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61.田沢湖線の普通列車

説明

背景

1997年は春までに東京に近い鉄道はほとんど乗ってしまっていた時期でした。
そして夏、青春18きっぷが1回分余ることになり、8月の最終週にどこかに行けることになりました。さてどこに行くのがいいでしょう。

去年、おととしならムーンライトながらで名古屋に行き、名古屋近郊の私鉄に乗ってその日のうちに帰ってくるところです。 しかしもう該当する鉄道にはすべて乗っております。

ここは田沢湖線の普通列車に乗ってみたいと思いました。なにしろ、秋田新幹線こまちが開通して、盛岡〜大曲の普通列車は福島〜山形と同様に標準軌の電車になっているのです。
でも、この夏は小田急京王のスタンプラリーをしていて、8月の最終週にあと1日乗ってみたいところでした。土日の片方を小田急京王、もう片方を青春18きっぷ旅行にしたいです。
田沢湖線沿線に行くには、夜行の快速があれば使いたいところですが、ムーンライトえちごはあまり役立ちそうにありません。

計画

ここは秋田行きの夜行の高速バス・フローラに乗るのが良さそうです。しかし、田沢湖線は大曲から盛岡まで直通する本数が少なく、秋田まで行って普通列車で盛岡に向かうのはむずかしそうです。
フローラは田沢湖線の途中の角館(かくのだて)にも立ち寄っており、ここで降りて盛岡行きに乗れば東京まで帰れることがわかりました。よって、

・土曜:小田急京王スタンプラリー・新宿に向かい、フローラに乗る
・日曜:角館から東京に帰る

という計画にしました。仙台から東北本線で帰ってもいいのですが、ここは1つ、常磐線に乗ってみようと思いました。岩沼からいわきまでは国鉄時代に通ったきりでJRになってからは一度も通っていないので、ひさしぶりに通ってみたいといったこともあります。

フローラのチケットは、7月の旅行の新宿〜松山市みたいに地元の旅行会社で買っても良かったのですが、7月の終わり、ちょうどフローラに乗る1ヶ月前に小田急京王スタンプラリーを開始し、新宿に立ち寄れることもあったので新宿で買うことにしました。
おそらく出発地の小田急ハルクで買えるんじゃないかと思い、行ってみたところ窓口があり、無事手数料なしで買えました。

そして夏休みも終わり、8月最終週を迎え、小田急京王スタンプラリーで小田急と京王に乗りまくって土曜日の夕方に新宿駅にやってきたのです。

高速バス・新宿〜角館

新宿駅西口

8月のとある土曜夕方、ぼくは小田急と京王のスタンプラリーを終わり、新宿駅にやってきた。
去年は小田急と京王の全駅でスタンプを集めたが、今年は小田原や橋本など、端の駅のスタンプしか集めていない。まあ、全駅集めてもたいしたものはもらえないし、こんなものでいいだろう。

さて、予約しておいた秋田行き夜行バスのフローラは、小田急ハルク前から発車するようだ。去年9月に福山から乗ったエトワールセトが到着した場所だ。
と思っていたらそのエトワールセトがやってきた。福山を経由して三原に向かうバスだ。きょうも混雑していて2台編成で発車だ。

続々客がやってくる。新宿は京王バスターミナルとJR新南口のターミナルから出るのが多数派で、小田急ハルクから出る便はそれほどでもないが、秋田行きは混雑するようだ。どうやらきょうも満席のようである。
しかし予約していない飛び込み客の男性がやってきた。乗れるのかなあ?

エトワールセトが行ってしまうと乗り場に「センチュリーハイアット」と書かれたバスが停車した。ここからホテルまで連絡するバスのようだ。
でもここに停車しているとフローラが停車できないんだけど、どうなるんだろう?

発車時刻になり、フローラがやってきた。するとセンチュリーハイアットのバスは場所をどいて、そこにフローラが停車するのである。とにかくきょうも無事乗れそうだ。
荷物は少ないので預けずに乗ってしまう。さきほどの予約しなかった人は、キャンセルが出たらしく乗れたようだ。

発車

バスは発車し、いつものように案内ビデオを映している。

首都高に上がり、しばらくは東京駅の方向に進む。このあたりは何回か通っており、いつもは右に曲がって芝の方向に進んだものだった。しかしきょうは右には曲がらずに進む。
首都高は線路をまたぎ越す。景色からして東京駅と神田駅の間らしい。

かなり渋滞している。土曜の夜だけどけっこう渋滞するもんなんだなあ。なおものろのろとバスは進む。
川に出た。川の上を高速道路が走っている。ここは隅田川のようだ。

川

そう言えば東京駅から水戸駅やつくばまでバスに乗ったことがあったが、確かここを通ったような気がする。しばらくはその時通った場所を通るけど、もちろんこのバスは東北自動車道を通るからどこかで別の方向に進むのだろう。

