91.立山・黒部アルペンルートと特急白山大糸線 |
新宿駅から、中央本線・篠ノ井線・大糸線経由で信濃大町・白馬に至る電車の夜行急行であった。
毎日走る定期の列車では自由席もあり、ワイド・ミニ周遊券では急行券を買わなくても自由席に乗れていた。
急行アルプスは人気が高いため臨時列車が走ることがかなりあったが、定期の列車と臨時列車ではこんな違いがあった。
・定期の列車は岡谷〜塩尻間は辰野を経由・停車するが、臨時列車はみどり湖を経由する(停車はしない)
・定期の列車は特急あずさに使われている車両をそのまま使用するが、臨時列車は4人がけボックス席の車両を使用する
・定期の列車には自由席があるが臨時列車は全車指定席である
この列車は長野に向かう登山客が多く利用しており、シーズンは定期の列車・臨時列車ともに満員になるほど人気があった。
しかしバスや自家用車を使う人が増えてアルプスの客は減っていき、ついに廃止されてしまった。
たまに臨時列車が出ることがあるが、快速ムーンライト信州という名前になってしまった。
(毎年春にムーンライト信州は運行されてきたが、残念ながらとうとう2019年は走らなくなった。)
81.不思議な急行武蔵野線 |
福島県のいわき駅から、神奈川県の鎌倉市を、不思議な経路で結ぶ臨時の急行であった。
とは言っても、実は臨時列車が通った実績のある場所しか通ってはいない電車であった。使われている電車も常磐線で特急として使われている車両であった。
鎌倉行きがいわきを出るのは朝6時前後で鎌倉に着くのは昼近く、そしていわき行きが鎌倉を出るのは夕方で、いわきに着くのは深夜であった。
経路は、いわきから柏近辺まで常磐線を走ると貨物線を通って武蔵野線に移動し、そこから北府中のあたりまで武蔵野線をそのまま進むと、ホリデー快速鎌倉号が通る貨物線を進んで横浜に行き、そのまま鎌倉に進む経路であった。
いわきから南越谷までは以前臨時列車上越スキー号が走っていた経路であり、南越谷から鎌倉までは現在ホリデー快速鎌倉号が走っている区間なので、ぶらり鎌倉号はこれらの経路の「いいところどり」をしていた急行と言えただろう。
一時期は自由席もあったが、2014年の時点では指定席のみで運行されていた。
ぼくが乗ったときは全く客がいなかったが、2014年まで運行が続いていたのでそれなりに客がいたのだろう。
2015年になって上野東京ラインの開業とともに、いわきと鎌倉を結ぶ臨時の急行は上野東京ライン経由となり、名称も「ぶらり横浜・鎌倉号」と改まった。
そして武蔵野線を経由しないため、ぶらり鎌倉号時代に停車していた南流山・新秋津に停車しなくなり、替わりに上野・東京・品川に停車するようになった。そしていわき〜鎌倉間の所要時間も数十分短縮された。
これにより、ぶらり鎌倉号とは別列車になったとみなし、ぶらり鎌倉号は「鬼籍」に移動した。
その後2017年途中にぶらり横浜・鎌倉号は日立〜いわき間の運行をやめてしまい、日立〜鎌倉間の運行となり、さらに2018年になると急行ではなく快速となった(残念ながら2019年には走っていない)。
125.二度目の東京ミニ周遊券旅行武蔵野線その2 |
いわき駅から、常磐線、武蔵野線、高崎線、上越線を通って越後湯沢近辺の駅(石打駅だったような気がする)に至る急行の臨時電車であった。
いわき駅発の電車は夜行で、いわき行きは昼間走る電車であった。
この電車の特徴としては、常磐線から武蔵野線に移動する時に、ふだんめったに旅客用の列車が通らない貨物線を利用していたことであった。
武蔵野線から高崎線に移動する時も、やはり貨物線を利用していた。
「スキー号」という名前が示すとおり、スキー客をあてこんだはずの電車であった。しかしぼくが乗った時はほとんど客がいなかった。
なぜか駅のアナウンスでは「団体列車」とアナウンスしており、団体列車のつもりで集客をかけたけど、集客に失敗したのかもしれない。
その後いわきと越後湯沢を結ぶ臨時列車は、武蔵野線を通らず上野経由で運転されたこともあったが、結局はスキー用の臨時列車をJR東日本が走らせることはなくなってしまった。
上越新幹線で十分と判断されたのであろう。
87.五能線の海・松本電鉄奥羽本線その1/奥羽本線その3 |
122.札幌雪祭りと北海道旅行仙山線 |
上野駅から、東北本線・仙山線・奥羽本線経由で青森駅に至る電車の急行であった。
自由席もあり、ワイド・ミニ周遊券では急行券を買わなくても自由席に乗れていた。
以前は福島から米沢経由で運行されていたが、山形新幹線つばさを走らせるために福島〜山形間は標準軌となり、津軽の車両が走ることができなくなったため米沢を経由せず、廃止前数年は仙台から仙山線経由で運行されることになったのである。
