「若」
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独占市場を持つエネルギー供給会社の若きトップ、サンジ。19才。
完全能力主義の組織の中にあって、サンジが世襲でトップを継いだ事は先代の絶対的な権力を物語っている。
絶対権力の突然の死により、その跡を後継することになった弱冠19才の若社長は
独裁的であった先代とは異なり、持ち前のしなやかな計算高さや処世術を発揮し
対立勢力を生むこともなく、有能な側近達と共に巨大企業をうまくまとめていた。
先代が社長を務めていた頃の名残から、今もなおサンジを「若」と呼ぶ側近は多い。
なるほどサンジの直属の部下達は全員がサンジの親ほどの年齢である。
そんな中にいて、19才という年齢を感じさせないサンジの大人びた立ち振る舞いは
一見、完璧に見えるが、どんなに巧みな経営手腕をもってしても処理できない
「孤独」という悩みが、時折サンジの瞳に寂しげな影を落とすのであった。
サンジには同年代の友人がいないのである。
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表舞台で活躍する事は無いが、
巨大な組織が成長をし続ける上で重要な任務を遂行する自衛諜報部。
他の部署とは全く異質な、その部署は
飛び抜けた能力を持った者のみで構成されている精鋭部隊なのである。
自衛諜報部 主任 ゾロ。19才。
異常な若さであった。
歴代の主任は皆、頭脳派でメンバーを統括する能力に長けていたが
新たに主任になったゾロは、事務処理能力は一般社員よりも遙かに劣っていた。
しかし、ゾロにはカリスマ的な資質があり、メンバーをまとめるのに何ら問題は無かった。
ゾロが就任する前の主任は、燃料動力炉の臨界事故での任務において
一瞬の決断の迷いが命取りとなり、帰らぬ者となったのだった。
「事故死した主任の代わりの者が決まった」と若社長のもとに報告が入った。
19才。
サンジは自分と同じ年齢の自衛諜報部主任に強い興味を覚えた。
全社的に、社員の経歴等の詳細な個人データは明るみにされない。
自衛諜報部となれば、社長でさえも知る由は無い。
わかっているのは「ロロノア・ゾロ」という名前と年齢。
そして志半ばで逝ってしまった先代の跡を継ぐという事…。
「彼の事をもっと知りたい。」
巨大企業のトップであるサンジの顔から、19才の1人の青年になる瞬間であった。
奇しくも同時期に就任した社長と自衛諜報部主任の2人の19才。
仕事で言葉を交わすようになってから、お互いを意識するまでに時間はかからなかった。
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<中略>←ここはあくまでも中略のまま。(笑)
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周囲の制止を振り切ってサンジは走っていた。
脳裏に蘇るのは、むごたらしい事故現場。
生々しく惨状を映し出すモニターの前で血が滲むほどに握りしめた拳。
二度と繰り返してはならないと、あれほど強く誓ったのに。
所在不明。音信不通。安否未確認。
「ゾローっ!!」
堪らずに叫ぶ、大切な友人の名前。いや、友人以上の存在だった。
いや、まだ過去形では無い。
必ずゾロはいる。あの先に必ずいる。フラフラになりながらも、絶対に立っている。
それで、「危ないから、こっちに来るな。」って俺を叱るんだ。
社長の俺に、叱ったりするんだ。あいつは。
社長の俺に、指図したりするんだ。あいつは。
2人きりの時は、絶対敬語とか使わないんだ。あいつは。
仕事の時とは全然態度が違うんだ。あいつは。
それから、あいつは…。
「クソッ!ゾローーーー!!どこに居るんだ!!返事しやがれっ!!」
それから、わざと意地悪っぽく敬語を使うこともあるんだ。あいつは。
そんな時は必ず俺のことを「若」って呼ぶんだ。あいつは。
こんな時に、何を思い出しているんだ、俺は。
「ゾロ、てめぇの命は誰のもんだ?」
「若のものです」
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早乙女神楽さんのお家でダウンロードフリーの画像をもらって来ました。
軽く「転載させて頂きます。」とBBSに書き込んだところ
「はい。楽しみにしてます。」とか、訳の解らないレスが帰ってきました。
多分、「転載するからには、萌えコメントを書きやがれ。」って事だと
汲み取りまして、私なりに頑張りました。(笑)←あくまでも私レベル。
主従関係、若、スーツ、という事で
FF7のツォン×ルーファウスを基にしました。
気がつけば、全然主従関係が成立してませんでした!!チャハ★ドンマイ!
いつでも、前向き、ポジティブねぃ!
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