浅草の近くに来たようだ。もう午後10時である。だんだん渋滞がおさまってきた。
さらに北に進む。荒川を越えて埼玉県に入ったようだ。もう渋滞せずすいすい進むようになり、一路北を目指して進んでいった。そのまま時間が過ぎる。なにしろ夜行バスで東北自動車道沿いに進むのははじめてなので景色が新鮮であり、飽きさせない。

右に森が見えるようになった。おそらく佐野藤岡インターチェンジを過ぎたころなのだろう。佐野藤岡インターチェンジを過ぎると東北自動車道はずっとこんな風景のまま過ぎるのである。
きょうは小田急ロマンスカーに小田原まで行って戻ってきたのでかなり疲れている。そろそろ眠ろう。おやすみなさい。

到着

目がさめた。

目がさめたのは交代運転手がアナウンスをしているせいだった。外は多少明るくなっている。窓の外を見た。
なんとまだ高速の上にいる!

この景色は見覚えがある。3月に今は亡き「特急秋田リレー号」で通った北上線沿いだ。
あの時秋田リレー号からは高速が見えた。あの時は高速はまだ工事中だったはずだ。それがもう営業しているのである。

ぼくはフローラはてっきり盛岡まで高速に乗って田沢湖線沿いに西に向かうんだろうと思っていた。それだったら角館は盛岡と秋田を結ぶほぼ直線上にある。
しかし北上のジャンクションから西に向かい、北上線沿いに進んで横手を通るんだったら角館は横手と秋田を結ぶ一直線上にないことになる。
もしかしたらフローラはそのうち角館を通らなくなるかもしれないと思った。今はまだ盛岡経由だったころとの「互換」のため角館にも停車しているのだろう。

さて、夜が明けて明るくなると景色が見えてくる。その景色からしてフローラは奥羽本線沿いに入ったようだ。ほとんどの人は秋田まで行くらしくそれほど起きる人はいない。
そして大曲のインターチェンジを降りて一般道に入ったようだ。あとはこまちから見える景色と似たような景色が見える。

そして朝6時前にフローラは角館の停留所に停車した。ぼくを含めて数人が降りることになる。
降りてみたものの、ここからはJRの角館駅は見えないようだ。角館にはおととしの11月に来ているけど、その時に見た景色とはまったく違う。

こりゃ駅まで歩いてかなり時間がかかりそうだな、と思いながら、ぼくは中心街がありそうな方向に向けて歩き始めた。

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田沢湖線

停留所〜角館駅

新宿から乗ってきた秋田行きの夜行バス・フローラを角館(かくのだて)の停留所で降りたが、停留所の前にJRの駅は見あたらない。
ここは南には集落があるが北には山しかないようなので、おそらく南に進めば駅があるんじゃないかと思い、南に歩いてみることにした。

しばらく畑っぽい、空き地っぽい中にところどころ住宅がある景色が見える。おじいさんが犬を連れて走っている。まだ朝5時ちょっと過ぎなのに早起きだなあと思う。
古い家の前に出た。「武家屋敷」と案内されている。観光名所のようだ。

古い建物

しかしぼくの実家と似たような家に見えたし、あまり珍しい家には見えない。やっぱり観光地と言ったらお寺や神社の方がふさわしいような気がする。なおも南に歩く。

なんとか街の中心街っぽい場所に出た。郵便局があり、多少広い道路には車が走っている。案内図を見かけたので見てみた。
しかし案内図の中に駅はない。それどころか「現在地」の表示さえない。街の案内図で一番大事なのは現在地の表示なのに、それがないんじゃ案内図の意味がない。
たぶん駅は街はずれで、さらに南に歩く必要があるんじゃないかと思い、さらに歩く。

右の方に陸橋が見えた。陸橋だからたぶん田沢湖線をまたぎこしているはずだ。行ってみよう。
なんとか陸橋にたどりつき、上がってみた。左右を見たが駅は見えない。レールを見ると単線だ。
しかし左の方にポイントがあって分岐しているのが見えた。おそらくあの先に角館駅があるんじゃないかと思い、左に進んでみることにした。

田沢湖線に沿って道をさらに進んで、おととし11月に降りたことのある角館駅に、なんとか盛岡行きの出る時刻までに到着した。たっぷり1時間はかかっただろうか。
時間に余裕があるからいいものの、急な用事には間に合わないだろう。
そばに「フォルクローロ角館」という建物があった。宿泊施設のようで、宿泊施設はりっぱなようだ。