しかし近年夜行バスが津軽が経由する各地に走り始め、ワイド・ミニ周遊券を使わないという条件だとバスの方がかなり安いということもあり、次第に津軽は客が減っていった。
そして1993年に金土日の臨時列車となり、さらに盆暮れゴールデンウィークのみの運行となり、そして廃止されてしまった。
山形〜新庄間も標準軌になってしまっているのでもう津軽ルートに列車を走らせること自体できなくなってしまっている。
急行津軽に使用されていた車両は3段式寝台車と呼ばれている車両で、昼間は4人がけボックスシートとして運用が可能で、夜間は「組み立て作業」を行うと3段式寝台に変わるものであった。
その昔は便利な車両ということで全国的にこの車両を広めていこうとしていた時期もあったらしいが、設計が中途半端だったらしく、急行津軽がなくなってからは大阪〜新潟間の急行きたぐにで使われたりしていて、そのきたぐにも走らなくなってからは団体列車のみで使用されていたようである。
そのほか、交直流で使用可能という特性を生かして普通列車用に改造され、東北・北陸・九州で使われていたこともあったが、いずれも廃止になってしまっている。
注意しよう。
2019年5月発売の時刻表によると、7月27日・28日に秋田から青森まで臨時列車として急行津軽が走るとのことである。
ただし客車による運行とのことである。もともと津軽はぼくが乗った1994年以前には客車時代が長かったという話なので、運行区間は短くなったが以前の姿に近づいた姿らしい。
特急つがるが走っているのに急行津軽の名前で臨時列車を走らせるとは思わなかった。
5月18日・19日にも湯沢から弘前まで臨時列車として急行津軽が走っており、もし来年も急行津軽が走るなら、この項目は秋田〜青森、もしくは湯沢〜弘前の記述をメインにして、「ただし以前は上野〜青森間を結ぶ急行だった」という記述にしたい。
111.青森・十和田ミニ周遊券旅行東北本線その1/東北本線その3 |
上野駅から、東北本線経由で青森駅に至る急行であった。
1993年までは毎日運行されており、東北新幹線の工事中に長町〜東仙台間が貨物線だった時期を除けば常に全区間東北本線経由で運行されていた。
しかし1993年12月から金土日の運行となり、さらに時期が進むと盆暮れ正月ゴールデンウィークのみの運行となり、とうとう運行されなくなってしまった。
車両は廃止直前は電気機関車が客車を牽引して運行されていた。電源車は使われず、電源車と兼用の客車が利用され、その客車は常に発電エンジンが動作していてうるさくて不評であった。
自由席もあり、ワイド・ミニ周遊券では急行券を買わなくても自由席に乗れたこともあって好評であったのだが、1993年ごろから夜行バスが東北各地に走るようになり、どうもそれらが八甲田から客を奪っていたらしい。実際ワイド・ミニ周遊券を使わない前提だとバスの方が安いのである。
なくなったのが非常に残念な急行であった。
122.札幌雪祭りと北海道旅行函館本線その1/津軽海峡線 |
青森から津軽海峡線(津軽線・海峡線・江差線)経由で函館に行き、そこから、
・札幌行きは七飯〜大沼間で渡島大野(新函館北斗の当時の駅名)を通らない経路、大沼〜森間で大沼公園経由の経路
・青森行きは森〜大沼間で渡島砂原経由の経路、大沼〜七飯間で渡島大野を通る経路
を通って函館本線・室蘭本線・千歳線経由で札幌に至る夜行の客車急行であった。
青森〜函館間は青函トンネルをディーゼル車が走ることが禁止されているため電気機関車で牽引され、函館〜札幌間はディーゼル機関車で牽引されていた。
東北新幹線が八戸に来る前は、はまなすの車両は青森に着いてから快速海峡の車両として使用されることもあったが、八戸に来てからははまなすのみに使われていた。
この列車は宿代わりに使えることもあり、北海道を旅する旅行者に愛用されていた。指定席車、自由席車、寝台車があった。特に人気なのがのびのびカーペットカーであり、つねに満席になっていた。指定席料金で乗れて横になれるのが人気のもとだったそうだ(ただし廃止日のみ自由席はなく自由席車両も指定席になっていた)。
2010年4月以前は「北海道&東日本パス」という企画乗車券ではまなすの自由席に乗れたが、2010年7月から廃止数日前まで、この乗車券では別途急行券を買わないとはまなすには乗れなくなっていた。それと引き替えに有効期間が5日から7日に延長されたのではあるが。
2016年3月の北海道新幹線の開業数日前にはまなすは廃止されてしまった。これでJRの急行はすべて臨時列車になってしまったわけである。
