「今日はシンスケ君から大事な話しがあると言う事です。ではシンスケ君どうぞ。」
ざわざわと教室がうるさくなる。いったいこんな大人の人達まで集めてなにをするつもりなのだろうか?
「ええ、静かにしてくれ。まず始めに2000年に起きたセカンドインパクトの原因は南極の隕石落下じゃない。本当は南極で使徒と呼ばれる生物体を調査中、突然大爆発が起きたことが真のセカンドインパクトだ。」
「その事件の前後からゼーレと言う組織が活発に動き出していた。この組織は人類補完計画と言う計画を今もなお継続中だ。人類の心を補完し、滅亡させるという恐ろしい計画だ。」
「そして、この計画にはNERV総司令碇ゲンドウ・・・つまり俺の父が加わっている。もっとも父は表向きはゼーレに従っているだけだと思うけどね。」
「こんなこと信じられないと思いますが、俺は未来から来ました。俺は未来の碇シンジです。あの2016年に起きたサードインパクトただ一人の生き残りです。」
いきなりこんな話し信じろといっても普通は無理である・・・。しかしリツコ、冬月は信じざるを得なかった。
(いくらシンスケ君の情報を探っても何も出なかったはずだわ。あの第四使徒戦でのシンジ君への指示は・・・確信があったのね。そしてあの第14使徒戦での高シンクロ率・・・。)
「シンスケ君、あなたシンクロ率わざと低くしてたわね。(リツコ)」
「ええ、そうです。」
「トウジ・・・俺達今までキミに隠していた事がある・・・。」
「なんや、シンスケ。急に元気なくして。」
「EVAにパイロットが乗るには近親者のコアが必要なんだ。つまり参号機の場合・・・、トウジの妹がコアなんだ。」
「どういう事よ?」
「要するにトウジの妹は今EVAの中だ。もう2度と元の姿には戻れない。死んだも同然ってことだ。NERVはトウジをだましていたんだよ。」
「な、なんやて!ホンマなんですかリツコさん?」
「ええそうよ。知っているのは私、司令と副司令だけだと思ってたんだけどね。・・・シンスケ君たちも知ってたのね。(リツコ)」
「止めようがなかった・・・。あの時点でバラすと俺が殺される可能性もあった。そうなれば滅亡の歴史を繰り返す可能性が高いから。」
「全ての事を話そう。第3使徒・・・・・・・・・・・・」
シンスケは綾波・カオルの秘密以外、彼の知っていることを全部話した。
「シンジ・・・お前に会ったときは変な気分だったよ。なにせ、自分でない自分がいるんだからな。でも、同時に別人でもあるんだよな俺達は。」
「トウジ・・・お前がシンジに殴ったときはなんか懐かしくてうれしかった。人が殴るの見てうれしいなんて変だけどな。」
「ケンスケ・・・お前のマニアぶりには今も昔も呆れる。まったくエヴァのパイロットなんてやらないのが一番だぞ。」
「アスカ・・・今のお前は、俺の知ってるもう一人のアスカとはもう別人だよ。強くなったと思うよ。」
「洞木さん・・・前の君はアスカを支えてくれたみたいだよ。今はそんな必要ないみたいだけどね。トウジの面倒が見れるのは君しかいないと思う。」
「これはどういう事ですか、冬月さん。わいは妹の事を手術してくれるって条件でEVAに乗ってんです。なのに妹を・・・妹を殺すやなんて・・・。」
「いや、本当に悪いとは思ったんだが、こうするしかなかったんだよ。」
ここで、一息つく副司令。
「トウジ君がEVAに乗ったおかげでサードインパクトが防げる可能性もあったのでね。わかってくれたまえ。」
「わかりません。この契約書・・・ワイは肌身離さずもってます。ここに書いてあるやないですか。<妹を手術しなければEVAには乗らない>って。」
「悪いがそれは子供の君が契約したものだ。正式な文書としての効力は一切ないよ。」
バターン、冬月の部屋に勝手にシンスケと加持が入ってくる。
「いい加減にしろ冬月!サードインパクトを防ぐだと・・・あんたはそのサードインパクトを起こす父の計画に手を貸してたじゃないか。(シンスケ)」
「なんだね、シンスケ君。目上の人にその口の聞き方は、独房に放りこむぞ。」
「独房に放りこまれるべきはあなたですよ、冬月副司令。(加持)」
