復讐の神子

            ~序の章~ 

 サードインパクトが起こった。
 全てが終わった世界で、人の遺伝子を奪われた少年の元へと彼女は歩んだ。
 かつて初号機と呼ばれた者は、自分を必要としてくれた少年の元へと・・。
 此処より復讐が・・・喜劇が始まる。
 ソレが誰にとってのモノなのか・・・・・時は少年の望みのままに流るる。

 その赫い赫い世界に少年はただ一人立っていた。
 「・・・・何故・・・・こんな世界になったのだろう。
  ・・・・・こんな世界でも天国だというのかい・・・・・・。
  巫山戯るなよ・・・・俺しか居ないこの世界の何処が天国だ・・・・。
  ・・・・いや、母さんや父さんは良いとしよう。
  ・・・・・ゼーレの爺共め!!!貴様等の愚かな望みの為に!!!
  俺は!!!俺は!!!!!」
 彼が叫び出すと共に赫い世界は崩壊を始めた。
 彼の怒りの波動に耐えきれなかったようだ。
 そんな彼の前に一人の少女が現れた。
 「探しましたわ」
 その少女の方を見る少年『シンジ』。
 「・・・・・君は?」
 崩壊し始めた世界もしばし止まる。
 少女が答える。
 「私はかつて初号機と呼ばれた者。
  貴方のおそばで貴方の力になりたくて此処まで参りました」
 それを聞き涙するシンジ。
 「・・・(俺を必要とする者がいたとは・・)初号機・・・・では味気ないな。
  良ければ俺に君の名前を付けさせてくれないか?」
 喜び頬を赤らめる少女。
 「是非お願いいたします」
 笑うシンジ。
 「君の名は『パンドラ』だよ。月の女神レナの添え名で始まりの女性の意だ。
  君は初めて俺自身を必要としてくれた。
  正に俺にとっての始まりの女性『パンドラ』だよ」
 「・・『パンドラ』・・・素敵な名前」
 パンドラの様子を見て口を開くシンジ。
 「・・・パンドラ。俺と共に過去へと遡らないか?
  この死の大地ではなく、命あふれる世界で・・・・・俺と共に生きないか?」
 驚きながらも尋ねるパンドラ。
 「・・・・そ・・それはプ・プロ・・
 「プロポーズと思ってくれてかまわない。俺にはお前が必要なんだ」
 パンドラの言葉を遮り言うシンジ。
 その言葉を聞き激しく頷き、涙しながらシンジに抱きつくパンドラ。
 「共に行こう」
 シンジの言葉に目を閉じるパンドラ。
 そして、シンジの唇がパンドラの唇に重なった。
 「我、此処に、過去への扉を開かん」
 唇を離して呟いたシンジの言葉に呼応するかのように突如として現れる門。
 その中に二人は吸い込まれるように消えていった。

 此処に、復讐のために一神(ひとり)の亜神が旅立った。
 ・・・・・愛する女と共に過去へと。


   後書き

 初めましてかな?レンです。
 今回は僕のネット小説第二作目を出させていただきました。
 この小説のテーマはとあるサイトに出してある『神魔大戦』とは違い、
 『逆行したシンジが強く、全てを平和に導く(一部を除き)』です。
 『神魔大戦』をご存じの方はこの『一部』が分かるのではないのでしょうか。
 ともあれ、これから宜しくお願い致します。
 因みに、僕は分類されると一応LAS作家となります。
 ですから、僕の作品はあまりLASの方以外は見られない方が良いと思われます。
 ・・・・・・特に『葛城ミサト』『霧島マナ』『赤城リツコ』のファンの方は。


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  トマトのコメント

 逆行物のプロローグですね。まだ、これからどうなるかさっぱり分かりませんが。
 私のページでは初のLAS作品となります。
 かつての初号機「パンドラ」とはいったいどのように物語りに絡んでいくのか?
 私はそこに注目したいと思っております。
 では、次回もお楽しみにね。(←俺のセリフじゃ無いだろ!) 

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