せめて函館〜札幌間だけでも夜行列車を残してほしいとの願いもむなしく、はまなすの代替として新設されたのは、札幌〜室蘭間で室蘭行きはほぼはまなすと同時刻に発着する特急すずらん、札幌行きははまなすより1時間ほど遅い特急すずらんのみである。
もちろん、函館〜札幌間の夜行バスは相変わらず運行されている。
「北海道&東日本パス」は北海道新幹線開業に伴い値上げされたが、北海道新幹線全区間に特急券別途購入で乗れるようになった。
ただし道南いさりび鉄道には乗れないし、函館本線や室蘭本線の普通列車も数が減り、開業前より小樽経由も東室蘭経由も函館〜札幌の移動は困難になった。
現在、急行券を別途購入すると急行に乗れる効果は残っている。この効果が役立つ急行はいわきと鎌倉を結ぶ臨時急行ぶらり鎌倉号のみであったが、快速となってしまい、その後運行されなくなっていた。
しかし、2019年夏に奥羽本線の秋田と青森を結ぶ急行津軽が運行されることになり、全車指定席ではあるが、その気になれば北海道&東日本パスで乗ることが可能になっている。ただし指定席券は短時間での完売が予想される。
110.はじめてのひとり観光宿泊旅行石北本線その2 |
札幌から網走まで、特急オホーツクが通るルートと同じルートを通る夜行急行であった。ディーゼル機関車がボックス座席車と寝台車を牽引する列車であった。
宿代わりになるので便利な列車だったが、1990年代初めに、特急オホーツクの車両を効率的に運用したかったとかなんとかいう理由でもあったのか、廃止されてしまった。
同じ理由で夜行特急おおぞらになった根室本線の急行まりもは、その後特急まりもとして名称が復活していたが、大雪の方は名称が復活することはなく、まりもの廃止に伴い夜行のオホーツクも2008年3月をもって最後とすることをJR北海道は発表している。
長い間「大雪」の名前を持つJRの列車はなかったが、2017年3月、旭川〜網走間の「特急大雪」として名称が流用されることになった。
110.はじめてのひとり観光宿泊旅行釧網本線その1/釧網本線その2 |
根室本線の釧路駅から石北本線の網走駅まで、釧網本線経由で結んでいた急行である。
釧路から網走まで直通する列車の少ない釧網本線では貴重な列車であった。北海道を国鉄で旅行するのは北海道ワイド周遊券の客が多く、彼らは急行券を買わなくても急行しれとこに乗れるため、そういった客に使われていたと思う。でもさすがにそれではお客が少なすぎたのであろう、国鉄末期あたりに廃止されてしまった。
122.札幌雪祭りと北海道旅行宗谷本線その2 |
札幌から旭川を通って稚内に至る、函館本線と宗谷本線を通る昼間の急行であった。
寝台車が連結されていないことを除くと急行利尻とほぼ同じで、2人がけシートであった。
上りも下りもだいたい12〜14時ごろ出発し日が暮れてから終着駅に着く列車だった。
宗谷本線の高速化工事が終わると急行は廃止され、特急サロベツが走るようになった。札幌から稚内まで高速バスが走っているので通しで乗る人は少なそうだが、旭川〜稚内は2010年に高速バスが廃止されてしまったので、多少はお客がいそうな列車である。
特急サロベツは一時休止をはさんで十年以上札幌〜稚内間を走っていたが、2017年3月に旭川〜稚内間に短縮された。
それとともに、2017年2月以前の宗谷本線は「スーパー宗谷2往復+サロベツ1往復」だったが、3月以降は「宗谷1往復+サロベツ2往復」という体制になった。
サロベツに「1号〜4号」という番号がつき、替わりに宗谷から番号がなくなったわけである。気をつけよう。
122.札幌雪祭りと北海道旅行宗谷本線その1 |
札幌から旭川を通って稚内に至る、函館本線と宗谷本線を通る夜行急行であった。
急行と言ってもシートは2人がけでけっこう新しかった。寝台車も連結されていた。
宗谷本線の高速化工事が終わると急行は廃止され、数年の間特急利尻が走るようになっていた。車両も新しくなっていた。しかし季節によっては夜行の高速バスが稚内まで走るようになり、周遊きっぷや北海道フリーきっぷを使う人以外はあまり使わない列車になっていると思われていた。
その高速バスも1年を通じて通るようになったこともあって、特急利尻は2006年3月に毎日運行をやめてしまった。
その後2006年、2007年は夏季のみ特急はなたび利尻という名称で札幌〜稚内間を運行していたが、JR北海道は石勝線・根室本線の特急まりもとともに、今後二度と利尻を運行しないことを発表した。
夜行高速バスは札幌〜稚内間で相変わらず運行されている。