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60.大混雑・黒部峡谷鉄道

説明

背景

実は、この旅行に関してはあまり詳細に背景をお話しすることができません。とりあえず、

・きたる8月のとある日の深夜に越後湯沢を出発して十日町に着く交通手段が提示されているのを目にした
・その日はたまたま、ぼくの勤めていた会社が夏休みに入る日だった

という事情だけお話ししておきます。

計画

この提示を見た時、そう言えばまだ富山県の黒部峡谷鉄道に乗っていなかったなあと思い出しました。そして、十日町から北越急行とJRを乗り継げば午前中に魚津まで行けて、なんとか関東までその日のうちに帰って来られそうだと考えました。

越後湯沢に行くには、「提示」によれば臨時快速尾瀬・谷川号というのに乗ればいいようです。指定席があるので念のため取っておくことにします。無事取れたので「提示」に従うことにしました。青春18きっぷは7月に2回分使ったので、残った3回分のうち1回を使うことにしましょう。

魚津から普通列車だけで帰ると帰りがとても遅くなるので、途中の小諸で特急あさまに乗り換えて帰ることにしました。9月末に信越本線の横川〜軽井沢間は廃止されてしまうのでおそらく今回がこの区間に乗る最後のチャンスでしょう。あらかじめ乗車券と自由席特急券を買っておきました。

こうして夏休み前最後の勤務も終わり、風呂に入ってから尾瀬・谷川号の出る新宿駅に向かったのです。

上越線

新宿

新宿駅にやってきた。

夜10時過ぎに新宿駅にいる事情には3通りある。飲み会帰りか、鉄道旅行からの帰宅途中か、夜行列車で鉄道旅行に出発する時である。夜行バスはたいてい10時前に出発なのであてはまらない。
先月は夜8時ちょっと前に発車の夜行バスで新宿西口を出たが、きょうはかなりおそい時刻である。なにしろ以前乗った快速ムーンライト(ムーンライトえちごの1996年3月以前の名称)よりも遅いのだ。

これから乗るのは臨時の快速、「尾瀬・谷川号」である。会社のぼくが勤めている場所はあしたから夏休みなので、帰省用の荷物を持って新宿にいるのだ。多少大きな荷物だがまあなんとかなるだろう。
尾瀬・谷川号は越後湯沢行きである。ムーンライトえちごは高崎から長岡まで停車しないので、越後湯沢や水上や沼田にはこの快速で行くしかない。
ホームはムーンライトえちごとほとんど同じ場所で、もうムーンライトえちごは発車してしまったため、金曜の夜とは言え、山手線に比べてかなりすいている。

そのうち尾瀬・谷川号が入線してきた。指定席券にある車両に行く。ムーンライトえちごと違い、ボックス席の電車である。

ドアが開いたので入り、自分の席にすわる。まわりにはけっこう人がいる。けど、自分の席から離れたところはすいているようだ。
実はぼくは自分の指定席番号をインターネットで伝えてある。だからだれか見つけてくれるだろう。そのうちぼくを見て若い男がやってきた。
「あ、こんにち…」と言おうとすると男は「しーっ!」と口に指を当てた。ぼくの声ってそんなに大きいかな。
「あっちに行こう。ここよりすいている。」と言って男はかなり前の方の車両に行く。ぼくもついていくことにした。

その車両はなんと、まるで客がいなかった。どうやら、尾瀬・谷川号はまるで客がいないようだ。去年12月に京都から出雲市まで乗ったムーンライト八重垣(やえがき)も自分の指定席と離れた車両がまるで客がいなくて、終点までがらがらの場所ですわっていたことを思い出す。

発車

今いっしょにいるのは、ムーンライト八重垣でいっしょだった人たちは1人もいないが、鉄道ファンであることに違いはなく、これでいろいろな話ができるなと思った。
ほかの鉄道ファンたちも数人集まり、尾瀬・谷川号は越後湯沢に向けて発車した。

