐らく、水晶か翡翠か。

明かりの下で見てみたい、と、刹那ゾロは思った。

 

月光に輝く髪、雪よりも蒼白い肌、透ける玻璃の瞳。

まるでからくり人形のような、美しさ。

 

「ガキん頃は狐の子、狐の子、と忌まれたもんだが、今じゃ“夷狄の子”だ。」

ふっとその美しい瞳に影が差す。

「…異人斬りの横行するこのご時勢に、こんな見てくれの陰間を雇う茶屋がどこにある?」

なァ、お侍さん?と、“鬼”が挑発するように言った。

“鬼”の内面を垣間見たような気がして、ゾロは押し黙った。

己の失言を詫びる代わりに、そっと刀を収める。

ゾロが刀を収めたのを見て、“鬼”もゾロの胸倉から手を放した。

そして気が抜けたように、

「…疑いが晴れたんなら、俺ァ商売に戻るぜ。」

と言い捨てて、立ち去ろうとする。

咄嗟に、ゾロは“鬼”の腕を掴んだ。

「なん、だよ。」

色素の薄い瞳が、ゾロの姿を映す。

ゾロは、“鬼”を引きとめた自分の行動が信じられず、思わず棒立ちになっていた。

ふう、と“鬼”が息をつく。

「…放してくんねェ?俺を買う気はねェんだろ?」

“鬼”のその言葉に、ゾロは反射的に、

「いくらだ。」

と聞いていた。

“鬼”が見る見る目を丸くする。

だがそれはすぐに先刻のふてぶてしい笑みに変わり、

「酔狂だな。…百文。」

と言い切った。

それは遊郭の女達の値段からするとばかばかしいほどに安い値であったが、夜鷹の相場からすると倍以上の値であった。

吹っかけられてるのを承知の上で、ゾロが値切りもせずに「買った」と言うと、“鬼”は今度こそ、その細面にはっきりと驚愕の色を浮かべてみせた。

 

じゃあ、と物陰に筵を敷こうとするのを遮って、ゾロは、“鬼”に旅籠まで案内させ、そのままそこに“鬼”を引っ張り込んだ。

「夜鷹を布団に入れるなんて、ほんと酔狂な奴。」

そう言って“鬼”は微笑(わら)った。

微笑(わら)う“鬼”を、ゾロは夜具の上に押し倒した。

そのまま圧し掛かって口付けようとすると、“鬼”がそれを慌てて遮った。

「ちょっ…、待て待て、田舎侍!」

“鬼”の抗う様子を見て、ゾロが、怫然と、

「…口を吸っちゃいけねェのか。」

と、ぼそりと呟いた。

そんなゾロを“鬼”は呆れたように見ている。

「いや、いけねェっつうか…いけないこたねェが…。」

困惑したような顔で、何やら口の中でごもごも独りごちたあと、“鬼”は、小さく舌打ちして、いきなりゾロの体を夜具の上に引き倒した。

「おい…、」

ゾロが何か言いかけるのを無視して、“鬼”は手早くゾロの着物の裾を割った。

「いいから。客は何もしなくていいんだよ。」

ゾロの褌の紐も解かず、“鬼”のひんやりした指が、兆しかけていた性器をやんわりと引きずり出した。

“鬼”が躊躇いもなくそれを己が口腔に導くのを見て、ゾロが焦ったように身じろいだ。

「おい、待て…、」

ゾロの制止の声は、ぬるりと温かな口腔の感触に途切れた。

慣れた、巧みな口戯が、ゾロの雄を滾らせ、追い上げていく。

「でけェな、あんた…。」

ぴちゃ…と、淫らな音を立ててゾロの性器に舌を這わせながら“鬼”が言った。

「こんだけでけぇと遊女(レディ)達にも嫌がられんだろ。」

上目遣いでゾロを見る。

婀娜っぽいその目付きに、更に怒張に芯が入るのを自覚しながら、ゾロは、

「そうでもねェ。慣れると病み付きになるらしいからな。」

と、嘯いた。

ふぅん、と“鬼”は気のない返事をして、

「夜鷹と同衾しようとしたり、接吻しようとしたりするから、女買ったことねェのかと思った。」

と、薄く笑いかけてきた。

言われて、ゾロは、改めて自分の行動がおかしい事に気がついた。

確かに、夜鷹を宿に引き入れたり、恋仲のように口を吸おうとしたり、平素の自分からは考えられない。

自分で自分に驚愕を覚えている間に、“鬼”は仰臥したゾロの股の上に、ゆっくりと跨ってきた。

帯一つ解かず、裾を乱しただけで。

当たり前だ、一晩に数をこなさなれば儲けにならない夜鷹は、いちいち帯など解かない。

使うところだけ出して、射精させて、それで終わりだ。

ゾロとて常ならば、その交合で満足のはずだ。

おまけにこの“鬼”は女のふりをして客を引いていると言っていた。

いつもこんな風に、一方的に奉仕して、客には手も触れさせず、迎え入れるのだろう。

男だと気づかせずに。

 

だが。

 

「待て。」

強く制して、ゾロは“鬼”の腕を掴んだ。

きょとんとした顔で、“鬼”が顔をあげる。

「どうした?」

「ここは外の筵の上じゃねェ。俺の褥だ。…脱がねェのか?」

するとますます、“鬼”はぽかんとした顔をした。

無防備すぎるほどのその顔は、やけに幼く見える。

ゾロは、自分の尻の辺りから、何か得体の知れないむず痒さが這い登るのを感じていた。

「だってあんた、陰間とやった事なんてねェんだろう? 俺が脱いじゃ、勃つモンも勃たねェぞ?」

揶揄うように言う“鬼”の腰に手を回し、ゾロは体を入れ替えて“鬼”を布団の上に引き倒した。

「…いけるような気がすんだがな…。」

そう言って、“鬼”の帯に手を掛ける。

“鬼”は困惑したような顔で、なすがままだ。

衣擦れの音と共に、帯が解かれる。

黒い着物を手荒に脱がせると、真紅の襦袢が現れた。

その袷を性急に開いて────ゾロは息を呑んだ。

 

行灯の灯りにぼうっと浮かび上がる“鬼”の白い肌。

 

“鬼”は緋襦袢の中に腰巻も褌も身につけていなかった。

真紅の襦袢の下から現れる、陶磁器の如く白くなめらかな肢体。

産毛のような下生えさえも髪と同じ淡い色をしていて、その中に桃色の若樹が息づいている。

 

なるほど、それは紛れもなく男の体だ。

丸い乳房も柔らかな肌もそこにはない。

けれどそれを凌駕して余りあるほどの鮮烈な色香がそこにはあった。

 

2005/09/23

 


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