+LOVE is the sin..+ chapter 3 |
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居間へ行くと、窓から不吉なくらいに紅い満月が光を投げかけている。
「・・・にしても、シオンもひでえよな・・。あんなとこまでいっといて、B止めなんてよ」
冗談で混ぜっ返してみたが、自分の躰がかなりやばいのは誤魔化せなかった。
下肢は、もはや俺自身にすら宥めだれないほど、猛っていた。
「は・・・・だめだ・・・。相当いかれちまってるぜ、俺も・・・」 心ではこんな自分を嘲りながらも、躰はそれをまったく無視してたぎっていく。 (・・・シオン・・、抱きてえ・・。お前を抱きてえ!)
妄想の中で、シオンが脚を開く。潤んだ瞳でじっとこっちを見たまま。 (あり得ねえ・・・あるはずがねえ・・。シオンはこんなイヤらしい奴じゃねえ)
自分に愛撫されている間も、シオンは常に清らかだった。
それなのに、今脳裏にいるシオンは、妖しいまでの媚態で俺を誘う。
その姿は、どんな女性よりも艶めかしい。
相手に困るようなことは滅多になかったが、それでも何度となく行ってきたことのある行為。
それはいつも、本当の行為に比べたら無いよりはマシ、というくらいのものでしかなかった。 (変態だぜ、これじゃ。・・・男相手にマジで勃ってるなんてよぉ・・・)
男に欲情するなどとは、正直、俺にとっては鳥肌の立つ物でしかなかったはずである。 (・・・シオン・・・・・・・シオン・・・・・・・・・・・)
何度もその名を呼ぶ。呼ばれる度、脳裏のシオンは俺に歓びをもたらした。 (・・・・・サイゾウ・・っ・・・・・・・あ・・・・・・あぁっ・・・!) まるで男(おれ)の肉欲を満たすためにいるように思えるくらいに・・・。
背後に気配を感じて、思わず反射的に振り返った。 戦いの中に生きてきた習性が、無意識に俺をそうさせた。 そしてそれは、「俺達」にとって、最悪の事態を招く、引き金となった・・・。
「・・・サ・・イゾ・・・なにやって・・・・・・・」 獣のように己を慰める自分が、シオンの瞳に映っている。 「・・・・・・・・・・・」
一瞬真っ白になった頭の中で、諦めとも付かない何かが産まれた。
舐めるようにシオンを見る。 あの躰に歯を立てたら、どんなにか気持ちいいだろう?
汚れた視線でシオンを見ながら、おのが肉欲に忠実な、ただの獣と化していく。 「や・・・はなせっ!」
骨が軋むほど強く腕を捕まれて、シオンが確実な恐怖の色を浮かべる。
まるで腕を失ってでも逃れようというように、激しく抵抗した。 「ちくしょぉっ! てめぇ、何考えていやがるっ!」
怒鳴るシオンを無視して、先ほどあんなに慎重に脱がせた夜着を、乱暴に破り裂く。 「・・! ・・っ・・・・や・・いて・・・・サイゾ・・・・っ!」
シオンの悲鳴が聞こえた。 「や・・・・・・!!」 シオンの細い両脚を力ずくで押し広げると、強引にその間に躰を割り込ませた。 俺の躰に割り入られ、シオンの細い脚は更に大きく広げられる。 「・・・なにす・・・・・・っ!!」 逃れようとして躰を起こしたシオンは、恐らく俺の、 今まで見たこともないほどに猛ったものを見たんだろう。 そして、俺が、今まさにそれで、自分を貫こうとしているのを・・・。 「いやだっ! やめろ、サイゾウ! や・・・・・っ!!」 激しい拒絶の声は、無理矢理押し付けられた俺の男性のせいで途切れる。 「うああぁぁあぁっ!!」
身を裂かれる痛みに、シオンが絶叫する。確かに、このままではあまりにも痛々しい。 「・・・・・・・・・・っ!!!!」
途端に、引きつった呼吸が飲み込まれ、躰が石のように強張る。 「いてぇっ! やめ・・・サイゾウ!!」 必死に躰を退かせて俺の指から逃れようとするシオンを、しっかりと押さえつけ、更に指を増やす。 「ああぁあぁああぁぁぁっ!!」
シオンの悲鳴が空を裂いた。痛みを耐えるために、瞳を堅く閉ざし、俺の腕に爪を立てる。 「い・・・っ!! サイゾ・・・・・・っ!! や・・く・・・ぅ・・っ!!」
全身の筋肉を強張らせて痛みを耐えながら、なおも逃れようと床をのたうつシオンの姿は、
堪らなく俺の情欲を掻き立てた。もはや、僅かの間も疼きを抑え留めることは叶わない。 「力・・・抜け・・・」
躰の芯を襲う戦慄と興奮のせいで、俺の拍動はこれ以上ないくらいに乱れていた。 「・・・・し・・・・て・・・・っ! どう・・・して・・・・っ!!」
震える唇から漏れる、心臓を鷲掴みにされるほど悲愴な声。
だが、その心臓の痛みにすら、俺は高ぶっている。
「どうし・・・て・・こんなこ・・・と・・す・・るんだ・・・よ!」 シオンの拳が、手加減無しで俺の横っ面を張り飛ばした。 肩に爪を立て、引き剥がそうとする。 開かされた脚が、懸命にその間から俺を押しのけようとする。 「お前の言うとおりになんか、なってやらねぇ!! 絶対に!!」
シオンは息を乱して、俺の下から逃れようとした。多分、その為ならば、俺を傷つけても、
殺しても構わない、という覚悟で。 「何が何でも抱いてやる!! お前を俺の物にしてやる!!」 叩き付けるように、シオンの首を手で上から押さえた。 乱暴に床に打ち付けられて、シオンは一瞬だけだが意識を失ったようだった。 「・・・・う・・・・・・っ!!」 シオンの両腕を片手で掴むと、無理矢理押さえつけた。 空いた手は、猛り狂う己の下肢を掴む。 完全に張り詰めていたそれは、少し鼓舞しただけであっさりと絶頂を迎えた。 |
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