+LOVE is the sin..+ chapter of DUNE 4 |
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秘孔に、己をあてがう。 途端にシオンは、気が狂ったように泣き叫んだ。
「いやだ! やめろっ! やめろ! いやだぁっ!!」 それは本当に突然だった。我を忘れたシオンが叫んだ名前に、全身が凍り付くような感覚を覚える。 「・・・・・隊・・・・長・・・・?」
思わず反芻する俺に、シオンの顔色が変わった。
「シオン・・・・・・・まさか、お前、あの・・・・・ターレスとかいうやつに・・・・・・・」 怒りを通り越し、もはや憎悪の域に達しているシオンの怒声に、 俺は喉笛を噛み裂かれたような衝撃を覚えた。 「いけねえのかよ! お前だって同じことしてるじゃねえか! お前らなんか大嫌いだ! どいつもこいつも、俺が抵抗できないようにしておいて、ヒトの身体、メチャクチャにしやがって!」
叩き付けられる憎しみをまともに受けとめることも出来ず、俺はただ狼狽えているだけだった。 「でも・・・・・もういい・・・・・」 不意にシオンの瞳から、一切の感情が消える。 いや、それまであった激しい憎しみや怒りの感情の代わりに、退廃的な色がそこで鈍く光っていた。
「疲れたんだ・・・・・。抵抗することにも、怒ることにも・・・・好きにすればいいだろ・・・」
急に無気力になったシオンの様子に不安を覚える。
呼びかける俺の声も聞こえないようだった。
シオンは、もう何もかもに絶望してしまったのだ。
ここまで来て、ようやく俺は、自分の犯した罪の重大さに気付いた。 俺は、決して止まろうとしない涙を何度も拭いながら、慌てて上掛けでシオンの肌を包み、 無様なくらい必死になって謝罪した。
「ごめん・・・・・ごめん、シオン。ホントにごめん。
許してもらえるなんて思ってないけど、ごめん」 俺が、ただの欲望だけでシオンを抱こうとしたんじゃないことを伝えたかった。 言い募った後でシオンを見る。シオンは相変わらず冷たい無表情のままだった。 そして、ただの一言で、俺の全ての訴えに応える。
そう言い置いて、俺は逃げるように寝室を出た。
「着替えがねえ」
びしょぬれのシオンが、全裸で立っていた。
「シャ・・・・シャワーは?」 どうやら俺は、泣いてるうちにガキみたいに寝ちまったらしい。
「着替え」
シオンの一言一言が、俺を責めているように思えた。
俺に向かって声が放たれるたびに、鋭い憎しみが突き刺さるような気がした。
自分で破壊したものが、多分何よりも大切なものだったんだ。
そして新しく手に入れようとしたものは、決して手には入るものではなかったんだ。 「・・・・これ・・・・・」 震える手で、タオルと適当な着替えを差し出す。
無造作に掴み、シオンはバスルームへ戻っていった。 ・・・・・それほど怒っていないとか・・・?
いや、その考えは余りにもシオンに失礼だ。自分のしたことに対して、楽天的すぎる。
シオンが、「殺す」と言うのなら、甘んじてその刃を受け入れよう。 出来れば、それでほんの少しでもシオンが俺を許してくれれば・・・・・。
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