大切な仲間を探す旅。
長らく一人旅にも慣れて来た私は悠久の古都まで足を伸ばしてみた。
人気のない大地、遺跡なのか大きな直方体の岩が傾いて大地に刺さっている。
乾いた冷たい風が吹く。砂埃が舞い、私の視界は黄色の膜に覆われたみたいだ。
鈴を鳴らす。澄んだ音は吹き付ける風の音にかき消された。
反応なし?
少しがっかりする私の耳に微かなコダマが返ってきた。
小妖精の反応だ。私はその反応に向けて走り出していた。
もしかしたら、あのコ達が待っているのかもしれない。
期待が膨らむ。違うかもしれない。でも、もしかしたら・・・?
「何をしている?」
「うわっ、あーびっくりした。いや、この辺りに小妖精が居そうだから・・・って。あ!」
「オレのコトを探しているのか?」
不意に背後から声をかけられた。声の主はどうやら反応の主らしい。
薄いガラス細工のような羽根が太陽の光にきらめいて見えた。
「う、うん。あのね、夜羽とメフィアって男のコピクシー見た事ないですか?」
「ない。」
どきっぱり、即答されて次の言葉につまる。
「んと、じゃぁね。ムリにとは言わないから、待ってるマスターとか居なくて、ヒマで退屈
で、特にすることがないなら。アタシとしばらくの間だけでいいから旅してくれないかな?」
「別に、構わない。」
「ホント!? やっぱりウソとか、冗談だとか言わないよねっ!?」
「あぁ。」
「ありがと〜っ!! 私は木霊。あなたの名前は?」
「・・・エターニア。」
「エターニア。・・・長いからタニア君でいい?」
「・・・タニアって女の名前じゃ・・・。」
「だって長いんだもん。えー太君とか、ニア君の方がいいならそう呼ぶけど。」
「(沈黙)・・・タニアでいい。」
「そう。じゃぁタニア君。これからよろしくネ。」
懐かしい仲間に出会うよりも新しい出会いのほうが楽しいこともある。
いずれ別れてしまう出会いなのかもしれないけど、一人で居るより二人の方が寂しくない。
でも、私はやっぱりあのコ達と再会したいのだ。