翠玉の檻
〜Emerald Prison〜
[6]
−夢魔−
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 突然暴虐な行為にさらされ、未熟な少年の身体は細く震え、堅く強ばる。
 そんな幼気な心に鞭を打つように、顎を離れた手が乱暴にその身体をまさぐった。

「………ッ!」

 途端に、掴む腕を振りほどこうと激しく跳ねる手首を、更に堅固に押さえ込む。
 必死で抵抗する未成熟な身体を、その長躯で易々と支配し、 シュウは思うままにその身体を強奪した。

「や…ッ! シュウ!  いきなり……なにしやがる…っ!」

 叩き付けられる怒声など無視して、剥き出しにした肌に口を付ける。
 仰のく首筋を噛み、細い肩や鎖骨を啄み、堅くなっていた胸の尖りを含む。

「は…っ! あ…、あぁっ!!」

 銜えた突起に、歯と舌で執拗な愛撫を加えれば、健全なはずの少年は色に濡れた嬌声をあげた。

「いや…だっ! シュウ…いや…、やめ…っ!」

 悦びに乱れることにさえ羞恥を覚え、震えながら拒絶を訴える少年の身体は、 しかし、シュウの絶技のもたらす波に逆らうことが出来ない。 否定し、拒否しながらも、シュウの思惑に従順に、自身を昂ぶらせていく。
 シュウは、突起への愛撫を怠ることなく、空いた手を、身を起こし始めた少年自身へとのばす。

「………ぁっ! …や…ぁ…っ!」

 既に濡れ始めている先端に指先をあてがい、ぐり、と擦るだけで、面白いように少年の身体が跳ねた。
 更に仰角を上げたそれを、掌と指で丁寧に包み込む。
 少年の身体はびくりと一度大きく震えたあと、ぴたりとその動きを止めた。

「……シュ……ウ…、……や……」

 震える唇から漏れた拒絶に、シュウは口の端だけで笑ってみせる。

「………ぁ……」

 更に言葉を紡ごうとした唇を無視して、シュウは突如の勢いで手の中のものを、乱暴に擦り上げる。

「……ひ……ぁあっ! い…や……ぁあっ!」
「嫌ではないでしょう? 毎晩貴方が私にさせていることですよ?」
「いや……だっ! やめ…、や…ぁっ!」

 シュウは、耳を傾ける気配など微塵も見せない。
 上擦る悲鳴など意に介することなく、熱さを増す少年を荒々しく掻いた。
 身に余りすぎるほどの執拗な愛撫は、一瞬も途絶えることなく続く。
 愛と言うよりは暴行に近い行為に、少年は、震える胸を性急に上下させ、浅い呼吸を繰り返した。
 必死で突き上げる衝動を逃がそうとする少年の姿に、シュウは暴虐な笑みを浮かべる。


 刹那。


「や…、ダ…メ……ッ、シュウ…っ!!」


 濡れ、敏感な先端に爪を立てられ。
 痛みすら悦びにすりかえられ。
 逃れようもない熱に煽られ。



「も……止め…ッ! い……ッ、あ…ああぁっ!  あああぁぁぁッ!!」


 悲鳴に誓い嬌声と共に、少年の中の熱が弾ける。
 激しい波に呑まれ、抑制という言葉を忘却し、包まれた中に欲動の全てを吐き出した。


「……ん…、は…ぁ……っ」


 渾身の解放に疲労した身体を、ぐったりと投げ出す。
 もはや抵抗もままならないその姿を見留め、シュウは手首を戒める己の手を離した。
 その目の前で、少年は、ようやく動くようになった腕を、藻掻くようにして引き寄せた。 露わになった肌を恥じるように、身を折り、自らの肩を抱く。
 そんな、慎ましやかな少年を嘲笑うかのように、シュウは、 これ見よがしに、掌にまとわりつく少年の欲を舐め取って見せた。

「……………っ」

 正視に耐えぬ、といった表情で、堅く瞼を閉ざし、咄嗟に顔を背ける。
 そんな無垢な少年の様子を見て、シュウは喉の奥で、低く満足げに嗤う。
 おもむろに、その身体の上に覆い被さり、羞恥に染まった耳元に唇を寄せた。

「……いやらしい身体、ですね」
「…………っ!」

 吐息を送り込むように囁けば、未成熟な身体は、突然の刺激と、その至近距離に驚愕し、びくりと跳ねた。

「こんなにいやらしい身体をしているのですから、 この程度では、満足できないでしょう?」

 少年の本能が、その声と言葉が孕む危険さを悟った。
 小さな身体が、反射的に跳ね上がる。

 だが。

「相変わらず、素直になれない人ですね」

 あっさりと押さえ込まれ、組み敷かれる。
 強引に割り入ってくる身体は、日に焼けた膝を容赦なく裂いた。

「…シュウっ! てめ……何する気…っ!」
「……………………」

 押さえ込む手を必死で振りほどこうとしながら、少年は真っ直ぐにシュウを睨み付けてくる。
 だが、その攻撃を装った瞳の裏に、ひた隠しに隠している恐怖の気配は、容易に看破できた。

 弱みを見せまいとして無駄に強がる姿は、シュウの気分を浮き上がらせる。

 今までは自分がさんざん振り回されてきたのだ。
 それを、今は自分が逆に支配している。
 強がることすらかなわないほどの恐怖に突き落としてやったとき、 この忌々しい夢魔はどんな醜態を自分の前に晒してくれるのか。

「貴方自身が蒔いた種ですよ。 その無思慮な行動が、どういう結果をもたらすのか……、 その身でしっかりと味わってごらんなさい」

 言うなり。


「…………っ!」


 慣らすこともせず、少年を突く。

「どうです? 自らの過ちの味は?」


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1996
(C)BANPRESTO/WINKY SOFT
Sep.2006
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