もちろん新宿から高崎線に行くわけだから、ムーンライトえちごと同じ経路を通る。池袋から駒込のあたりまでしばらくは山手線に沿って走り、謎のトンネルを通ると上中里が見えてくる。そして赤羽だ。

ムーンライトえちごは高崎で夜0時を過ぎるので高崎までのきっぷが必要だが、尾瀬・谷川号は赤羽で夜0時を過ぎるので赤羽まできっぷがあれば、赤羽から先は青春18きっぷが使えるのでだいぶお得だ。
そのうち車内改札がやってくる。みんな自分の指定席と違う場所にすわっているわけだが、すいているし何も言われない。そしていろいろおしゃべりしているうちに大宮を過ぎた。

なぜか電車の進みぐあいがのろのろし始めた。夕方下りの東武伊勢崎線や、朝の京王線みたいな感じだ。
「急行能登が遅れているんだよ」と男たちの1人が言った。そう言えば急行能登も赤羽で夜0時を過ぎるから、尾瀬・谷川号と似たような時間に走るんだっけ。

そんなふうにいろいろおしゃべりしていた。あまりくわしく書くことはできないが、とりあえずぼくが今回の旅で魚津に行って黒部峡谷鉄道に乗るつもりだと言ったら気をつけてと旅の無事を祈ってくれた。

高崎を過ぎる。ムーンライトえちごだともう寝る時間だが、なにしろぼくたち以外にこの車両には客はいないし、どうせあと1時間くらいで越後湯沢に着いて降りなければならないのだ。だからおしゃべりは続く。水上を過ぎ、トンネルに入っていく。

到着

そして電車は無事、終点の越後湯沢に到着した。午前2時前である。

ここまで乗ってきた客はぼくたちの仲間のほかにも多少はいるようだ。まあいろいろな用事があるのだろう。

ぼくはいったん駅を出ることにした。指定席券を渡して青春18きっぷを見せて改札を通る。さて、駅の近くにコンビニでもないだろうか?

ぼくは駅の東に出てみた。店らしいものは見つからない。

今度は西に出てみた。駅前広場を通って道に出てみたら、右手にセブンイレブンがあった。よし、買い物だ。
2リットルパックのペットボトルの飲み物を買い、プラスチックのコップも買っていく。そして駅に戻った。

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おわび

おわび

まことに申し訳ありませんが、上の「上越線」で越後湯沢に着いてから、下の「北越急行」で十日町を出発するまで、どこをどのように進んだかを書くことができません。

約束により、越後湯沢から十日町までのことをインターネット接続して閲覧可能にすることを禁じられているからです。

何か特別な手段により移動したと思ってください。

それでは、十日町から先については下の「北越急行」をごらんください。

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北越急行

十日町

北越急行の十日町(とおかまち)駅の自動券売機で、まずはきっぷを買う必要がある。
これから乗るのは直江津行きだが、直江津の2駅手前の犀潟(さいがた)までが北越急行で、そこから先はJRだから、JR部分については越後湯沢まで使った青春18きっぷがまた使える。
だからきっぷを買うのは犀潟まででいい。

もちろん自動券売機には犀潟と書いてあり、千円札を入れてボタンを押してきっぷを買った。これでよし。

さすがに朝早いので客は少ない。越後湯沢まで乗ってきた数人と地元客である。まずは改札を通ってホームに行こう。

3月に開業したばかりの北越急行である。4月には特急はくたかで十日町は通過したが、普通列車に乗るのははじめてだ。どんな電車なのだろう。

電車がやってきた。ピッカピカの電車である。どこかのお古というわけではなく、新車らしい。電車はいごこちがよければそれで十分である。乗ってすわる。客は少ない。出発。

発車するとたちまちトンネルに入る。はくたかでも半分以上トンネルだったからなあ。

直江津

ずっとトンネルを進み、トンネルを出るとまつだいである。なにしろ朝一番の電車なので乗る客も降りる客も少ない。なにしろことしできたばかりの路線で、沿線住民は自家用車が普及し切っているのだ。そんなところに鉄道を造ってもそれほど地元客がいるとは思えない。まあ、この路線も東京から富山や金沢に行く客が大半なのだろう。