角館〜盛岡

まだちょっと時間があるので朝食が食べたい。
しかしどうやら駅のコンビニで買うくらいしか方法がないようだ。弁当を買って食べていく。

弁当

食べ終わると青春18きっぷを取り出し、最後の5日目のところにスタンプを押してもらって改札を通る。

電車がやってきた。新型の電車である。田沢湖線の狭軌時代は特急たざわしか乗ったことがないので普通列車ははじめてとなる。

乗るとボックス席がある。車番を見るとどうやらこの電車は東北地方で良く見られる701系のなかまらしいが、狭軌の701系がオールロングシートなのに、ここの701系はボックスシートとロングシートが交互に現れる独特の配置になっている。
なかなかおもしろいなあと思いながらロングシートの方にすわる。さすがに朝なのでそれほど客はいない。そして発車。

特急たざわやこまちでしか乗ったことのない区間を普通列車で通っていく。しばらくは盆地だったが、やがて山の中に入っていく。
しかし、たざわで見かけた景色とどこか違うような気がする。こんな場所通ったかなあ?
もしかしたらレールを標準軌にする工事の時に、多少線路を通す場所を移動したのかなあと思う。山よりむしろ森が多い場所である。シェルターみたいなところも通る。雪深い場所だからだろう。

そして森をぬけ、盛岡に続く平野に出たようだ。山が遠くに見える。日曜だからかあまり客は乗ってこない。
奥羽本線で福島に行く時と同様に、盛岡の手前でレールが分かれ、電車が通らないレールの方は高架に向けてのぼっていく。こまちの通るレールなのである。
そして市街地が近づき、電車は終点盛岡に到着した。電車を降りる。

ふと床を見ると「一ノ関方面」と書いてある。はて、ここのレールは標準軌しかないから、田沢湖線の電車しか通れないはずなのになあと思った。たぶん消し忘れているのだろう。
ぼくは階段を上がり、本当の一ノ関方面の電車が出るホームをめざした。

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東北本線

盛岡〜一ノ関

角館(かくのだて)から乗ってきた電車を盛岡で降り、階段を上がっておりて一ノ関行きの電車の出るホームにやってきた。いつもの紫色のオールロングシートの電車だ。
乗ってすわるとあとからあとから客がやってきてたちまち満席になった。

学生っぽい若い客が多く、男女同じくらいである。そして発車。
さすがに夜行明けなのでたちまち眠ってしまった。

目が覚めた。電車は停車している。どこの駅かな。
なんと駅じゃない場所だった。はたしてどういうことかな?

目の前の車掌室を見ると、なんと車掌がいない!
車掌室ごしに窓の外を見ると、車掌らしい人ともう1人の男が線路をこっちに向けて歩いている!

いったい何があったのか不明だが、彼らが電車に乗り込むとじきに電車は発車した。

この日何があったのか全然わからなかったが、その後電車に乗っていると「線路に人が立ち入った模様ですので確認のためしばらく停車いたします」というアナウンスとともに電車が立ち往生することがよくあり、この日もそれだったんじゃないかと思った。いずれにしても鉄道会社に勤める人はたいへんだ。

一ノ関行きの電車は遅れているようだ。もともと10数分の乗り換え時間が一ノ関であるはずだが、乗り継ぐ仙台行きに間に合うか心配になってきた。
そして15分くらい遅れて電車は一ノ関駅に到着した。はたして仙台行きは待っていてくれるだろうか

一ノ関〜仙台

最近の東北本線のダイヤは乗り換え時間がとてつもなく長いことが多いが、このときばかりは長いことがありがたかった。なんとか待っていてくれたようだ。
階段を上がり、おりる。盛岡から仙台まで普通列車で行くときはいつも一ノ関駅で長い乗り換えになる。なんとか仙台行きの電車まで来たのでおおぜいの客に続いて乗る。今度もオールロングシートだ。

さすがにすわれない。そして発車。
途中の小牛田(こごた)で乗り換えが必要な電車もあるが、きょうは小牛田では乗り換えなくていいのでまだましかと思いながら山の中を混雑した電車は進んでいく。じきに田んぼの広がる平野に出るが、小牛田を過ぎるとまた森がそこここに見える景色になる。

米

松島を過ぎる。仙石(せんせき)線の高城町(たかぎまち)が近くにある駅だ。このあたりは仙石線がすぐそばにある。
左手に仙石線っぽいレールが見えてきた。と、しばらくすると右に見えてくる。
地図を見ればわかるが、仙石線の方が右に見える区間があるのだ。そんなふうにして森を進んでいく。そして仙台の市街地が見えてきて、スピードを落とし、終点仙台に到着である。電車を降りた。

