ショートショート
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花粉症今、私の隣に花粉症の女が座っている。かなり激しい。 マスクをし、膝にティッシュ箱を乗せ、足元にゴミ箱を置いて座っている。 そして顔は悪い方ではないのだが、鼻のかみ過ぎで鼻の周辺が赤くなり、化粧が崩れてしまっているので、笑える顔になってしまっている。 私は 「花粉症ですか。大変ですね」 と、ティッシュでこよりを作って、彼女にあげた。 「ありがとうございますぅ。鼻がむずむずしてたんです」 そう言うと彼女は乱暴にこよりを鼻に突っ込んだ。 はっくしょぉぉぉん と、くしゃみの大音響を上げ、血煙と共に彼女は霧散した。 「しかし、これでよかったのだろうか?・・・・・・」 |