そんなふうにして、ほとんどトンネルを進んでいく。
きょうのぼくは北越急行が最終目的地ではなく、あくまでも目的地は黒部峡谷鉄道なのだから、そんなに意気込まずに進んでいこう。

そしてようやく犀潟を過ぎて、信越本線に合流する。直江津から魚津までの間に海が見えるぞと思いながら進む。先月松山から小倉までフェリーに乗ったから海なんてそんなに珍しいものでもないのに、やっぱり鉄道から海が見られるとうれしいなあと思うのだ。

そして終点直江津に到着である。結局買ったきっぷは一度も車内改札されないままとなった。電車を降りる。

直江津から西に進む電車は、一番日本海寄りのホームの、階段からかなり富山寄りに歩いたところにあることが多いものだが、今度の電車はそのホームではないらしい。
階段を上がっておりればすぐ入口があるらしいので乗り換えが楽だなあと思いながら、ぼくは階段を上がった。

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北陸本線その1

直江津〜魚津

十日町から乗ってきた北越急行の電車を直江津で降り、階段を上がっておりて魚津に向かう電車の出るホームに進む。

そこに停車していたのは、なんと特急に使われる車両であった。どうやら普通列車として運行されるようだ。こんなこともあるんだなあ。まずは乗ろう。

特急用なので2列席であり、リクライニングするシートだ。海の見える右側の席にすわる。
北越急行はすいていたが、日も高くなってきたのでこっちの電車はけっこう学生が多い。
いつものことだが、夏休みでも部活のある学生は電車に乗っているのだ。そして発車。やがて海が見えてくる。

北陸本線は海がみどころである。やがて長いトンネルに入る。もうじき県境というところで学生たちは降りてしまう。電車は進む。また海が見えてくる。

海

いつものように海の中に高速道路が見える。北陸に来たんだなあと思う瞬間である。いつまで旅行ができるかわからないから、大事に景色を見なければならない。さらに進むとまた海が見えなくなる。

朝食

電車は富山の平野に入っていき、目的地、魚津に到着した。ここで降りるのは去年12月以来だ。電車を降りて青春18きっぷを見せて改札を出た。

時刻表どおりだと宇奈月温泉行きの電車が出るまで時間があるので、朝飯がまだだし、駅そばでも食べていくことにした。天ぷらそばを頼んだ。

そば

できあがった天ぷらそばの天ぷらは、関東で食べられる天ぷらと違い、天かすが丸く形どられていて、小さなえびが張り付いているものだった。

5月に九州に行った時に直方で食べた天ぷらそばは天ぷらという名前のさつまあげだったし、全国にいろいろな天ぷらそばがあるんだろうなあと思った。しょうゆの濃さはやや薄かった。まあとにかくまずくないそばが食べられた。ごちそうさま。

去年12月は富山地方鉄道の新魚津駅から歩いて魚津に来た。多少距離があった。あの時と同じ道を逆に歩けば新魚津に着けるだろうと思いながら、ぼくは新魚津に向けて歩き始めた。

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富山地方鉄道その1

旅行記本文

直江津から乗ってきた電車を魚津で降り、青春18きっぷを見せて改札を出て歩く。

8ヶ月ぶりに新魚津駅までやってきた。まずは宇奈月温泉(うなづきおんせん)まで電車に乗らなければならない。自動券売機があり、無事きっぷを買った。そしてホームに行く。

電車がやってきた。去年乗った電車とそれほど変わりはない。乗ってはみたが、客はほとんどいなかった。電車は発車する。

富山県のはずれではあるが、けっこう平野が続いている。去年城端(じょうはな)線に乗ったが、そこと同じような景色なのかもしれない。
もっとも城端線には夜になってから乗ったのであまりたいした景色は見えなかったのだが。