だいぶ腹が減ったので昼食である。時間がなければ駅弁だが、こんどの常磐線いわき行きまで多少時間があるのでここは駅そばである。
ここでぼくは階段を上がっておりて4番線に移動した。4番線の駅そばを食べるのだ。
約15年前に聴いていたラジオ番組で仙台駅の4番線の駅そばが「たべものベストテン」で取り上げられていたからである。

野菜天ぷらそばを注文する。ちゃんとねぎが入っている。仙台を離れてもうすぐ10年、青春18きっぷでほんのちょっと駅に寄ることくらいしかできないが、いつまでも栄えていてほしいものだと思う。

そば

野菜もねぎも天ぷらもそばもうまかった。ごちそうさま。

さあ、常磐線の出るホームに行こう。

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常磐線

仙台〜いわき

仙台駅4番線ホームで野菜天ぷらそばを食べ終わると、ぼくは階段を上がり、常磐線のいわき行き電車の発車するホームを見つけて階段をおりた。

どうせなら一番前に行こうと思い、前の方に進む。電車がやってきた。乗ってみるとオールロングシートだ。
ロングシートは座高の高いぼくでも頭のうしろに窓があってよりかかることができるので好きである。運転手席のすぐうしろに行こう。そして発車。

いわきより北の常磐線に乗るのもひさしぶりだ。あのころはまだ国鉄だったし、いわきではなく平(たいら)という駅名だった。
いつも東北本線に乗る時に見る景色だ。テレビ塔が3本見え、広瀬川を渡り、山の上の方まで見える家並みを見て岩沼に着く。
そこから先はいつもと違い、東北本線の方が右に分岐して去っていく。そんな景色が後ろの窓の外に見える。

仙台駅を出た時はけっこういっぱいだった客はどんどん減っていき、がらがらになった。
常磐線は海が見えるのでしばらくはいねむりせずに起きていた。海が見えてきた。

海

先月は松山からフェリーに乗ったし、今月はじめにも親不知近辺の日本海を見たばかりだったけど、海はいい景色だから見られるチャンスがある時はじっくり見るようにしているのだ。

海が見えなくなると車内を見回す。あの女性、色っぽいなあ。
ロングシートは距離が離れている他の客がよく見えるので好きなのだ。ボックスシートだとそれほど視界がきかず、見えるのはすぐ近くだけなので、たとえ色っぽい女性がそばにいてもじっくり見るわけにはいかない。だからこうやってすいているロングシートの電車に乗った時に見ておくのだ。

でも、さすがに夜行バス明けなので眠い。盛岡から一ノ関までぐっすり眠ったにもかかわらず、ふたたび眠ってしまった。

目がさめると目の前に女の子がいる!

そう言えばぼくは運転手のすぐうしろの席にすわっていたんだった。
女の子は前方のレールを見ているのだ。このあたりでは東京近辺と違って運転手のうしろの窓を幕で閉めることはなく、ここからレールが見えるのだ。やっぱり鉄道のファンっていうのはいいものだなあと思う。かわいいなんて言ったら失礼かもしれないが。
そうこうしているうちにこの電車も終点、いわきに到着である。

帰宅

いわきで上野行きに乗り換えである。今度の電車もオールロングシートのようだ。仙台からいわきまでの電車と違い、ピッカピカの新型のようだ。乗ってすわると発車。いわきより南の電車に乗るのは北とは違い3年ぶりだ。

東北本線沿いを進むと福島と栃木の県境付近はそんなに客は多くないが、常磐線沿いの福島茨城県境はけっこう客が多い。にぎわっていていいなあと思う。

水戸が近づくと客が多くなってくる。
でも女性ばっかりだ。ミニスカートの制服の女性が多い。なにしろロングシートだから目の前にはふとももがずらっと並んでいるのだ。やっぱりオールロングシートはいい。ぼくと同じようにオールロングシート礼賛(らいさん)派をインターネット上で見つけようとしているのだが、なかなか見つからない。

脚

そう言えば盛岡と仙台の間では男の客も多かったなあと思った。
おそらく水戸近辺では男はみんな車に乗っているんだろうなあと思った。そんなふうにして東京へと帰っていった。

これでこの夏の青春18きっぷの旅は終わりである。来週は休んで、再来週の敬老の日を含む3連休には北近畿ワイド周遊券を使った旅行が待っている。500系のぞみと急行砂丘、急行かすがに乗る予定だ。

来週は遠くへの旅には行かないが、三浦海岸にでも行って砂浜を歩いてみたいなあなどと考えながら、東京へ帰っていった。あしたは仕事だ。

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