「加持君キミまで・・・。やむを得んな、諜報部参班、この二人を独房に連れてってくれ・・・。」
(無駄ですよ、冬月副司令。)
「どうした、早く独房に連れていけ。」
「もう、無駄なんですよ。NERV諜報部・・・そんな組織は始めから存在しなかったんですよ。」
そう言い残すと、冬月の部屋から加持達3人は出ていった。・・・ちなみに碇ゲンドウはとっくの昔に逃げていた。
「おお、もうニュースに流れてるぞ。これでシンスケ君も一気に有名人だな。(加持)」
(・・・有名になんかなりたくないのにな〜。)
「にしてもシンスケ君大胆ね。あんなこと教室で話して録画をするなり、世界中にネットで中継しちゃうなんて。(ミサト)」
「他にも色んな手段で中継を流してるよ。もう誰にもこの情報は止められないな。あっ生中継にしなかったのは途中でゼーレあたりから邪魔が入るとまずいからね。(加持)」
「でも、加持さん、どうやって流したの?すぐ規制されちゃうと思うんだけど。(アスカ)」
「金で諜報部に頼んだんだよ。汚い金だったけど、まぁこれで人類の滅亡が防げるならいいだろう。」
「で、加持さんこれからどうなると思います。(シンスケ)」
「さっぱりだね。ぜんぜんわからないよ。なるようになるしかないよ。」
「まぁ、それが普通なんですよね。未来がわかってるなんて、やっぱりおかしいですよね。」
「レイのこと、ばれないですかね。」
「ダミーは壊しといた・・・・。でもこれからマスコミでNERVの事が大々的に取り上げられれば、不安だがな。レイの経歴は適当に作っておいたけどな。」
シンスケの中継は世界中の人々に知れ渡れ、世界中にさまざまな波紋が広がっていた。
(すげぇーマスコミだな。うわ〜マイクがカメラが。)
「あなたがあの碇シンスケさんですね?」
「え、ええ。」
(・・・想像以上だなコリャ。外国人の記者もごろごろいるぞ。カメラのシャッターでめちゃくちゃまぶしいし。・・・これから毎日こんな風なんだろうな。)
「すみませんが、質問は授業後四時に受け付けますので、今は失礼します。」
「ちょっと碇シンスケ君、お父さんの事について何か一言。」
(これじゃ、外に遊びに行く事もできないよ。あ〜あ。レイと俺の同居も格好のネタにされるな。くそ〜、シンジの奴、これを見越してすぐに元の家に戻りやがったのか。)
「結局、父さんと副司令、ゼーレの野望を止めた善人になってしまいましたね。(シンスケ)」
「ええ、たぶん何か恐い計画立てたと思うんだけど・・・絶対しっぽださないわよ、ありゃ。(ミサト)」
「ま、その方がいいさ。司令が悪人になっちゃ、NERVそのものが悪になっちゃうからね。シンスケ君、キミの為にもこの方が良いんだよ。(加持)」
「・・・トウジの妹さんの事は許せないけど、世界の事を考えれば仕方ないですよね。(シンジ)」
「まあ、予想以上にうまく言ったわね。レイの秘密の事も大丈夫だった見たいだし、ゼーレも世界中の批判受けてつぶれたし。NERVはまだこれからどうなるかわからないけど。(アスカ)」
「僕は人間として暮らすことにするよ。(カオル)」
「シンスケとレイの愛の巣日記・・・。ついにあなたたちの事、S新聞で連載になっちゃたわよ。(ミサト)」
「問題ありません。シンスケ君が愛してくれてる証拠ですから、ポッ。(レイ)」
「レイ・・・あんたホント変わったわね(ミサト)」
「ちょっと綾波〜。僕はどうなったんだよ!(シンジ)」
後書き
今回で<エヴァ二回目>連載終了です。今振り返ると全26話、逆行物としては短い作品でした。皆さんのありがたい感想メールのおかげで、ここまでくる事ができました。まことにありがとうございました。「新たなる道」進められるかどうか不安だ。そろそろ受験と言う文字がちらついてるし。最後に感想メールをくださると作者がパソコンの前で踊って喜びます。最後CGはアンギルさんに送っていただきました。ありがとうございました。
次回作品はさっそく来週より不定期で始まります。コマーシャルを用意しましたのでぜひ見てください!(*TOPページに書いてあったやつです。)