たいした距離ではないと思っていたが、けっこう終点までは時間がかかる。1時間以上かかった。
終点に近づくとだんだんと平野が狭くなる。日本のほとんどの場所は平野が狭いのだからありふれた景色なのだろう。そして終点、宇奈月温泉に到着。

電車を降りる。駅の大きさは去年立山黒部アルペンきっぷで旅行した、同じ富山地方鉄道の立山駅と同じくらいで、それほど大きくもない駅だった。

さあ、いよいよぼくが富山で最後に乗る鉄道となる黒部峡谷(きょうこく)鉄道だ。まずは駅を出た。
しかし駅の近くには黒部峡谷鉄道らしい駅舎は見あたらない。どのくらい離れているのかなと思いながら、ぼくは道路を歩き始めた。

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黒部峡谷鉄道

行列

新魚津から乗ってきた富山地方鉄道の電車を宇奈月温泉(うなづきおんせん)で降りたものの、駅のすぐ前には黒部峡谷鉄道らしい鉄道は見あたらない。

歩く必要があるのかなと思い、道路を歩くが、歩道がない。
まあいいかと山奥に向けて歩いていくと、観光バスがたくさん停車している駐車場が見えてきた。うわ!すごい人の数だ!
なるほど、富山地方鉄道の客の数がたいしたことがないから客が少ないかと思っていたが、直接バスが黒部峡谷鉄道の宇奈月温泉駅に乗り付けるのだろう。
駅もかなりりっぱなつくりで、富山地方鉄道の駅より大きな建物だ。今の時間だと、きのう温泉宿に泊まった客も黒部峡谷鉄道に乗る時間帯のようだ。まずは駅舎に入ってみよう。

入ってみた。うひゃーすごい人の数だ。長い行列になっている。どうやらこの行列に並んできっぷを買わなければならないようだ。
時刻表によればもうすぐ次の列車が出る時刻だが、この列が進んできっぷが買えるころには発車してしまいそうだ。とにかく並ぶ。

なんでもきのうは台風のせいで黒部峡谷鉄道は運休だったそうだ。だからきのうの分まで客がいるとのことである。まあ8月だからなあ。こんなものなんだろう。

きっぷ購入

予想通り、並んでいる間に1本列車が発車するようだ。もしも行列ができていなかったら乗れる列車だけに乗れないのがくやしいものである。
列車を見ると混雑している車両とすいている車両がある。
混雑している車両は運賃だけで乗れるトロッコ列車で、すいている車両は特別料金が必要な車両らしい。ここからは遠いのであまりよくわからないが、すいている車両の方は背もたれがあるけど、混雑している車両はどうやら背もたれがなさそうだ。これから先どうなるのか不安になった。

列車が発車していく。はたして欅平(けやきだいら)まで行って戻るまでにどれくらい時間がかかるのだろうか?
じりじりと行列が進んでいく。
ようやくぼくの順番が来た。欅平までのきっぷを買う。なんでも次の列車はさきほど発車した定期の列車とは違い、臨時の列車だそうで、トロッコ列車のみの単一編成とのことだ。どっちにしろ一番安い列車に乗る予定なのでそのまま買うことにする。運賃だけで乗れるようだ。往復買うことはできず、帰りのきっぷは欅平で買わなければならないとのことだ。

きっぷを買うとホームで待つことになる。
待っている間にもう1本列車が見える。あれ?案内にはない列車だぞ?
よくよく列車を見ると、みんな作業服を着た人たちばかりだ。
どうやら黒部峡谷鉄道のダイヤは、「一般客用列車」と「作業員用列車」が混合したダイヤになっているらしい。

こんな鉄道会社もあるんだなあと思う。なにしろ黒部ダムは建設当初は増え続ける電気需要を水力発電でまかなおうとする大事な国策だったわけだから、いろいろあるのだろう。作業員用の列車が発車していく。

