「すごい!すごい!すごすぎる!男だったら涙を流すべき光景だねこれは。(ケンスケ)」
「こんな旧艦、どう素人目に見ても実戦じゃ使えないよ。(シンスケ)」
「ちっちっ、わかってないな、シンスケ。この戦艦は○○○で(以下 作者の知識不足によりカットします。)」
「ホンマ、お前こういうの好きやなぁ(トウジ)」
「ああ、まったくだな。(シンスケ)」
シンジ・ミサト・シンスケ・トウジは、あまりのケンスケのマニアぶりに、もはや呆れるばかりであった。ちなみにケンスケのこういう方面の知識は軍人のミサトより遥かに上回っていたりする。
(とうとうこの日が来たか。アスカが来日する日。僕はこの時代のアスカを救えるんだろうか。・・・昔の俺であるシンジと違ってアスカの気持ちは今でもよくわからないよ。)
「ヘロウ、ミサト元気してた?」
「まあね。」
「ミサトさん、もしかしてこの子が・・・・?(シンスケ)」
「そう、セカンドチルドレンの惣流・アスカ・ラングレーよ。」
「へえ、かわいい子じゃん。こいつはGETしないとな。」
「あんたなんかには、百年速いわよ。それにしても、あんた達よく似てるけど、双子?」
「ああ、俺が双子の兄でサードマイナー、要するにシンジの予備パイロットのシンスケだ。んで、そっちにいるのが、正規のパイロットで弟のシンジ。」
「ふーん、あんたのハチマキがないと間違えちゃいそうね。」
「そうなのよ、アスカ。家にいてもシンスケ君がハチマキしてないと、よくシンジ君に間違えちゃうのよ。」
「えっ、家に、それって。」
「そう、私は今このシンジ君とシンスケ君といっしょに同居してるってわけよ。まったくこのシンスケ君はかわいげのない子でね・・・、すぐ私のエビチューをゴミ箱に捨てちゃうのよ。」
「それは、自業自得でしょ。ミサトさん。それにゴミ箱に捨てずにちゃんとリサイクルしてますよ。まったくもう。」
「うう、やっぱりシンスケ君の意地悪。」
「アスカの随伴でね。ドイツから出張ってわけさ。」
「はは、酒癖はあいかわらずのようだな葛城。」
「げっ加持〜、どうしてあんたがここに。」
「ミサトさん、そちらの方は?(シンジ)」
「シンジ君、俺は葛城の恋人の加持リョウジってもんだ。」
「誰が、恋人ですって?」
「つれないな、昔はいっしょによく寝たじゃないか。」
「ええーっ(シンジ・トウジ・アスカ・ケンスケ)」
「か、加持先輩それって(アスカ)」
「ははは、君がうわさに聞く、碇シンジ君か。」
興味津々、目の色が変わる加持。
「えっ、僕の名前を。」
「知ってるさ、この世界じゃ、君は有名人だからね、なんの訓練もなしに、いきなりEVAを操縦したパイロットってね。」
「へえ、それじゃ、俺と綾波のうわさも(シンスケ)」
「ああもちろん、ただシンスケ君の方はあんまり有名じゃないみたいだがな。」
「なんだ、突然現れた双子のパイロットってことで、けっこう有名だと思ったのにな。ちぇッ。」
シンスケは、本心ではあまり有名でないほうがありがたいと思っていたが・・・
「ただ、僕はシンジ君よりも君(シンスケ)の方が興味があるんだけどね。」
これは、加持の本心であった。
「どうだ、シンスケ君とシンジ君は」
「つまんない双子ね。あんな連中がパイロットだなんて・・・、頼れるのはやっぱアタシだけね。」
「しかし、シンジ君のシンクロ率は初登場で40%を超えていたぞ。シンスケ君も、それには劣るもののいきなりEVAを起動していたしな。」
「うそ。」
「うそじゃないよ、惣流さん。(シンスケ)」
「あんた、立ち聞きしてたはね。ホント、趣味悪いわね。」
「たまたま道を通っただけだよ。そうだ。どうです、加持さんいっしょに食事でも、いろいろ話したいこともありますしね。」
「はは、わかった。アスカも来るか?」
「まあ、加持先輩もいっしょならいいわ。」
