+LOVE is the sin..+ chapter 2 |
---|
指が、とりあえず露になっている部分の全てを把握すると、今度は唇がそれの後を追った。 首筋は、軽く啄むだけ。跡を残しては、あとでシオンが困るだろう。 ゆっくりと下っていく。鎖骨へとたどり着くと、俺が触れた証が残るように、強く吸い上げる。 シオンの素肌に、薄紅色を散らして進んでいく俺が目指しているものに、 シオンも気付いたらしい。僅かに躰が強張った。 そんなシオンの予感とほとんど時間を違えずに、俺の唇は、胸の尖りへと辿り着く。 シオンの躰が、ぴくりと震えた。 はじめは触れるだけ。その後ゆっくりと力を加える。 力のなだらかな推移は、シオンにも激しい刺激はもたらさなかったようだ。 ただ、徐々にその細い躰が、熱さを増していくのが、唇を通して分かる。 その熱さが逆に俺を刺激して、思わず強く吸い上げる。 「・・・・・・あ・・!」
吐息に埋もれて、シオンは声を漏らした。 「・・・ん・・・ぁ・・! ・・あっ! ・・・や・・・っ!」
俺の行為に合わせて、シオンが切ない声を漏らす。
そんなふうにシオンが、必死に自らと格闘している間に、胸元を離した唇は、
鳩尾を滑り、ゆっくりと下へ降りていく。
シオンはまだ、先ほどの余韻で朦朧としているようだった。 「・・や・・・やめ・・・・っ!」
途端にシオンの躰が跳ね起きた。確認するよりも先に、躰が反応したらしい。
今まで動けなかったのがウソのように、必死で俺の口から逃れようとする。 「・・っあ・・! ・・だ・・・や・・だ・・・っ! サイ・・・ゾ・・ぉっ! ・・サイゾウ・・っ! ・・も・・・許し・・・・いや・・だ・・ぁっ!」
確かに、この刺激はシオンには強すぎたかも知れない。
恐らく、感じるばかりで耐え方さえ知らないのだろう。
泣きながら、放されることを乞い、拒絶を漏らすばかりだった。 「・・・・・っ・・サイゾ・・や・・・・っ・・・怖・・あぁっ・・・」
途切れ途切れの喘ぎ声が、急速にうわずっていくのを聞いて、限界が近いのを悟った。 「・・・・・うぁ・・・・っ・・あぁ・・・!」
シオンの口から、これ以上のものがあろうかと思われるくらいに乱れた声が漏れる。
同時に、俺が意図したとおり、シオンは己を解放していた。 「シオン・・・・」 両腕で顔を覆って、しゃくり上げるような幼い泣き方で涙をこぼし続けるシオンの髪を、 優しく撫でた。 「シオン・・・ごめん・・。いきなりすごいこと、しちまったかも・・・。大丈夫か?」 優しく声をかけても、シオンはなかなか泣きやまない。 だが、焦ることも苛立つこともなかった。 ただその初(うぶ)さが妙に愛おしいばかりで、いたわるように髪や頬を撫で続けた。
長い間、髪を撫でられ続けていたシオンが、腕をほどき、ようやく濡れた瞳を俺に向ける。 「もう、大丈夫か?」
あやすように聞くと、シオンはただうなずいて答えた。
そして、それ以上は何も言わずに瞼を閉じる。 (馬鹿野郎! もう一回同じことやろうってのかよ!?) 自分の汚れた欲望を罵倒すると、思い切ってシオンから離れた。
これ以上のことは、出来ない。たったこれだけで、涙がかれるほど泣かせてしまった。 もう、今日は終わりなんだ。そう、自分に言い聞かせて、俺はシオンの部屋を出た。 |
1996 (C)SQUARE Rudra's Mines | +index+ | 2002 Presented by FU-ByKA |
---|