宇奈月温泉〜鐘釣

そしてようやくぼくたちが乗る列車が入線してきた。乗り込もう。

なんとも狭い席である。
さっき見たとおり、背もたれはない。ベンチシートだ。
前後の幅が狭く、50センチくらいだ。だから前にすわっている人の尻が目の前にあり、尻を避けて脚を左右に広げてすわらなければならない。
そしてぼくは帰省用の荷物(バッグ)を持っているが、前にも横にも置けないから右上にかつぐしかない。そんなふうにして満席になる。そして出発だ。

宇奈月温泉の盆地を離れるとすぐに川と山しか見えない場所にやってきているようだが、あまり景色を見る気がしない。列車がすれちがうのが見えるくらいである。駅でもないところですれちがうので信号場がたくさんあるのだろう。

それにしてもこの路線、本当にいかにも「作業用の路線を一般客にも開放している」といった感じだ。
けっこうトンネルが多いが、掘ったままで土がむきだしなのだ。そして露がたれてきて、トロッコ列車には窓がないのでその露が吹き込んでくる。
トロッコ列車はゆっくりゆっくり進むので距離のわりに時間がかかるが、なるほどこれではゆっくりとしか進めないだろう。
時刻表に宇奈月温泉から欅平までの距離と時間は載っているので、それだけ見てもかなりゆっくりであることがわかる。

とにかく長い時間ゆられていた。やっぱり荷物はロッカーに預けていくべきだったのかな。
川の水はずっと同じようなものだが、上流に進むにつれてだんだんと水は少なくなってくるようである。

途中丸い建物があった。なんでも水力発電所とのことである。黒部ダムも水力発電所だが、ほかにもいくつか発電所があるようだ。たいへんである。トロッコ列車は山の奥に入っていく。

鐘釣〜欅平

そして列車は鐘釣(かねつり)に到着した。お、けっこう客が降りる。
鐘釣はこんな山の中にしては盆地が多少広くていろいろな施設があるらしく、客がけっこう降りるのだ。おかげでかかえていた荷物を床におろすことができた。そしてまた発車。

景色はまた山の中に戻り、さらに登っていく。
そしてようやく終点、欅平に到着した。ここは鐘釣よりややせまい盆地のようだ。とにかくみんな降りる。

向こうの方にさらに登る道があるようだが、どうやらあれは関係者専用らしく、一般客は進めないようだ。あれをさかのぼるとおそらく去年行った黒部ダムに行けるのだろう。
降りた客たちはどこか散策するコースでもあるらしく、どこかに散っていく。

さてぼくだが、予定よりおそいトロッコ列車に乗ったため、すぐに帰りの列車に乗ることに決めた。
全く観光もできず心残りだが、なにしろぐずぐずしていると今日じゅうに関東に戻れない。ただちに帰りのきっぷを買おう。
こんな行き止まりの駅だが、ちゃんと窓口があり、たくさんの客に備えて宇奈月温泉と同じく広いつくりになっている。幸いなことにあまり人は並んでおらず、すぐにぼくの順番が来た。
係員に、今すぐ出る宇奈月温泉行きのきっぷをくださいと言ってきっぷを買った。よかった。これでなんとか帰れる。ただちにホームに向かう。

欅平〜鐘釣

帰りの宇奈月温泉行きのトロッコ列車に乗る。行きと同じく運賃のみなので背もたれのない木の座席だが、行きに乗った人たちの大半はしばらく滞在するようで、帰りの車内は3割くらいしか席が埋まっていない。
すぐ前に前の人の尻があるようなこともなく、大きな荷物が床に置けるので楽だ。そして発車。

しばらくは行きに見た景色を見ながら進んでいく。もしかしたら鐘釣で、行きに降りた人たちが乗ってくるかもしれないなと思いながら鐘釣に着いた。しかし予想に反して客はそんなに乗ってこなかった。まずはほっとした。

となりにすれ違う列車が見えた。あれ?あの列車、進んだり戻ったりしているぞ!
鐘釣駅はスイッチバック駅なのかな?それにしては今乗っている列車も、行きに乗った欅平行きもスイッチバックとかしなかったっけ。

