Angel Sweeter 〜天使の吐息〜
SCREEN 002 【基底の法則・彼の持論】
前の話。
ウェルイェという恒星に、セリスとフィーという
人物がいた。二人は幼馴染で、いまから‘あそこ’に
向かうことに…。
ディンバリー遺跡。
木剣を持ったセリスと、ダングラー【パチンコ
みたいなもの】を持ったフィーが未開発…ではなく、完全に
開発し尽くされた遺跡の入り口に立っていた。
フィー『…はぁ。しっかしあんたも好きよねぇ〜〜。こんな
開発されて、今や残るのは鉄屑や折れた剣とかだけの遺跡に
何度も何度も来る気になるわよね〜〜。』
ぐだぐだいいつつ、中に入る二人。
セリス『……その割には、毎っ回、ついて来るんだよな。
フィーは。』
フィー『あんたが危なっかしいからでしょうが、普段から。
まぁ、もっとも「落ち着け」っていうのが間違ってるけど、
あんたの場合。』
セリス『そっかぁ〜〜?自分では普通のつもりだけどなぁ〜。』
どんどん奥に進んでいく二人。さすがに何度も来てるのか、
やたらと慣れた感じで進んでいる。
フィー『…普通というあんたの気分がしれないわ…
…はぁ。』
ため息をつきつつ。 彼女は足を止めた。 セリスも同様。
フィー『……着いたわよ。遺跡の最深部』
見渡すは、ガラクタの山。まぁこの惨状から「ここに宝が
あった」というのは、大体の人が見たら理解するだろう。
フィー『……ないと思うよ〜〜。ここはもう完全に掘り
尽くされてるよ〜。……ガラクタばかりじゃないの…。』
セリス『フィー。』
フィー『???…何よ?』
セリス『この世にね…完全なんて言葉は「人が死ぬこと」と
「人が平等である」ってことぐらいだと思うけど?』
その台詞を聞き、頭を掻くフィー。
フィー『またね……あんた得意の持論ね。…………まぁ、
そうかもね。……さぁそろそろやりましょっか!!』
フィーの言葉を皮切りに、二人は探索を始めた。
……瞬間に、セリスが鉄屑に引っ掛かってコケた。その時、
彼の木剣がその辺の鉄屑を払いのけた。……その下に。
魔法陣…らしきものが一つ。 やたら古ぼけている感じだった。
セリス・フィー『………………………』
絶句。も、当然のことかもしれない。 彼らは2年ぐらい
これを続けていたのだから。 作者、殺されそう【笑】。
セリス『まぁ………乗ってみるかな。 何かあるかも
知れないし。』
フィー『やめなさ……』
セリス『…えい!!』
フィーの静止をきかず、魔法陣に乗ったセリス。
ふと、光が彼らを包む。 とはいえ夏の日差し程度の
ものだったが。 その光がやんだ後。
部屋にいたのは、3人だった。 …当然、“だれか”が
混ざっているのだが。
セリス『…あぁ〜〜眩しかった。 でもこういう場合って、
目がくらむぐらいの光が出ると思うんだけどね……』
フィー『…………セリス。…………………あれ。』
フィーに促され、前を見やるセリス。
そこには、女性がいた。
だが、明らかに他の女性と違う点が一つ。
背中に…………翼があったことだけだった。
セリス・フィー『…………………………………………………』
呆然とする二人。 それに気づき女性は言う。
『…はじめましてぇ♪』 と。
次回。
はたしてこの女性は何者か? そしてこの後
何が起こるのか? 次回に続く!!