「へー、じゃ加持さんとミサトさんは大学時代の恋人だったんですか。(シンスケ)」
「ああ、こんなのと付き合ってたのが、人生最大の汚点だわ。」
(未来で、加持さんの遺言聞いてあんなに泣いていたのによく言うよ。まあ、今のミサトさんは知らないことだけど。この2人の最後を知ってるのも僕だけか。)
「ミサトさん、自分の気持ちに素直になって、速く加持さんとやり直さないと後で後悔しますよ。」
「なにいってんのよシンスケ君。もうこんなやつとは、何の関係もないのよ。」
「加持さんもですよ。」
「ハハハ、シンスケ君、子供のくせに言ってくれるね。(加持)<苦笑しながら>」
(言える立場に、ありますからね僕は。)
シンジは自分の秘密にかかわるので、そう口には出せなかった。
食事が終わった後、シンジとシンスケは、アスカによって弐号機の前に強制移動させられていた。シンスケは久しぶりに見た弐号機を、シンジは始めてみる弐号機を趣ぶき深く見つめていた。
「・・・赤いんだ弐号機って。(シンジ)」
「エヴァってなんか青色ってイメージがあったもんな。(シンスケ)」
「違うのはカラーリングだけじゃないわ。」
「所詮、零号機と初号機は開発過程のプロトタイプとテストタイプ。訓練なしのあんたら双子にいきなりシンクロするのが、その証拠よ」
(相変わらずの自信家だな、アスカは。まあ、昔なんだから当たり前なんだけど。たぶん、俺の未来の知識だと、特別なのは弐号機じゃなくて初号機だと思うんだけどな。正確な答えを知っているのはゼーレと父さん達だけか。)
そのシンスケの思考が終わった瞬間、この古い艦戦に大きな音が響く。
「爆発?(アスカ)」
「兄さんアレは・・・。」
「ああ、第6の使徒がやってきたようだな。」
「兄さん、いったんミサトさんのところに戻った方が」
「使徒・・・、アレが本物の。・・・ふふふ、チャ〜ンス(アスカ)」
「え〜と、パンダナの方(=シンスケ)、こいつを着て。」
「プラグスーツ、俺みたいなムサイのが着ても、ぜんぜん似合わないと思うんだが。」
「バカ、そんなことはどうでも良いの、私の華麗なテクニックを見せてやるからあんたも乗って。」
「なんで、正パイロットのシンジじゃなくて、予備の俺なんだ。」
「あんたがバカで生意気だからよ。私が着替えたらすぐ、出撃するから、くれぐれも、のぞかないでよ。」
「死んでまで見たいもんじゃないよ。」
「あんたね、やっぱり、のぞかなくても、後で殺す!」
「あの、ミサトさんの許可取らないと・・・。」
「そんなもん勝ってから、貰えばいいのよ!」
「それだけはアスカの言うとおりだな。ここからミサトさんのいるとこまで許可を取りにいくと結構タイムロスになる。もしかしたら、そのタイムロスが致命的ダメージになる可能性だってあるからな。」
「アスカって、呼び捨てにするな!」
「そう言う話は後だ。使徒を倒すんだろ。急いで着替えて来いアスカ。こんな口喧嘩のタイムロスが原因で負けたらしゃれにならんぞ。」
「わかったわよぅ、でも後で絶対に殺すからね!」
どうも、仲が前回以上に悪くなってしまったアスカとシンスケ。こんなことで果たして第7使徒を無事殲滅することができるのであろうか?
後書き
なんだか、SS書いてる途中アスカとシンスケの仲が悪くなっていきました。まあ、このほうが後々話しがおもしろくなるかもしれないからよしとしますか。(←よしとするな!俺。)なんだか、今回は特に会話が多くて、会話以外の文がほとんどありません。もうちょっと会話以外の文を増やしたほうがいいかよな。
次回予告
「第7使徒はやってきた。この使徒を確実に倒すため、シンスケはある策を思いつく。しかし、彼女がシンスケの策など素直に聞き入れるのであろうか?そして、シンスケに興味をもっている加持は何か動きを見せるのであろうか?次回、エヴァ2回目<初陣>お楽しみにね!」