いろいろ考えたが、あの列車は編成が長く、今乗っている列車はトロッコ列車車両だけの列車で編成が短いため、編成が長ければスイッチバックし、短ければスイッチバックしないのだろうと考えた。
のちにぼくは、長野電鉄の湯田中(ゆだなか)駅でこれと同じようなスイッチバック駅を体験するのである(2009年現在湯田中駅はもうスイッチバック駅ではないとのことである)。

鐘釣〜宇奈月温泉

そして鐘釣を発車する。あとはもう大量に客が乗ってくる駅はなさそうだ。
席に余裕があるので行きより景色をじっくりながめられる。去年見た上流の黒部ダムはそりゃ大きなダムだったが、黒部峡谷鉄道から見える川も小さなダムの連続になっている。
川に木々が浮いているのだ。だから水も多少にごっている。

ぼくはこれを見て、うーん、もしかしたらダムって貧しさの象徴なんじゃないかと考えてしまった。
貧しいからダムを作っていろいろ役立てなければならず、住んでいる人が立ち退かなければならない。豊かならダムなんか作らなくてもいい。そんなふうに、ダムの醜さというものを実感したのだ。

川

そんなことを考えながらトロッコ列車は進んでいく。トンネルをいくつも通る。山に囲まれた景色はだんだんと平野の景色に変わっていく。

やっと終点の宇奈月温泉に到着した。たいした時間もたっていないのかもしれないが、それ以上に気疲れした旅だった。まっすぐ帰ればなんとか今日じゅうに帰れる時刻だ。ぼくは黒部峡谷鉄道の駅を出て富山地方鉄道の駅に向かった。また歩道のない道を200メートルほど歩くことになる。

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富山地方鉄道その2

旅行記本文

欅平(けやきだいら)から乗ってきたトロッコ列車を宇奈月温泉(うなづきおんせん)で降り、とぼとぼ歩く。なんとか富山地方鉄道の宇奈月温泉駅にやってきた。

黒部峡谷鉄道に乗る客の大半は宇奈月温泉駅にバスでやってくるらしいが、富山地方鉄道を使う客もかなりいる。

今度の電車は「特急」とのことである。しかし特急料金は100円だ。もっとも指定席だともうちょっと高いらしい。なにしろ早く帰りたいので迷わず新魚津まできっぷと特急券を買ってホームに行き、特急と呼ばれるそれほど新しくない電車に乗る。さすがに客はいっぱいだ。発車。

立っているとあまり景色が良く見えないが、行きにも来た場所だし、まあこんなものでいいかと思い、数十分立っていた。そして新魚津に到着。さすがに特急は停車しない駅があるから、午前中に乗った宇奈月温泉行きより乗っている時間は短い。電車を降りた。

午前中と同じく、JRの電車まで待ち時間がある。午前中より待ち時間が長く、食堂に寄れそうだ。JRの魚津駅まで行き、食堂はないか探した。

喫茶店っぽい店があった。入ってみるとどうやら食事もやっているらしい。スパゲッティでもたのむことにした。

食堂

無事それほど時間もかからずにスパゲッティがやってきた。ずるずるずる。きょうもうまかった。

店を出て魚津駅に向かった。

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北陸本線その2

旅行記本文

スパゲッティを食べ終わると、店を出て数時間ぶりに魚津(うおづ)駅に戻ってきた。

もう別に食事しなくてもいいのだが、帰りが遅くなるのでなんとなく駅弁でも買って食べようと思った。
ぼくが買ったのは「白馬弁当」という駅弁だった。まだまだ電車まで時間もあるし、ベンチで食べてしまうことにした。青春18きっぷを見せて改札を通り、ホームに行き、ベンチにすわって白馬弁当を食べ始める。

弁当

けっこう栄養のバランスのとれた幕の内弁当系の駅弁だった。となりには「ますのすし」も売っていたが、幕の内系にしてよかったと思った。

弁当を食べ終わるともうそろそろ直江津行きの電車がやってくる。
電車がやってきた。朝乗ったような特急の電車ではなく、普通列車用の電車だった。やっぱり混雑しない電車はいいなあ。

電車は直江津に向けて発車する。そのうち海が見えてくる。
つい数時間前に見た景色だが、午前と午後では多少景色が違う気がする。季節が違うともっと違うだろう。
こうやって同じ場所でも違う季節に何度も来て、いろいろな景色を見てみたいなあと重いながら進んでいく。
糸魚川(いといがわ)を過ぎると長いトンネルに入っていく。トンネルを出るとまた少しだけ海が見えて、見えなくなり、終点直江津に到着である。

今度の電車も朝乗った電車と同じで、直江津のホームは遠い場所でなく、信越本線に乗り換えやすいホームに到着した。階段はすぐそばにある。旅行ももうすぐ終わりだ。ぼくは高崎行きの電車に乗り換えるため、電車を降りて階段を上がった。

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信越本線その1

旅行記本文

魚津(うおづ)から乗ってきた電車を直江津(なおえつ)で降りた。去年暮れに乗った時はかなり離れた位置に到着した電車だが、きょうは違うホームに到着した。朝もそうだったし、直江津はホームが固定されてはいないようである。

とは言っても階段を上がっておりることには変わりない。多少は時間に余裕があるし、なんとか高崎行きに乗り換えた。

でもきょうは高崎まで乗らず、小諸(こもろ)まで乗って、あとから追いかけてくる特急あさまに乗り換える予定である。もうきのうの赤羽から青春18きっぷを使い、十分もとがとれたからこれでいいだろう。

この電車が走る区間のうち、篠ノ井(しののい)〜軽井沢はなんでも「しなの鉄道」というのになるそうだ。ずっと前に国会で決まったことを適用する第一号だそうで、新幹線と引き替えに失うものって大きいんだなあと思う。

電車は直江津を発車する。もうだいぶ暗くなっているのであまり景色は見えない。
お客はけっこう多い。長野までは去年暮れに乗ったからそんなに景色をじっくり見る必要もないだろう。山々の間を通り抜け、長野駅に着いた。客が入れ替わるが日が暮れているのでそれほど客は増えない。

電車は篠ノ井を過ぎ、あと一ヶ月ちょっとでJRでなくなる区間を走っていく。谷間を進む。
上田を過ぎる。上田で乗り換えれば小諸と違って階段をのぼっておりなくてもあさまに乗り換えられるらしいが、できるだけ運賃は安いほうがいいからやっぱり小諸まで乗ることにする。暗い中を電車は進む。

電車は遅れることもなく、目的地、小諸に着いた。もちろん、あさまに抜かれるため停車しますというアナウンスがある。ぼくは電車を降り、階段を上がった。

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信越本線その2

旅行記本文

直江津(なおえつ)から乗ってきた電車を小諸(こもろ)で降りた。今度来る上野行きの特急あさまは階段を上がっておりないと乗り換えられない。乗り換える人はぼくだけのようで、なんとかとなりのホームに来た。あさまがやってくる。

ドアが開くので自由席に行く。もう暗くなっているのですいている。発車だ。座席にすわる。

暗いから景色は見えないが、じきに軽井沢に着いた。しばらく停車するといよいよ碓氷峠である。

どうやらぼくはきょうが信越本線の碓氷峠を通る最後になるようだ。

あと一ヶ月とちょっとしかここに電車は通らないのだ。でもそんなに貴重な時間を過ごしているという感じはしない。
もう10回か20回くらい通っているこの線路が本当に廃線になるなんて、今はまだ信じられない。

傾いて進む特急電車にゆられながら最後の乗車を楽しんでいた。10月からは「あさま」は新幹線の名前となり、来年の長野オリンピックに出場する選手もおおぜい乗るのだろう。

オリンピック

そして横川に到着である。けっこう疲れた旅行だったが、もうすぐ終わるなあと思いながらぼくはあさまにゆられていった。

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